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第十五話【最下層】

 瑠璃と月が階段を下りていくと、再びオリハルコンで造られた円形の部屋にたどり着いた。


 先へと進む扉が見当たらない。


「ん? もう最下層か……。早いな」


「まだ六階層目のはずですけど、何かの間違いでしょうか?」


「もしかすると俺たちが幻覚を見せられているのかもしれない」


「まあフォースステージは性格の悪いのダンジョンですから、あながちないとも言い切れませんね。つまり見えない出口を探して先に進む感じですか?」


 彼女がそう言った一秒後、部屋の中心に光が集まり始める。

 

「おい、でたらめ言うなよ。やっぱり普通に最下層っぽいじゃん」


「もともと瑠璃さんが幻覚がどうのって言い出しませんでした?」


「お前だと思うぞ」


「いいえ、絶対に違います」


 光はだんだんとゴーレムの形になっていく。

 全長10メートルほどで、かなり大きい。

 

「……月、戦ってみるか?」


「えっ、珍しいですね。譲ってくれるんですか?」


「こういうボスはいつも俺が倒しているからな。一度くらい倒してみたいだろ」


「じゃあ遠慮なくやります。この数年で私も信じられないくらい強くなりましたから」


 そうつぶやいて月が遠くから右ストレートを放った直後、ゴーレムが光の粒子になって消えていった。

 

「ふふんっ。すごいでしょ?」


「まあ、月にしてはいいほうだ」


「ご自身と比較しないでください。瑠璃さんは例外ですから」


 瑠璃は彼女の前へと出ながらつぶやく。

 

「見ていたらやっぱり戦いたくなってきた。もう一体くらい出てこないかなぁ」


「そんなことあるわけが──」


「──グォォォ」


 月がしゃべっている途中で、部屋の中心に白竜が現れた。

 

「きたぞ」


「本当に出てきましたよ……って、あれ? 今更白竜ですか?」


「なるほど。あいつって本来、ここで出てくるような相手だったんだな。……要するにセカンドステージの異空間の罠には、フォースステージのラスボスが配置されていたということだ」


「……昔の瑠璃さんはそんな相手を瞬殺していたんですね。もうなんと言ったらいいか」


「グォォォ!」


 白竜が唸りながら二人へと突進し始めた瞬間、なぜか消滅した。

 

 血や肉すら残ることなく、まるでワープでもしたかのような消え方に月は眉を顰める。

 

「ちなみに今の攻撃見えたか? ひとつ上の階層でレベル上げをしていた時よりも少しだけ力を開放してみたんだけど」


「ちなみに何をしたんです?」


「月と同様、拳の風圧でやっつけた」


「いや、全く見えませんでしたね」


「やっぱりこうしてみるとお前もまだまだだな」


「私だって世間一般的に見ればすごいはずなのに……ものすごく自信がなくなってきます」


「そもそも世間一般を基準にしようとするなよ。そんなんじゃいつまで経っても三次元から上がれないぞ?」


 続けて赤竜が出現しながら消えていった。

 

「あ、反射的に確認することなく殴っちゃったけど……まだ出てくるんだな」


「お願いしますから相手の確認だけはしてください。もし人間とかだったらどうするんですか?」


「そうだな、悪い。……だけど一瞬見えた感じ、赤色の竜だったからセーフだ」


「赤い竜ですか。なんとなくサードステージの無限回廊を思い出します」


「おー、そんな所もあったな」


「あそこから脱出したあと……瑠璃さんが初めて私に腕枕をしてくれましたよね?」


「ああ。大切な思い出だから、今でもしっかりとおぼえているぞ」


「私もです」


 そんなやり取りをし、二人は少しだけ頬を紅色に染めた。

 

 今度は紫色の竜が出現する。

 

「紫の竜、よし!」


 瑠璃の言葉と同時に相手が消滅した。

 

「ちゃんと確認できて偉いですねぇ~」


「ありがとぉ~。……って、子ども扱いすんな! 怒るぞ?」


「ふふっ、すみません。ついやりたくなっちゃいまして」


「次やったら仕返しとしてお前を赤ちゃん扱いするからな?」


「それは別に構いませんけど」


「いいのかよ」


「あ、瑠璃さん。ちょっと聞いてください」


「なんだ? 藪から棒に」


「今いいこと思いつきました! 次に出てくる竜の色を予想して当ててみませんか? 的中させたほうが勝ちということで」


「おぉ、面白そうな企画じゃん」


「さっそく私から。じゃあ……黒色で」


「俺はそうだな。何も出てこないに一票」


 瑠璃の回答に、彼女は首を傾げる。

 

「えっ、それはないと思いますよ?」


「いやあり得るだろ。むしろ何を根拠に黒なんだ?」


「だって黒色ってさっきの紫よりも強いイメージがあるじゃないですか。つまり言い換えると、紫色で終わるはずがないんです」


「その思い込みが、生きていくうえで邪魔なんだよな。四次元の思考回路から遠ざかるだけだし、何より自分自身が成長できない」


「もう四次元についてはお腹いっぱいです。毎回それっぽいことを言っているだけですし」


「なんだと──」


 瑠璃の声を遮るかのようにして、どこからともなく機械的な音声が響く。


『とある冒険者によりフォースステージがクリアされたため、続いてファイナルステージを出現させます。……繰り返します。とある冒険者によりフォースステージがクリアされたため、続いてファイナルステージを出現させます』

 Chapter 4【FOURTH STAGE】~ 終 ~

 

 ここまで読んでくださりありがとうございます。

 

 とうとう次回からは最終章に突入いたしますので、最後までお付き合いいただけたら幸いです。

 

 下の【☆☆☆☆☆】による評価。

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[良い点] もう終わっちゃうのか…
[気になる点] そこは透明なクリスタル竜を出して欲しかったかな
[一言] 黒でないんかいw
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