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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
Disire

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堕ちた勇者

一斉に全員が立ち上がって店の外に駆け出す。地響きに警報、ただ事じゃない。

パッシオに目配せををすると突然魔力の反応があったと耳打ちされる。と、言うことはだ。


「美弥子さん!!」


「こちらに」


「うぉっ?!」


呼べば登場美弥子さん。近くにどうせいるって思ってたし私達は全然驚いてないけどエイさんと愛菜さんが驚いてるけどそっちに構ってる余裕は無い。


「お勘定しといて!!」


「かしこまりました。車両はあちらに」


「さっすが!!」


秒で用意されてる箱バンに雪崩れ込む。この中なら人目を気にしないで変身して飛び出させる。

エイさんと愛菜さんには手短にお別れして、私達は大急ぎで現場に向かうことになった。





「申し訳ありません。お嬢様たちは既に諸星として重要な立場でありまして」


「しょうがないわ。お偉いさんの家にはそういう都合もあるもの。守る側、なのね彼女たちは」


「ハイ。志高い、自慢の主です。ところでですが、お連れの方がおられないようですが……」


「えっ」


私達と別れた方は方で、プチトラブルが起こっていたのまでは知る由も無いってやつだよね。










公道を可能な限りのスピードで爆走するバンの中で私達は状況を確認する。運転は田所さんだから事故る心配なし。


「状況は!?」


【早速動いてくれて頼もしいわ。敵影は一人、巡回用のドローンを破壊して、試験運用中の常時展開障壁にあっさり穴を空けてくれてわ。映像がもう少しで出るわ】


支給されたタブレットの電源を入れて、専用のアプリを立ち上げてすぐに協会で対応している筈の番長に連絡を入れるとすぐに画面が切り替わり、ビデオ通話になる。

この辺の連絡周りは以前と違いどんどん最新鋭のモノに切り替わっていく。本当にお金のかけ方が凄まじいと思う。


「出た!!でもこれって……」


出て来た映像。巡回用のドローンが落とされたせいでまだまだ遠いけど、朱莉の持つタブレットに映る映像に巨大な魔獣の姿は一つもなく。


写っていたのは人間サイズだ。正確には、人間ほどの大きさの――。


「……犬?」


「狼にも見えます。それにしても犬にしても狼にしても数が少なすぎます。魔獣化しても基本的な習性は変わりません。狼型の魔獣なら最低でも10匹程度の群れのはず」


「それに小さいっす。障壁を破るような魔獣ならもう1mは大きくないっすか?」


犬、或いは狼。それ自体はよくいる魔獣の一種だ。特に不思議でもないのだけれど、状況から考えると不自然な点が多い。


単体であること、大きさが小さいこと。それに口に何か咥えている。あれ……、剣?

なんで魔獣が剣を?突然現れた段階で【ノーブル】案件だと私は確信しているけど、魔獣に、しかも四足歩行の狼型に剣を持たせても意味があるように思えないけど。


「狼型、剣……?まさか」


「パッシオ知ってるの?」


「急いだほうが良いかも知れない。僕の知っている者だとしたら、彼は――」


その瞬間、ばつんっと映像が途切れる。どうやらまたドローンが落とされたらしい。

私達が揃って疑問符を浮かべている中、パッシオには何か心当たりがあるみたいだけど、それは道中で聞いた方が良さそうだ。


パッシオが急げというほどの相手、まさかとは思うけど……。


【既にフェイツェイとノンが向かってる。グレースアはその場で戦況を確認しながら協会まで、残りは至急現場に迎え!!】


指示が出て、私達は頷き変身のために構える。


「『チェンジ!!フルーレ・フローレ!!』」


「『オープンライブラリー!!開け、私の心、私の世界!!』」


「『ジュエルセット!!アメジスト!!』」


「『迅雷チェンジ!!』」


「『纏うは灼熱、秘めるは炎。燃えろ、私の心、私の身体、私の想い。炎心転火!!私は炎になるっ!!』」


バンの中で魔力が渦巻く、田所さん大変だろうけどごめんね。そう思いながら変身していると、バンが止まってドアが開く。既に目的地の近くに来ていたらしい。周りには警報もあってか人の気配はない。


委員長を残し、全員が一斉に外に飛び出す。まだ戦闘出来るほどではないのと、フェイツェイと一緒に戦うのが基本戦術な都合上だ。


【魔力計測結果出ました!!】


「いいかい皆、あれは恐らく魔獣じゃない」


バンを飛び出してすぐ、通信機越しに雛森さんの声とパッシオが語り掛けて来る。

敵の正体についてだから皆が耳を傾ける。私も予想は出来てるけど、あれは多分。


「【あれは妖精だ(です)!!】」


今回の敵はショルシエ以外の妖精だ。


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[一言] あー、勇者(笑)君か
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