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第二百十八話【部屋割り】

 それから少しして。

 全員がドリンクを飲み干したタイミングで、女性メイドが近づいてきた。


「みなさま、こちらへ」


 そう言うなり彼女は廊下へと出て、エレベーターの扉を開ける。

 そして全員が乗り込んだあとで、


「ちなみに部屋割りはどうされますか? この建物内はほとんど空いていますので、一人一部屋でも全然問題ありませんが」


「俺は月と一緒がいいから、同じ部屋で頼む」


「ユイは……オレと一緒でいいか?」


「そ、そうね。一応夫婦だし…………それより、ルアとルルはどうするの? 無理にアタシたちと一緒の部屋じゃなくてもいいわよ」


「「…………」」


 双子は遠慮しがちに瑠璃のほうを向く。


「……ん? 俺たちの部屋がいいのか?」


「…………」


 コクッと小さく頷くルル。


「仕方ないな。本当なら月と二人きりで寝たかったんだが、今日は特別だぞ」


「同じ部屋なのは別に構いませんが、絶対ベッドに侵入してこないでくださいね? 特にルルちゃん」


「…………」


「なんで無反応なんですか!?」


「…………」


「とにかく! 少しでも瑠璃さんに手を出そうものなら、ユイさんの部屋に連れて行きますから」


「えーっと、ウチらはどうする? ウチは別に三人でもいいけど」


 輪廻の問いかけに刹那は頷いて、


「わたしもOKだよ」


「いや……自分は一人のほうが……」


「なんで?」


「正直血の繋がっていない異性と同じ部屋に泊まって、まともに休める自信がない」


「はぁ、全く……朝霧くんは変なところで真面目なんだから。そんなの今更でしょ」


 朝霧は眼鏡のズレを直しつつ、「どこが変なんだよ」とつぶやく。


「とにかく、あまり一人にはならないほうがいいと思うよ。もちろんこの街の人たちを信用していないわけじゃないけど、信頼できる仲間同士で固まっておくに越したことはないから」


 そんな輪廻の言葉を聞いた瞬間、月がパァッと表情を明るくし、


「なるほど、それは言えてますね。というわけでやっぱりルアちゃんとルルちゃんはユイさんたちと同じ部屋に泊まってください。私は瑠璃さん以外……特にルルちゃんを信用していませんので」


「…………」


「まあ、俺は何が起こっても対処できる自信があるから別に構わないが、不安要素が少ないに越したことはないな。逆にノヴァたちも俺や月を100パーセント信用できないだろうし」


 月を睨みつけていたルルだったが、瑠璃の的確な意見を聞いて残念そうに俯いた。

 メイドはエレベーターのなかにいる全員を見渡しつつ、


「……それでは、使用される部屋は三つでよろしかったですか?」


「ああ、そうだな。頼む」


「かしこまりました」

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