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ふたりで、嬉しい時も悲しい時も半分こしよう!

作者: 七瀬








僕には彼女に隠し事が一つだけある。

彼女とは付き合って3年になり、何でも話せる仲だが...。

どうしても、これだけは彼女に言えなかった。

僕は、あと半年で死んでしまう。

何故? 僕が半年後に死ぬのかと言えば、、、。

100発100中で当たる占い師に僕が見てもらったからだ。

僕は、そもそも占いは信じてないのだが、友達がとても当たるからと

僕を強引に連れてその占い師に見てもらう事になった。

そして、その占い師が僕に神妙な顔でこう言ったんだ。




『ズバリ、言ってもいいかしら?』

『はい! そのつもりで見てもらっているので、遠慮なく言ってください!』

『“あなた、半年後に死にますよ。”』

『えぇ!?』

『どういう死に方をするのかは今は言えません。死ぬと聞いただけでも

ショックでしょうしね。』

『言ってください! 僕はどんな死に方をするんですか?』

『・・・うーん? もし? その時、回避しても“死ぬ事は逃れられません”

死ぬ運命は変わらないからです。』

『・・・そ、そんな、』

『死を受け入れるしかありません。残念ですが...。』

『どうにかならないんですか? アンタ占い師だろう!』

『・・・お、おい!』

『一方的に半年後に死にますとか言われて、黙ってられないだろうが!』

『・・・まあ、そうだが、』

『改善方法があるとすれば? 彼女に運命を交換してもらうしか...。』

『彼女にそんな事、頼める訳ない! それに、そんな事は絶対にしない!』

『そうですよね、それならあなたは半年後に間違いなく死にます。』

『・・・・・・』

『ふざけんな!』






・・・まさかな!?

僕は占い師によって、“半年後に死を宣告される。”

占い師によると? “死を避ける事は出来ないらしい”その時、回避しても

別の方法で死ぬ運命だと言われた。

でも一つだけ、僕の死が変えられる方法がある。

それが、彼女と僕の運命を交換する事だ。

勿論! 僕は僕の彼女にそんな事をさせたくなし、そうする気もない。

でも? 僕の死のカウントダウンは一日ごとにカウントされるようになった。

彼女には、そんな事を言えず僕は隠し通す。

だが、勘のいい彼女は僕の異変に気づいているようだった。




『あきと? 私に何か隠し事とかしてない?』

『えぇ!?』

『“例えば浮気とか?”』

『してないよ、』

『他の事は?』

『何で、そう思うの?』

『私達、付き合って3年よ! あきとの事は分かるわ!』

『・・・い、いや? 何でもないよ、』

『何よ! やっぱり隠し事してるんじゃない!』

『・・・・・・』

『私にできる事があれば、手伝うから!』

『“じゃあー例えばさ! 僕の運命とマヤの運命を変えるとか?”』

『“あきとの運命と私の運命を交換するって事?”』

『・・・あぁ!』

『何の為に?』

『僕が死ぬからだよ、』

『えぇ!?』

『勿論、例え話だよ!』

『・・・ううん。』

『もう、この話はやめよう! それより今日の晩御飯は何?』

『オムライスにしようと思うの。』

『僕もマヤのオムライスを、食べたかったところだよ。』

『じゃあーオムライスに決まりね!』

『うん!』






彼女のマヤは、僕の話を本気で受け止めてなかったようだ。

それでいい! 僕もこれが本当の話だと思われたくなかったから...。

それに、【占い師に見てもらったら? 半年後に死ぬと言われた】

などと言えないしね。




・・・ただ、彼女とは?

何でも今まで、【ふたりで、嬉しい時も悲しい時も半分こしてきた仲だ】

何でも彼女には、僕は話をしてきたし彼女も僕に何でも話してくれる。

こんなに、何でも合う女性ひとは初めてなんだ。

マヤは僕にとって、“運命の人”なのだろう。

そんな彼女に、僕は僕の運命と交換してほしいなど口が裂けても言えない。

彼女には絶対に、悲しい思いをさせたくないとずっと僕は想っている。






 *




・・・でも? 僕の死のカウントダウンは待ってはくれなかった。

後、残り3日後になると? 僕の死への恐怖はピークに達していた。

怖くて外に一歩も出ることもできず、部屋に閉じこもる事が増えた。

彼女も、僕の行動が変だと気づく。

それでも、僕は彼女に運命を交換してほしいとは思ってもいなかった。






・・・そして、僕が死ぬその日。

僕は、何事もなくその日が通り過ぎた。

僕の大事な彼女は、“亡くなってしまったけど...。”







・・・後で、彼女の女友達に聞いた話しなのだが。

彼女は僕がおかしくなったと思い、僕を見た同じ占い師に見てもらった。

そこで僕の死が近い事を占い師から聞いたらしい。

占い師は、彼女に彼の運命と交換すれば彼は生きていられると聞く。

そして、僕の代わりに彼女が僕の死ぬ予定の日に亡くなってしまったんだ。

僕と彼女の運命は、僕の知らないところで交換される。

彼女とは? 何でも二人で嬉しい時も悲しい時も半分こしてきたが。

最後の最後に、僕の苦しみを半分こ引き受けてくれたのだろう。



【本当にすまない、そしてありがとう! 僕は君を忘れない!】





最後までお読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] あきとさんはこれからの人生をどう歩むのでしょうか? 考え込んでしまいました。
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