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死の狭間

◼️七つの大罪が帰国後、団長は直ぐに眠りにつき三日が過ぎようとしていた。

◼️アリシアは庭で膝を抱え、涙を流していた。そこにシルフィーがやって来た。

「アリシア、ここにいたんだ」

「私のせいだ」

「何が」

「団長が魔剣を触れさせるのを止められなかった!」

「話聞いたけど、それは団長が強行したんでしょ?アリシアのせいじゃない」

「だけど!私が止めれてたら、こんなことにはならなかった!!」

◼️アリシアの側にでシルフィーが座り、自分に抱き寄せる。

「貴方は悪くない。アリシアは真面目過ぎるの、調べてわかったでしょ。結果的には団長が魔剣を持ち帰ってくれてよかった。そうじゃなければ、私達7種属が滅んでいた可能性が高い」

「でも、でも」

「アリシア、聞きたいんだけど団長は目覚める可能性はある?」

「それはあると思う、多分魔剣に精神干渉された時、団長の魔力が魔剣上回り、イラの魔力限界を一瞬だけど超えてしまった。だから魔力の通り道とも言える。魔力の神経を損傷して、魔力の回復が遅れているんだと思う。それが治れば目を覚ますはず、でもそれがいつかはわからない。神経だから私やシルフィーの治癒や再生の魔法でも治せない」

「なるほどね。神経は細すぎて、どこが損傷してるかすらわからないのね」

「そう。シルフィーどうしよう、団長がもし目を覚まさなかったら、私、私」

「それはないで御座るよ。アリシア」

◼️後ろからリュウジが来た。

「リュウジ、何故そう思うの?」

「アリシア、団長が言ってた事を覚えてるでごさるか?」

「言ってた事?」

「そう、我等がまだ七つの大罪として今以上にバラバラだった頃でござる。我は団長に助けられた。その時言われたのでごさる。七つの大罪は家族、俺は家族を守る心配せずに前へ進め。言われた事はないでござるか?」

「七つの大罪は家族……確かに言われたけど」

「我等からして、団長との年の差を考えると年上になるでござるが、時々思うのでござる。団長の態度父上ににていると」

「父親」

「なるほどね。リュウジは父親が娘や息子より先に死ぬなんてあり得ないっていいたいのね?そっか、それわかるかも」

「シルフィーどういう事?」

「これは内緒にして欲しいて言われてるんだけど、この際言っておくは団長が個個で命令くだす時、仕事に向かう全員の心配をしてるの。それそこ父親みみたいに、側に居る私に何度も何度も言ってくるのよ。大丈夫かな、大丈夫かなって凄く心配してるんだから」

「そうなのでござるな。アリシア、ソナタの無念はわかる。だが今のお主を団長殿が見たらどう思うと思うでござる?」

「今の団長が私を見ると」

◼️少し考え込み立ち上がって、空を見た見上げ目を閉じた。すると、団長の言葉が頭に流れてきた。

◼️「お前そんなことで考えてるか?七つの大罪は家族お前が俺を心配するなんて千年早い安心しろ。俺はお前達より先には死なん。それこそ七つの大罪イラクライムの団長の座にかけだ」

◼️それを思い出すと少し笑顔が戻る。

「確かにね。団長が私達より先に知るなんて想像もつかないわな。ありがとうねリュウジ」

「たいした事はしておらんよ。でだ団長は今どうなっているのだ?」

「今は団長の配下の騎士団と副団長が世話してくらてる。もし団長に動きがあれば、シルフィーに伝えるように命令してある」

「そうでごさるな、なら安心でござる」

◼️三人の会話や遮るかの様に副団長が息を切られてやってくる。

「どうしたの?アカシヤ」

「団長が目を覚ましたのだすが、何かおかしいのです」

「おかしい具体的には?」

「いきなり暴れだして騎士団長の首を絞め始めたんです。ですらから急いでくださいます」

「!?リュウジ、貴方はガルルを呼んできて、私は

二人を呼んでくるから」

「承知した」

「アリシアは団長の元へ急いで、何が起こったかわからないけど嫌な予感はする。急ぐわよ」

◼️各自別れてアリシアは団長の部屋へ急ぐ、団長の部屋の扉を勢い良く開けると、騎士団が首を絞められていた。それを魔法をぶつけ手を離すのに成功し、すかさず騎士団長に駆け寄る

