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奇妙な噂

そうやってお風呂場で散々騒いで30分。茹だって逆上せる前にと、美弥子さんからストップをかけられた俺達は、脱衣所に戻り身体を拭いて、それぞれ用意された新しい衣服へと着替える


メイドの美弥子さんは一緒に入浴していたため、他にもメイドさん、ないし使用人の人がいるのだろう

まだ姿は見ていないが、プロのメイドや執事が複数人いるのなら、本格的にお屋敷のそれだろう


流石は諸星家。スケールは現代人のそれとは間違いなく一線を画している


「「あああああああ~~~~~」」


「子供かお前たち。いや、墨亜は間違いなく子供だが」


美弥子さんにお世話されながら、用意された下着とパジャマに着替えた俺は、墨亜と一緒に扇風機の風で涼みながら、定番の声がおかしく聞こえる遊びをして遊んでいる


呆れる千草の視線が痛いが、気を張らなくても良いと判断している自分がいるので、どうにも子供っぽくなっている気がする


そろそろ大人に戻らなくてはならない気もするが、見た目年齢にそぐわないことをしても変に思われるので、これでも良いかなと思ったりもしている


下着に関しては聞くな。そもそも女の子の身体になっている今は、これを着るしかないのだから。むしろ、下着でバレなくてよかった。ボクサー系のパンツと短いスパッツを履いていたから、下着の好みがボーイッシュなんだと思われたくらいで済んだと思う


多分、自信はないが


下着のデザインもシンプルなものだったし、どのみちアリウムフルールとして活動している時は、変身時に下着類も女性の物に置き換わっていたりするから、思っていたより抵抗は無かった


個人的な問題は、ブラのサイズがピッタリ、という点なのだが、もしや寝ている時に測られたのだろうか。カップに納まりわずかに持ち上げられた胸元は、いつもよりも少しばかり盛り上がりの頂点が高い


「墨亜、真白ちゃん、髪を乾かすから遊びはその辺にね」


「風邪をひいてしまいますから」


しばらく扇風機で遊んでいると、ドライヤーとブラシを持った大人たちに墨亜と仲良く捕まり、近くの洗面台の鑑の前までやって来る


何度も言うがやはり豪邸だ。洗面台のスケールももはや公共施設のそれである


3つ並んだ鏡と洗面台に、俺、墨亜、千草が陣取ると、それぞれ髪を乾かすためにドライヤーとブラシを入れていく


ストレートヘアの千草はスルスルと自分の手でブラシを通して乾かしているし、同じストレートヘアの墨亜も、母親の光さんにドライヤーとブラシを掛けてもらっている


問題はクセっ毛の俺だ


「痛くは無いですか?」


「大丈夫です」


癖のある髪な上に、長くなった髪はブラシを通すだけでも一苦労だ

ドライヤーと何本かの目の違うブラシを駆使しながら、俺の髪を梳いてく美弥子さんには申し訳なく思う


この長さだと、朝起きたらいつも以上に爆発しているんだろうな……


「真白様と同じで中々いう事を聞いてくれませんね」


「どう言う事ですか……」


「失礼しました、口が滑ってしまいました」


オホホホホと誤魔化すように笑う美弥子さんだけど、ちゃんと聞いたからな。絶対この人、俺の事を聞かん坊のワガママ娘か何かだと思ってる

流石に抗議をするぞ。俺はもうちょっとしっかりしている。しっかりしているとも


「しっかりしていると言うのなら、頭を揺らさないでくださいね」


「アッハイ」


一瞬で封殺された。誠に遺憾である


「思っている以上に子供っぽいな、真白は」


「子供じゃない!!」


「動かない」


「……」


手際よく髪を乾かした千草に揶揄われて反応したら美弥子さんに怒られた

くつくつと笑う千草を横目で睨みながら。俺は大人しく髪が乾くのを待つことにした


もう何をされても動かないぞ


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