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第二十三話【第50階層】

 気がつくと、瑠璃と月はセカンドステージの49階層にいた。


 石造りの天井と壁。

 オリハルコンの床。

 

「もうかなり前のことだけど、しっかりと覚えている。ここ……罠の階段があった所だろ」


 瑠璃がつぶやいた。

 

「あの階段がなくなっていますけど、確かにこんな部屋でした」


「ようし、早速ダンジョン攻略を始めようぜ」


「切り替え早いですね」


「長いこと閉じ込められていたせいで、他の人に後れを取っているだろうし。早く進みたいんだよ」


「そうですか」


「で、結局お前は俺と一緒にダンジョンを作った元凶を探すのか? それとも元いたギルドに戻るなり冒険者を辞めるなり、別の選択肢を取るのか?」


「そういえばまだ言ってませんでしたね。そんなの決まっているじゃないですか」


 すると瑠璃は下を向いて落胆しつつも、口を開く。


「……そうか。俺は結構月のことが気に入っていたんだけどな。まあ他人の人生を強制する権利なんてないし、ここでお別れだ。今まで話し相手になってくれてありがとな」


「いえいえ、こちらこそ……て、違いますよ! 私は瑠璃さんと一緒に行くつもりです!」


「えっ、そうなの?」


「はい。言ってなかっただけで、わりと早い段階で決心はついてましたよ」


「そっか」


「まあでも、まだ天神ノ峰団に所属を置いている身なので、このセカンドステージから出たら団長のもとへ話をつけに行こうと思います。ランキングを見る限りここ数年みんなのレベルが全く上がっていないので、もしかするともうダンジョンの攻略を辞めてしまっている可能性はありますけど……。とりあえず瑠璃さんも一緒にきてもらえませんか?」


「えぇー。面倒くさい」


「瑠璃さんがいたほうが話が早いような気がするんですよ」


「う〜ん。ま、月の頼みだし別にいいか。話が長引きそうなら勝手に帰るからな?」


「それで構いません」


「というわけでさっさとこのダンジョンをクリアしよう」


 そう言って瑠璃はオリハルコンの床を軽く殴る。

 

 瞬間、床が爆ぜた。


 粉塵が辺りに舞い散る。

 

「きゃっ!? いきなり何するんですか」


「下の階層へと行くための階段を作った。一段で到着するぞ」


「わぁ~、すごいですねぇ。……こういうことをするときはあらかじめ言ってもらえます?」


「おぉ、すまん。というわけで行くぞ」


「絶対反省してないですよね」


  ◆ ◇ ◆


 第50階層。


 瑠璃たちが穴から下の階層へと下りると、巨大なオリハルコンの部屋だった。

 

「えっ……ここって今まで閉じ込められていた場所じゃないですか?」


 月が心配そうに言った。

 瑠璃は冷静に周囲を見渡しながら答える。

 

「いや、あっちに扉がある。この感じからしておそらくセカンドステージの最下層だろう」


「あ、ほんとですね」


 とその時、部屋の中心に光が現れ始めた。


 眩しいその光はだんだん何かの形になっていく。


 十秒後に完成したのは、全長五メートルほどの巨大なゴーレムだった。

 

「……シュッ」

 

 ゴーレムが粉々になって砕けた。

 光の粒子になって消えていく。

 

「……はい?」


 眉を顰める月。

 

「ありゃ? ジャブの風圧で終わった」


「何しているんですか! せっかく強くなったんですから私に戦わせてくださいよ」


「なんかごめん。別に倒す気はなかったんだけどな。セカンドステージの最終ボスだってくらいだから、拳の風圧くらいなら耐えられるかと思ってた」


「自分の力量くらい把握しておいてください。そんなんで外に出て大丈夫なんですか? なんか街を破壊しそうな気がするんですけど」


「俺もちょっと怖くなってきた」


「もうクリアしたので、ファーストステージと同様、外にワープさせられると思いますけど、本当に秋葉原を壊すのはやめてくださいよ?」


「頑張って抑えることにする」


「お願いします」

Chapter 2【SECOND STAGE】~ 終 ~


ここまで読んでくださりありがとうございます!


次の章からは、主人公の力がどんどん目立ってくるような展開になっていますので、ぜひお楽しみください。


下の【☆☆☆☆☆】による評価。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 月並みな感想ですけど、おもろ
[一言] 何ということでしょう。美しかったダンジョンが匠の手(物理)によって見るからに破壊されたダンジョンが出来ました。(ビフォーアフター風) 更新お疲れ様です。
[一言] 風圧で粉々にされたゴーレムに黙祷(-人-) コイツ最終的には瞬きだけでビル破壊しそう(汗)
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