「大丈夫!?」

「はい、なんとか、アリシアさんが少しでも遅ければ私は死んでいました」

「団長はイラの力を使って」

「いいえ、そうではないです。今の団長からは禍々しいオーラが感じ取れても、魔法を使った形跡はありません」

「まさか、魔剣が」

◼️直ぐに鑑定と感知の魔法で探すが、魔剣から魔力は漏れてはいない。原因ではなかった。

「これは……暴走?まかさ!!」

◼️再度鑑定の魔法を使うと、負のオーラ常時発動精神支配となっていた。

「そう言う事ね。騎士団長、貴方は避難をここは私が」

「しかし!」

「命令です。早く、ここは私達七つの大罪がなんとかします」

「……わかりました、ご無事で」

◼️騎士団長が出ていくと、ほぼ同時にシルフィー達が駆けつけた。

「アリシア!無事!?」

「えぇ、それより団長が」 

◼️全員が団長を呼びシルフィーが何が起こってるかアリシアに聞いた。聞いた内容は団長が何か精神干渉を受け、負のオーラで対抗しようとして暴走状態になってしまい。精神が体内の置くか、何処かへいってしまっているとの事だ。

「戻る可能性は?」

「あるけど、肝心の精神がどこにいったのかわからない。わかるのはこのままだと団長は暴れ続けて、団長が元に戻った時に後悔することになる」

「そう、なら全力で止めるわよ!!ガークスさん、ガルルいって!!リュウジは二人のフォローを」

『了解』

「ガルルあんたは後ろから、私が前にいく!」

「わかった!」

◼️ガークスと団長が取っ組み合い力の差は互角だ。

「おいおいマジかよ。ガルル速く!」

◼️後ろからガルルが仕掛けようとするも、後ろ蹴りで蹴り飛ばされ壁にぶつかり、ガークスが押し倒された。

「やべーぞ、本来女として男に押し倒されるのは望む所なんだが、今の団長じゃないなっ!!」

◼️ガークスの頭突きが団長に当たり、リュウジが峰打ちで団長を離した。

「なるほどな、今のでわかったぜ、団長の弱点がな」

「ガークスどういう意味でござるか?」

「リュウジお前も知ってるだろうが、普段の団長なら物理、魔法、精神干渉は聞かない。でも今私の単なる頭突きと、リュウジの峰打ちが当たった。って事は魔法障壁も、物理無効、物理障壁も展開してないって事よ」

「そうでごさるな」

「なら手のうち用はある。普段なら絶対使えないけどね。アリシア、シルフィーは私とガルルの身体強化をお願い、今じゃ私達が負ける、後リュウジ貴方は下がってなさい」

「理由をきいてもいいでござるか」

「今言ったでしょ、今の団長は生身なのよ。貴方の剣技術は最強よ。峰打ちとは言え団長にあれだれのダメージを与えた、今の団長はイラで強化されてないって事よ。貴方の剣術は一発二発なら問題ないとは思うけど、それ以上切れば団長は死にかねない。わかるわよね」

