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6話:「俺は恥ずかしいんだよっ!!。返せっ!!」

ベルナルドとラインヴァルトは、今回の遺跡内で回収した冒険者パーティの遺品と認識票の入った

遺品入れバックを背負って、「冒険者遺品・認識票管理所」にやってきていた。

その私設内は広く、内部は薬品と消毒液の臭いが充満している所で、白い防護服を纏い貌をガスマスクで覆った職員や紺の特殊魔術魔法のかかった繊維製のつなぎ服に、特殊ボディアーマーの上からアサルトベストを着用しガスマスクを装着した職員が、ざっと300人ほどが、冒険者の遺品と認識票の仕分け作業を慎重にかつ的確にしている。

「よお、ベルナルドとラインヴァルト、俺達、「冒険者遺品・認識票管理所」がこの世でただ一つ我慢できないのは、何だか知っているよな?」

紺の特殊魔術魔法のかかった繊維製のつなぎ服に、特殊ボディアーマーの上からアサルトベストを着用の平べったい鼻をした男性職員が、ポートリシャス大陸南西部訛りの口調で尋ねてくる。鼻の孔が天井を向いている。ガスマスクは着用していない。

「故郷に恋人や妻、または子供や年老いた両親を故郷に残して、迷宮や遺跡で命を落とす愚かな冒険者の遺品と認識票の仕分けをする事だったな」

ベルナルドが掠れた声で即答する。今、2人の対応している、「冒険者遺品・認識票管理所」の職員の

名前がオレッグという名前なのだろう。

「戦友、気持ちはわかるが仕事だ。何処かで割り切らないと苦しいぞ」

ラインヴァルトが言う。

「割り切る?、お前は割り切れるか?」

オレッグは遺品と認識票の入ったバックの中から、一つの遺品を取り出す。懐中時計と写真だ。

「この写真からすれば、新婚夫婦の様だ。この写真に写っている懐中時計は、この懐中時計だよな?。

つまり、死亡したのはこの奥さんの旦那さんだ」

重苦しい空気が漂う。

遺品と認識票の入ったバックには、血で汚れた遺品と認識票が入っている。認識票には、氏名、生年月日、性別、血液型、種族、認識番号、信仰する宗教等が打刻されている。

使用する枚数もポートリシャス大陸各地域国の連合警備隊冒険者管理局によって異なるが、二枚式の場合は両方に、一枚式の場合は折り取れるようにしておきその上下双方に、同じ内容を打刻する。迷宮や遺跡で命を落とした冒険者の遺骸から両方とも回収し、一つを死亡報告用と冒険者判別様に保存し、残りは遺品と一緒に遺族に手渡すことになっている。

「こっちの遺品は、血で封筒が汚れているが、どうやら恋人に当てた手紙だ・・・割り切れるほど達観はしてないんだ。俺は」

オレッグは深い溜息を吐く。

「良い意味じゃないが、少しはラインヴァルトを見習った方か良いかも知れないな。ラインヴァルトは

「お、なかなか綺麗な未亡人だな。よしよし、てきとーに訳を作って慰めにいってやろう」とか、

「本人が死んだら、寝取っても大丈夫だよな」とか言っている。それぐらいの冗談ぐらい言える神経

を持った方がいい。オレッグ」

「そんなことは言った覚えもないぞっ!!」

ラインヴァルトはすかさず反論する。

「ラインヴァルトにとっては、遺品・認識票管理所の仕事は、ドワーフ、エルフ、ホビット、フェアリー、フェルパー、ラウルフ、そして各混血種族や異民族のファックの方が気合い入っていると言いたいんだろうな」

オレッグは、遺品・認識票受け渡し証明書にサインをしながら答える。その表情は何処か尊敬しているように見える。

「小中学生や連合警備隊の訓練生、そして冒険者のファックよりも劣っているとも言いたいのかもしれないぞ?」

ベルナルドが遺品・認識票受け渡し証明書のサインを確認しながら言う。こっちの表情はいつもの事だ

という表情を浮かべている。

「誰が言うかっ!!」

「まったく・・・ラインヴァルト、お前は女と見れば何でもかんでもヤリたいのか。いつか刺されるぞ」

「ラインヴァルトが以前言っていた。「刺される、訴えられるとかは、4流5流以下だ。いいか、超一流は、ヤッてコマして、血の一滴までも食い物にして身も心も捧げさせて超一流なんだ。刺されたとか

訴えられたとか聞けば、俺は、そいつは手を抜いて気合いもなく覚悟もないファックをしたからだ。

女と一発ヤるからには、覚悟と気合いと手を抜かずにヤる事だ」と言っていた」

「お前等・・・・よくそんなことを考えて言えるもんだな・・・」

ラインヴァルトは完全に呆れきった表情で言う。

「さてラインヴァルトは、早くさっさと歓楽街へと行きたいようなので、これで失礼する」

「女好きの相棒を持つと、なかなか大変そうだな。ベルナルド・・・・遺品と認識票は預かった。あとは任せてくれ」

「お前等、俺の話を無視かっ!!」

「さあ、ラインヴァルト、邪魔していると悪い。早くシャワーを浴びに行くぞ」

「その台詞だと、俺がまるっきり邪魔しに来ているように聞こえるぞっ!?」


2人は、「冒険者遺品・認識票管理所」から移動して、支部建物のシャワールームへと向かった。

シャワールームのコンクリート床の脱衣場で、まず2人は装着装備回収箱に装備品を入れる。装着装備類の手入れは、ここでは装備管理部が行っている。

連合警備隊の各支部建物私設には、職員用のビュッフェ、ラウンジ、マッサージルーム、プール、スポーツジムなどある。シャワールームとサウナルームもその一つだ。

以前に少し触れたが、ポートリシャス大陸連合警備隊では、各日用品類や丈夫な背広型の制服も支給さけている。背広の制服もこの大陸の高級な生地で創られたものだ。支給されている時計もだ。頑丈で壊れにくく、遺跡や迷宮に着けていても大丈夫なほど。

