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狐御使いちゃんの獣神さま育成ものがたり  作者: 黒狼クロ
災いの森と狩人と
10/33

記憶喪失二人組

 再び投稿が遅れました。本当に申し訳ない……

 一向に景色の変わらない森の中を、周囲を警戒しながらロズさんと一緒に歩く。景色が全く変わらないため、一体どれくらい歩いたのかがさっぱりわからない。


「あの、さっきのことなんですけど……」


 延々と続く沈黙に不安を感じ、何か話をしようと先ほどの疑問を口にする。


「ロズさんが自己紹介をしたとき、どうして『だと思う』とか、『たぶん』とか、曖昧な回答だったんですか?」


 前を黙々と歩いていたロズさんがペースを落とし、私の隣に並ぶようにして歩く。


「実は、わたし、記憶喪失」


 ……


「最初に、この森の、小屋の中で、目が覚めた。近くに、わたしに似た子が映った、写真が、あった。そこに、ロズっていう、名前が、書いてあった。狩人っていうのも、そばに、狩人の在り方? みたいな、本とか、いろんな、罠とか、置いてあった。だから、わたしは、たぶん狩人、だったんだと、思う」


 この人も私と同じ、記憶喪失なんだ……


「質問に、答えた。今度はキミが、答える番……キミは、どうして、一人で、こんなところに?」


 私のペースに合わせて隣をゆっくりと歩くロズさんが私に尋ねる。


「ざっくり言うと、人探しですね」


「人探し……そんなことで、ここに……」


 質問に答えると、ロズさんの表情が曇る。何かおかしなことでも言ったかな?


「……誰かに、頼まれたり、した?」


「ええ、そうですね。私の主様からの命令で」


「……キミのことは、わたしが絶対に、守るからね」


 ……? 突然どうしたんだろう?


「キミの主人は、ひどい人。こんな子を、一人で、こんな場所に、来させて」


「……ミコト様がひどい人って、どういう意味ですか?」


 突然ミコト様をひどい人呼ばわりされて、少し腹が立ってしまう。口から出た言葉に少し怒気がこもってしまったようで、ロズさんが少し戸惑ったような表情を浮かべながらも、私の質問に答える。


「気を悪くすること、言って、ごめん。でも、この森は、すごく危険。森の外から、中には、入れるけど、森の中から、外に出るのは、できない。一度入ったら、出られない森。それなのに、子供一人で、この森に入れるなんて、命を捨てさせるのと、同じ」


「中から外に、出られない?」


「この森は、さっきの、イノシシみたいなやつと同じ、赤黒い、へんな壁に、覆われている。穴を掘って、下から抜けたり、上空から、抜け出そうとしたけど、どうやっても、中から外には、出られない。そう書いてあったし、私も、実際に、見た」


「書いてたって言うと?」


「森の中に、落ちてた本に、書いてあった。この森は、おかしいから、外の人が、この森のこと、調べてるって。実際に、読んでもらったほうが、早い、と思う。ほら、着いたよ」


 ロズさんが指さす方には、木造の小さな小屋があった。建てられてから長い年月が経っているのか、外装はボロボロだが、うっすらと木漏れ日が指していて、不思議と神秘的な場所に見えた。


「……ここは?」


「さっき言ってた、小屋。わたしの、家。最初に、目が覚めた時、ここに、いた。なぜか、あの赤黒いやつらは、ここに、入ってこない。だから、家として、使ってる」


 小屋に近づくと、不思議と体が暖かいものに包まれているような感覚がした。感覚を研ぎ澄ますと、小屋周辺に霊力が集まっているのを感じる。妖力しかないこの森の中で、どうしてここにだけ霊力が集まっているんだろう?


「ココ、とりあえず、中に入って。それから、この森と、わたしについて、そして、キミについて、詳しい話、しよう」


 ロズさんはそう言うと、小屋の中へと入っていく。私もそのあとを追って小屋へと入った。

 今更ながら、twitter? X? はじめました。たまに何かつぶやくのでよかったら見てみてください。

https://twitter.com/Kimera_287

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