「了知した」

「かといって貴方を遊ばせる余裕はない。だから私達が失敗したら貴方に任せる」

「了解したでござる」

◼️団長を止める作戦が実行された。

◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️

◼️その頃団長はと言うと、目を覚まし辺りを見回していた。

「なんだここは」

「海斗久しぶりね」

「誰だ!」 

◼️振り向くと、前世で付き合い結婚の約束をした城前アリスが立っていた。

「アリスなのか、あり得ない何故お前がここに、まさか幻惑魔法か!!」

「違うはこれは正真正銘の事実よ」

◼️アリスは近づいて来て海斗の手を握った。

「本当にアリスなのか」

「そうよ」

「アリスここはどこで今俺に何が起こってる!?」 

「これを見て」

◼️アリスが指差す先にはモニターが写され、そこにはアリシアの首を絞める自分が写っていた。

「どういう事だ。何が起きてる」

「ここは生と死の間の空間、本来は魂や死んだ人や種族がさ迷う場所よ」 

「なら俺は死んだのか、でも身体がアリシアを殺そうとしてる。何が起こってる!」

「海斗貴方三日前に声を聞いたのを覚えてる?」

「声?」

「進化したいか?って声よ」

「あれか、確かに聞いたそれが関係あるのか?」

「えぇ、それはほんの一握りにしか聞こえない。世界の声」

「世界の声だと」

「世界の声は聞こえた者に変革をもたらす、今回起こったのは貴方が勘違いして精神干渉のスキルを使った為、世界の声と負のオーラが強力になって威力が増して、貴方の精神が身体を追い出され、今ここにいる。つまり貴方は死にかけてる。早く戻らないと、七つの大罪も、貴方も死んでしまう。負のオーラによってね」

「そんなの見過ごせるか!どうしたら元に戻れる?」

「簡単よ。」

◼️指を指した先には扉が現れた。

「あれを通れば貴方は身体に戻れる」 

「それを早くいいえっての!」

◼️海斗はすかさず走りだしたが、扉についた瞬間弾かれた。魔法かと思いリヤンの魔法を使うも発動すらしなかった。

「なんで!?」

「海斗さっき言ったでしょ、今ここにいるのは貴方の精神体、その精神体には魔力はない。ここでは魔法も何も使えない」

「だったらどうやってでるんだ!」

「海斗貴方ここからでたい?」

「当たり前だ。転生したが今の俺は七つの大罪団長だ!それが団員を自分の身体で殺そうとしてる。そんなの俺自身が許せないし、見過ごせない」

「愛からわず責任感が強いわね。一つだけここをでる方法がある」

「!?教えてくれ!!」

「私の魂と貴方の精神をシンクロされること」

「シンクロだと」

「シンクロすれば貴方は負のオーラを完全に支配下における。つまり今後こんな事は起こらない。だけど一つ問題がある」

「問題って?」

「隠し事はしたくないから言うけど、もし私と貴方がシンクロしたら、魂である私は消えてしまう」

「消えるだと」 

「そう、完璧に貴方自信になる」

「そんなのダメだ!!」

「方法はこれしかない」

「でも!」

「一つ謝る事があるんだ。海斗は頭いいから察しがついてると思うけど、今の私は魂で帰る肉体はない」 

「地球で死んだのか」 

「ごめんね海斗、貴方に救って貰ったのに死んでしまって」

「何があったんだ?」 

「私アイドルしてたじゃなあい。そのストーカーの熱烈な行為で家に火をかけられてね。そのまま死んでしまった」

「そんな事があったのか」

「そんな事より、海斗は戻りたいんだよね。だったら私をつかって」

「できねぇー、お前が消えると、わかっていてそんな手段をとるなんて」

「それでいいの海斗、さっきも言ったけどこのままじゃ、七つの大罪も貴方も死ぬ。それに七つの大罪は大切な家族なんじゃなかった?」

「アリス何故その事を知ってるんだ」

「私ね、未練があったのか結構ここ長いんだ。それでいつの間にか現世の状況を見れる様になったの、それから私は海斗を見続けた。だから嬉しかった。海斗が昔のままの海斗で、私は貴方に一度命を救われてる。だから、もしなんだかの理由でここに来てしまったら、力を貸すて決めてたんだ。覚悟は出来てる」