他にも、衛生用品 、オーラルケア用品、トイレタリー用品、女性化粧品に生理用品も支給している。

一般の商店に流通している品物よりも、値段にしたら高いらしい。というのも、一般商店では販売していないためだ。特に腕時計は、一般時計よりも性能が良いらしい。

以前、ラインヴァルトが「幾ら予算がないからと言って、これで良いわけないだろ」と言っていたが、

職員用の日用品にも予算がある。男性用のサウナや女性用のサウナを建てるとなると、日用品の予算がカットされ、質の良い日用品の支給が廃止されるし、給料も半分になるだろう。

確実に間違いなく。なるのだからしかだかないのだ。1人文句言っているのはラインヴァルトぐらいな者である。

「ラインヴァルト、今日は女性職員が多いみたいだが、発情して襲うなよ」

「誤解を招くような発言はよせっ!!」

ラインヴァルトは、素っ裸になると自分のロッカーの鍵を開けて、中からからタオルを出し、前を隠してシャワールームへと向かう。ベルナルドはタオルを持つが、前を隠さずに向かう。

突き当たりのドアを開けて2人が入ると、広いシャワールームには、前回と違い女性職員の姿が多い。

前回では言っていなかったが、ドワーフ、エルフ、ホビット、フェアリー、フェルパー、ラウルフ、混血種族の職員も使用していると言っておこう。人間だけではないのだ。もちろん、各種族の女性もだ。

「いつも女性と一発ヤッているのに、こんな時は恥ずかしいのか。隠すことないだろ」

「お前は隠せよ、少しはっ!!」

ラインヴァルトは不機嫌な声で答える。ラインヴァルトの声が聞こえた、数名の顔見知りの女性職員が

「ラインヴァルト、今夜空いているわよ」や「うんと気持ちよくさせてあげるから、溜まったモノを吐き出す?」など言ってくるが、ラインヴァルトは全て無視をする。

「ヤりに行かないのか?」

ベルナルドが真剣に尋ねる。

「行くわけないだろうが」

ラインヴァルトが即答する。2人はさらに奥のサウナルームへと向かった。

扉を開けると、中には40人ぐいらの各種族の男女職員が、ベンチや棚に腰を降ろしたり、横や仰向けになったりしている。タオルで前を隠したりしている職員は誰もいない。男性職員はは欲望に興奮している様子はなく、女性職員は興奮して発情している者はいない。

2人はベンチに腰を降ろした。ラインヴァルトはなるべく女性の裸身を見ないように、視線を床に落とす。ポートリシャス大陸連合警備隊の訓練の成果なのか、女性も男性も身体が引き締まってたくましい裸体である。

「ねえ、恥ずかしいがる事ないんじゃないの?、ラインヴァルト」

コーヒー色の肌と哀愁に満ちた黒い瞳をした女性職員が、ラインヴァルトからタオルを取り上げた。

「あっ、返やせっ!!エミリアッ!!」

慌てて股間を押さえながら、怒鳴るようにラインヴァルトが言う。

女性職員――――エミリアという名前なのだろう――――が口元に笑みを浮かべる。

「恥ずかしいがる事ないんじゃないの?」

「俺は恥ずかしいんだよっ!!。返せっ!!」

この場にいる職員らは、ニヤニヤ笑っているものと我関せずといった表情を浮かべている。

「あたしとヤるなら、返してあげてもいいけど?」

と言ってくる。

「らしいぞ。それなら俺は出ていくが」

ベルナルドは気をきかせているのか、そんな事を言う。

「変なところで気を使うなっ。――――それと、ニヤニヤ笑っているものと我関せずといった表情の戦友どもっ、誰でも良いから相手してやれっ!!。ここにいるやつは恋人も結婚もしていない奴だろ」

ラインヴァルトが苛ついているのか、恥ずかしがっているためか、とんでもない事を言い放つ。

だが、「俺は、結婚している」 「僕は彼女いる」「あたし、そっち系じゃない」、「ナニもおっ立たないから無理」、「後で歓楽街に出向く」など色々と言って拒否されていく。

「お前等はこんな美人職員がいるのに、全員拒否かよっ!?」

「違うぞ、ラインヴァルトのモノだから、手を出したくないだけだ」

汗まみれになっているベルナルドがそう答えると、立ち上がる。

「少しシャワーしてくる。お前はゆっくりと愉しめば良い」

そう言うと、シャワーを浴びるために出ていく。他にも10人以上の職員もゾロゾロと出ていく。

「をいっ!!、こらっ、ちょっと待てっ!!」

ラインヴァルトが呼び止めようと、叫ぶように言う。



小説のアクセスが、1000を超えました!!

読んでいただき、感謝です。

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