「でも消えるんだぞ」

「そうだね。でも安心して、私は消えるけど私の目や耳は貴方と共にある。単純に言えば貴方の一部になるの。だから見せて聞かせて欲しい。貴方がこれから進む未来を、貴方の守る物、守りたい人達を私にも守らせて、私はその為にここに居続けた。お願い力にならせて海斗」

「……アリス……悪いが頼む、俺は七つの大罪を家族を救いたい」 

「わかった。海斗手を」

「具体的どうすればいいんだ?」

「海斗もしたことあるでしょ、現世で魔力を流す訓練」

「あるにはあるが」 

「それと同じ、私が貴方に魂を流すそれを感じて自分に取り込むようにイメージして、魔法はイメージでしょ」

「わかった、始めてくれ」

◼️アリスは自分の魂を海斗に流し始めた。海斗には何か魔力と違う物のが流れててきてる妙な感覚があった。これが魂なのは直ぐにわかった。

「うっ」

「アリス!」

「海斗集中して私は大丈夫、速く」

「あぁ」

◼️目を閉じ魂の流れを感じる。その魂の量が増えるに連れ、アリスは苦しみ始まる。その理由でわかるのは魂がなくなりつつある、それしかない、でも今更止めることも出来ない。アリスの覚悟を無駄にしない為にも、海斗は集中し続けた。

「海斗それでいいんだよ。私の命は恩がある貴方に返したいと、ずっと思ってた。今日それが叶う、これ以上の喜びはないよ。最後に一つ言うね。ごめんね辛い選択をさせて」 

「いいよ。気にするな、俺は約束する。お前と一つになり、七つの大罪の団長としてお前の願いを叶えることを」

「ありがとう。海……斗、さよなら……は言わない……よ」

◼️魂であるアリスが海斗に完全に溶け込み一つとなった。すると身体からとんでもない力が漲るのを感じた。

「これがシンクロ、でも悠長な事は言ってらんねー、今すぐ戻る。お願いだ。死なないでくれ皆!!」 

◼️さっきの扉まで走ると扉が砕けて通り抜けた。

◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️

◼️結果的にガークスの作戦は失敗し、全員がパラライズをかけられ、一番大きな魔法を発動していたアリシアの首を絞める団長を誰も止められない。この状況は不味い、あの力で握られたら何分もつかわかったもんじゃない。アリシアは必死に呼び続けた団長をそして最後の大きな声で団長を呼ぶと、団長の両手はアリシアから離れた。

「ケホッケホッ、団……長?」

「……アリシア、すまなかった。苦しい思いをさせて」

「団長!元に戻ったんですね!よかった」

「お前らも手間掛けてしまったな、悪かった」

【どうやら元に戻ったようだな、主よ】 

「この声、アイスエイジかどこから?」

【ここだ】

◼️声のする方には自分が持ってないアクセサリーが首からかけられている。

「お前、小さくなれるのか」 

【勿論どんな姿でも可能だ。こうでもしないと主以外には我の魔力は毒だからな】

「そうか、なら人形ってなれる?」

【やったことはないが、出来ると思うが何故だ?】

「魔剣とは言え、お前も七つの大罪のメンバーになる。人形になれるなら、楽しみがあった方がいいだろ」

【主は我の事考えてくれておるのですね】  

「勿論だ」

【では我を床に置いてください】

◼️適当に見つけた床にアクセサリーを置いて下がった。

【では始めよう!】

◼️黒い魔力が包み込み、3分程経つとそこには全身裸の女が立っていた。それを見た女性メンバーの行動は、アリシアは団長の首をいきなり曲げ、ガルルの近くにいたガークスは目潰し、リュウジは察したのか自分で目をそらしていた。部屋には団長とガルルの苦痛の声が響いた。それに驚いたアリシアはアイスエイジ言う。

「アイスエイジさん服は服はどうしたんですか!」 

「服とは?」

「私達が来てるこう言うのです」 

◼️シルフィーが今度は教えた。

「そうか、7種属は服と言う物を着るのだな、人の姿などとったことがない故、忘れていた」

◼️指をならすと、魔力がアイスエイジを包み服が着られた。

「これでよいかの?」

「えぇ、団長もういいですよ」 

「……」

「団長?団長!どうしたんですか!?」

「アリシアどうしたもこうしたもあるか、幾ら俺でも首には稼働領域ってのがあるんだ。いきなりそれを曲げられたらこうなるわ」

「あっ、すいません」

◼️今まで黙っていたサイザルの姉さんが口を挟んだ。

「団長、アイスエイジって名前長くないですか?違う名前考えましょうよ。せっかく仲間になるんですから」 

「そんなの、アイスエイジからとってアイでよくね?」

「そんな適当な、ちゃんと考えましょうよ」

「考えるってもなぁー」

◼️そこにリュウジが口をはさんできた。

「団長我にいい名がある提案してもいいでござるか?」

「いいぞ、どんな、名前だ?」

「容姿から見て氷の花の様に感じたので、ジーヴルと呼ぶのはどうかと」

「ジーヴルかいいんじゃねぇーか、サイゼル姉さんもそれならいいだろ?」

「まぁアイよりかはね」

「なら決定!!アイスエイジ、お前は今日から人の姿の時はジーヴルだ」

「確かに受け取ったぞ主よ」

◼️するとジーヴルが蒼く光だした。

「なんだ今の?」

「我に名を与えたことにより我の力を引き出しやすくなったのだ。魔剣に名付けるとはそういうことだ」

「へぇー始めてしったぜ、そんな効果あんのか」

◼️話が纏まりだしたその時シルフィーが手を叩き、皆が注目する。

「今回の団長の暴走の件は終わり、私が聞きたいのは団長貴方に何があったんですか?」

「信じて貰えるかわからんが、全て話す」

◼️この寝続けた三日の事、特に初日に聞いた世界の声の事を話、自分がどうやって戻ってきたのかも説明をした。

「にわかには信じられませんね」

「だろうな」

◼️アリシアだけは信じているのか質問をした。

「団長、アリスさんは世界の声と断言したんですか?」

「そうだ。俺はアイツとの付き合いは長いから信じてる」

「そうですか」

「アリシア、何か気になるの?」

「団長これからの事は七つの大罪だけの秘密にしてください。これは天使属に伝わる幻の現象に似ています」

「つまり、天使属の極秘事項だといいたんだな」

「はい」

「わかった。七つの大罪団長として命令する。これから聞く事は俺達だけの秘密とする。もし口外したら判決は待たず死刑に処すいいな」

『了解』

「アリシア話してくれ」

「はい、実は」

◼️天使属の四代天使親族、大天使、その上の女神様しかしらないらしい。ごく稀にそれこそ遠くなる年月を得て、限られた種族などは関係なく聞こえる時があるそうだ。その声を聞いたら身体に変革をもたらすと言われる幻の声の主である。その、存在は女神様しか見たことがないみたいだ。

「そうか、俺も姿を見る可能性はあるのか?」

「わかりません。そこまで行くと私の知識を越えています。わかるのは女神様だけ、大天使様でもわからないかと」

「あのババアがわからんとはな」

◼️今度はガルルが口を挟む。

「アリシアよう、お前の言い分はわかった。だがアリスって女は魂であって、団長とシンクロした。そんなことあり得るのか?」

「ないとは言えない。それに、さ迷った魂には膨大な魔力が蓄積されるのは事実よ。それこそ願いの塊みたいな物だから、それが今団長の中にあるなら、今団長は、人属に語られる神に近しい力を手に入れたことなる」

「マジかよ」

「えぇ、世界の声を聞き進化した団長は間違いなくステータスは上昇し、その域に至ってもおかしくない」

「お前らに一つ言って置く必要があることが出来た」

◼️団長の目は真剣に話だした。 

「今回俺はお前らを傷つけた。七つの大罪の掟である。団員間の間で騒動が起こった場合処分を受ける。だから俺は七つの大罪団長を、辞める」 

「団長なんで!!」 

「アリシア、俺は七つの大罪を大切な家族を傷つけた。そんなやつが団長ではいられない。俺は潔く辞退する」

「団長それは無理ですよ」

「シルフィー、どういう意味だ」

「団長がおっしゃってるのは、七つの大罪の掟のその一節、団員間でのケンカ、傷つける事は許されない。それを自分が破った。そういいたいんですね?」

「その通りだ」

「団長忘れてますよ。七つの大罪の第二節を」 

「第二節……」

「はい、第一節で問題があった場合、七つの大罪がそれを裁定するのは、問題を起こした本人ではなく、残りの七つの大罪団員で、その中で団長に近い者が裁判官をになり、裁定を下すですよね。今回は団長が問題を起こした為、副団長の私に裁定件が与えられる。それは七つの大罪の団員であり、団長でも一人で裁定の変更は出来ない違いますか?」

「シルフィー」

◼️シルフィーは内心怖かった。今回初めて団長を裁定する権利が自分に与えられたことに、一歩たりとも間違うわけにはいかなかった。今後の七つの大罪の為にも。

「確かにな、お前の言う通りだ。七つの大罪の掟は決めたのは俺だが、それを今裁判の的になってる俺に変更することはできない。俺が団長でもな」

◼️心の底で安心した団長は、今は冷静な判断が出来てきが楽になるのを感じた。

「では、裁定を下す、今回七つの大罪団長の工藤海斗が有罪だと思う者は名乗りを上げろ」 

◼️十分だろうか、有罪だと証言する団員はおらず、次に無罪だとするべきだと思うものが全員だった。

「お前ら、本当にいいのか?」 

「団長いいって事よ。今回は死人がでてない」

「でも俺はお前らを……」

「ふーん、なら責任を取って私を団長の女にして、でもくれるんですか?」  

「はぁ!?ガークス姉さん何をいきなり!」 

「だって、私傷つけられたしー、しかも押し倒されて、お嫁に行けないかもだわー、だから団長が男として責任を取ってくれるんですか?」 

「ガークス姉さん、今はそんな事言ってる場合じゃ」

「ふふふ、冗談ですよ。団長、いえ、海斗、私は貴方が団長の座から降りる事をのぞまない」

「私もです団長」

「サイゼル姉さん」

「団長、我も二人と同じく団長が我らの団長でなくなるのは容認できぬでござる」

「リュウジ」

「団長は、よく言ってるではごさらぬか、意識があり、判断力がある者なら失敗の一つや二つある。団長にとって今回がそうだったのでござろう」

「俺も団長が団長を辞めて、七つの大罪を抜けるのには反対だ。団長俺はお前に勝ってねぇー勝ち逃げは許さねぇー」

「ガルル」 

◼️最後に団長の両手をとり強く握りしめ、少し泣きながらアリシアが本心を伝える。

「団長私は、私達は団長が一人で罪を背負い団長を辞めるなんて一人として、望んでいません。ですからどうか、これからも私達の団長でいてください。それに違う団長がきまったとして、私達は命令を聞きません。私達の団長はイラクライム、リヤン事、工藤海斗しか考えられません」

「私もよ、団長」

「シルフィー」 

「そもそも、団長が団長を辞めたら誰がこの癖強い奴らを纏めるんですか、私には不可能ですよ。こんな手間も掛かる七つの大罪を纏めるなんて、七つの大罪の団長は海斗貴方だ。裁定は言うまでもはいだろ」

「ありがとう皆」

◼️シルフィーが手を叩き団員を注目を集め今回の本題に入った。

「団長に起こったことはのちのち、解明するとして今はもつ一度裁定下す事がある」

「裁定をくだすこと?何かあったか?」

◼️少しキレぎみでシルフィーが答える。

「おやおや、団長はまだ寝ぼけてるみたいですね。お忘れですか?前回の件、ジーヴルさんを手にした裁定です」

「あっ」

「アリシアから聞きましたよ。随分と無茶したそうですね。団長」

「それはだな、その……」

「今回の賛同したのは六名です。第二節の条件は満たしてます」

「あのあれだ!」

「黙れ、バカ団長」

「!?」

「私はね。怒ってるの。副団長として、ではなく一人の女として、魔剣に触れるという無茶を強行したあげく、精神を支配されかけ、三日間寝込んで、その三日もの間アリシアを泣かせた。バカな団長、いやバカ海斗あんたに、だから裁判は行う、わかって貰えますよね?バカ海斗」

「はい。すいません」

◼️海斗は返事をして、正座をさせられ裁判が始まる。第一審判決をとり、罪は有罪と言う結果に終わり本来であればこれで決まる所、シルフィーがそれを変更し、シルフィーが集めた情報を元にして第二審の結果で判決を下すことになった。

「私の副団長の権限で、天使属の大天使様にあってきたわ。天使は転生するから魔剣には詳しいと思ったから、それを聞いてアリシアとジーヴルから聞いた話を照らし合わせてみたの。そしたら、約一億年前に実際に起こった事だと言う結論に達しました」

「その様な魔剣があったのでござるな。シルフィーお主の言う事を疑うわけではないが、本当なのでござるか?」

「えぇ事実よ。それから大天使様に許可を頂き、天使属の書庫にも行ってきたけど、大天使様と二人から聞いた事が書き記されていた。間違いないわ」

「その魔剣、脅威でござるな」

「そう、だから、バカ団長が持ち帰ってくれたのはバカな行為でも不幸中の幸いだってこと、もしデーモン達にジーヴルさんが渡っていたらどうなってたか。最悪7種属は滅亡もあり得た」

「それ程の、考えたくないでござるな」

「私もよ、でも少し気になるのはジーヴルさんともう一本の魔剣、バーニングって言ったかしら?その魔剣についての記述は載ってなかった」 

◼️そこにジーヴルが口を挟む。

「それは当然だ。エルフの娘、いやシルフィーよ」

「ジーヴルさんどういう意味ですか?」

「我とバーニングは別れた、後封印されたと聞いておるであろう」

「聞いてますよ。それが何か?」

「確かに我とバーニングが合体した魔剣の情報はあっとしても、我個人の能力や性能は別れてから得た物だ。それから我らは封印からのう」

「なるほど、一本としての記述はあっても、二本に別れた際の記述は、その後直ぐ封印され使用されてないから、亡くてもおかしくないと」

「その通りじゃ、そもそも我が封印され、約一億年が経ったと知った。天使属やデーモンならともかく、我や我らを知る者は殆んどいなくて当然じゃ」

「ありがとうございます。ジーヴルさん」

「いや、大した事は言っておらんよ」

「続けますね。よって大天使様いわく、その魔剣が二人の合体した姿なら、決してさせてはならないとのお言葉よ。だから女としては減刑なんてしたくないけど、それは七つの大罪の掟に背く事になる。だから副団長としていいます。この度のバカ団長の行為は無謀で!バカで!アホ!自殺行為!に等しいですが、減刑されるべきかと思います。ですので再度決を取ります。無罪だと思う者は発言をしていって」

◼️ガルル、リュウジ、サイゼル、ガークスは無罪を主張した。

「アリシア、貴方は?」

◼️色々あり、裁判中ずっとないてるアリシアは涙を拭い声をだす

「有罪」

「そうね。私も有罪、って事で無罪四、有罪二って事になりバカ団長は無罪となりました」

◼️それを聞いて安心しかけたその時追い討ちをかけられた。

「バカ団長、まだ終わりませんよ」

「まだあんの!?」

「何か?」

◼️普段優しいシルフィーの目が、どうしようもない屑を見るような冷徹な目になっていた。

「いえ、続きをどうぞ」

「はい、それで今回は罰はないけど、皆考えてもみて、このバカな団長の事だから同じことを繰り返す可能性が高い、と言うよりあり得ると思うのそれについはどう思う?」

◼️その言葉に全員が賛成した。

「だから、次にバカな事をした際確定有罪で、その時の罰を考えたの、バカ団長」

「はっはい!」

「次また無茶な事をしたら、バカ団長の大切な、と言うか男として大切な股間のあれをバカ団長から切り落として、目の前で握り潰します」

◼️それを聞き男性メンバーは股間を抑え、海斗は青ざめながら声をだす。

「おま、おま、お前」

「それくらいの事をしたんですよ。バカ団長、覚悟の上ですよね?」

◼️顔は笑い、完璧な笑顔に見えるがその奥からなんとも言えない恐怖が込み上げる。イラクライムの海斗を恐怖させる効果は抜群だった。

「わかりました。俺、私も男ですから、受け入れます」

「ありがとうございます。さて裁判も終盤ですね。後」

◼️海斗はこの瞬間落胆する終わるかと思っていたが、終盤に差し掛かっただけとは何があるのか、想像を放棄した。

「今回の件、無事に済んだとはいえ、バカ団長から謝罪の言葉があっていいと思うから聞かせて貰おうか皆」

◼️異議はなかった。

「バカ団長、どうぞ」

「はい、この度はその、七つの大罪団員の皆様におかれましては、私の強行した単独行動で多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ないと思っております。今回の件に関して、深く、深くそれこそ海より深く反省し、今後この様な事はないようにするので、今回の無罪誠にありがたく思います」

「だってさ、アリシア、どうする?」

◼️身体が緊張して震え上がる。この中で一番迷惑をかけたのはアリシアだったからだ。

「バカ団長」

「なんでしょうか?アリシア様」

「次また無茶したら、私がバカ団長のあそこを握り潰すいいですね」

「肝に命じます。特にアリシア様に忠告されたのに、パラライズをかけ、魔剣に触れる事を強行した事、誠に反省しております。のでどうかいつもの笑顔に戻ってくれると嬉しいです」

◼️涙は止まりいつも見せてる笑顔で海斗に微笑みかける。

「絶対ですよ。バカ団長」

「はい」

「で」

「でって」

「バカ団長」

「すいません。シルフィー様続きを」

「無罪は無罪でも、反省の言葉も聞けたけど、裁判する前に皆に聞いたよね。男性団員はいいって言ってたからなしにするけど、心配してた女性団員からは賛同されてます。今回、七つの大罪団員の長であるバカ団長ともあろう方が、謝罪の言葉と次の制約だけで済ませたからと言って、今後七つの大罪として不満が残り、団長の面子もあると思ったので、バカ団長には女性団員の私とガークス、サイゼル、の言う事を一つ、一番心配をかけたアリシアの言う事を三つ、バカ団長のできる限りでなんでも言う事を聞いて貰う。それで終わりにしたいと思います」

「あの、シルフィー様」

「なんですか?バカ団長」

「それ私に拒否権は……」

「あると思います?」

「ないですね。すいません。変な事を聞いて」

「それに、たった六つなんでも言うこと聞くだけで、今回の事を許してあげるって言ってるんですよ。それで七つの大罪としての団長の面子も守れる。なんて優しい団員達!そんな団員に囲まれたバカ団長は幸せ者です!!これ程優しい事もないと思いますが、どう思われます?バカ団長」

「そうですね。ありがとうございます」

「これにて裁判を終了します」

◼️その一言で海斗の気は一気にぬけた、やっと終わった。誓いをたてたもう、二度と同じことをしない。したら死ぬ違う意味で、それだけは阻止したくてはいけない、男として。









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