表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
552/1665

魔法少女交流会

皆で集まって異文化交流を楽しんでいると、割り振られた担当の支部職員さん達からそろそろ移動を始めると急かされる。


3班に分かれた今回は、昨日は訓練場しか回れなかった協会内の設備の紹介、この街の観光、そしてノンちゃんとの交流を順番に回っていくことになる。


街の観光は魔法少女に変身したまま行うらしい。人目に付くけど、宣伝効果も兼ねているんだと思う。相変わらず光さんはこの辺りが目ざといよね。


「ま、待ってください~」


私達はまずはノンちゃんとの交流なんだけど、さぁ移動開始と言うところで協会のビルから大慌てでアメティアがこちらに走って来る。


遅れて瑞鬼ちゃんと巫ちゃんもバタバタと慌てて出て来て、それぞれ別々の班に分かれた。杖班にはこちらにやって来たアメティアが合流だ。


「はぁっ、はぁっ、すみません。遅刻してしまいました……」


「大丈夫よ。お仕事があったのは協会の方から聞いています。遅くまでお疲れ様でした。さぁ、皆さんはバスに乗って移動ですよ」


「「「はーい」」」


息を切らしてぺこぺこと謝るアメティアを軽く宥めて、どこかの支部から来たお姉さんが引率役を買って出てくれた様子。

皆で返事をしてから、ワイワイとお喋りをしながらバスに乗り込む。


「アリウムさん、なんで起こしてくれなかったんですか」


「だってぐっすり眠ってたし。私みたいに徹夜慣れしてないでしょ?」


「アリウムさんだってクマ出てますからね?もう、怒られるかと思いました」


起こしてくれなかったとぷんぷんしているアメティアにごめんごめんと手を合わせていると、くいくいと手を引かれる。


そっちに視線を向ければ、フルールさん達が興味津々でこちらを見ていた。あぁ、私の同僚を紹介して欲しいってことか


「This is one of my colleagues, the Colorful Magical Girl, Amethya.」

(彼女が私の同僚の一人、色彩の魔法少女 アメティアよ)


「Amethya! So you are the magical girl who used an amazing amount of spells at once in the commercials.」

(アメティア!!コマーシャルで凄い量の魔法を操ってた魔法少女ね!!)


「な、ないすとぅ、みーとぅー」


アメティアを紹介すると、基本的にテンション高めなメチェーリさんがアメティアの手を握ってぶんぶんと激しめの握手をしている。


目を白黒させて対応しているアメティアの様子を私達は顔を見合わせてからクスリと笑いながら眺めた。


メチェーリさんは誰にでもあんな感じらしく、キャヴルリーさんやフルールさんも含めて既に多くの魔法少女が同じ目にあっている。


根が明るく、スキンシップが激しめというのが彼女に対する共通認識になり始めていた。


「By the way, a magical beast kept inside a town? It’s going to be fun.」

(それにしても街で飼ってる魔獣ね。楽しみだわ)


「Oh, we have them in England too. They are a big cat magical beast, aren’t they?」

(あら、イギリスにもいるじゃありませんか。確か、大型の猫の魔獣でしたか?)


「I'd like to say they are a lion, but they’re a wildcat-turned-magical beast. They’re capricious, but seems to be friendly with some magical girls.」

(獅子、と言いたいところだけど山猫が魔獣化した個体ね。気紛れだけど、一部の魔法少女達に懐いてるみたい)


ほほう、イギリスにも街で飼ってる魔獣がいるのか。しかもネコ。

イギリスで山猫、という事はスコティッシュワイルドキャットの魔獣個体だろうか。


魔獣化しているならかなりの大型だろうけど、ネコの魔獣なら一部のネコ好きには堪らないかも知れない。


「なんて言ってるんですか?」


「イギリスにも街で飼ってるネコの魔獣がいるんだって。ルビーが喜ぶでしょうね」


「代わりにリオ君が拗ねるまでがセットですね」


アメティアに通訳をしてあげ、2人で笑う。


ルビーも無類のネコ好きだけど、飼い猫兼使い魔のリオ君が拗ねるのも間違いない。


ヤキモチするのも可愛いんだけどね。でもこの前もルビーがノンちゃんに構いすぎてヘソを曲げていたので、頻繁にそうなるのは勘弁してもらいたい。


私のところに来るんだもん。そしてパッシオの機嫌が悪くなるから大変なのよね。


「Alium, You have a familiar as well, don’t you?」

(アリウムさんも使い魔がいるんですよね)


「They’re on your shoulder just now that looks like a ferret, right?」

(さっき肩に乗ってたフェレットみたいなのよね)


「Yes, he is my best buddy. Passio, say hello.」

(ハイ、大事な相棒です。パッシオ、挨拶して)


「きゅい」


厳密には使い魔じゃないんだけど、まぁ色々不都合があるので今は使い魔扱い。

事情を全部知ってるアメティアと一緒にアイコンタクトで苦笑いだ。


パッシオ、久々の鳴き声真似がちょっとヘタクソになってるよ。

最近はずっと普通に喋ってたから仕方ないけどさ。


「How cuuuute. He can turn into a big, right?」

(可愛い〜。大きくなるんだよね?)


「There is another magical girl here who has her own familiar, right? And a lion magical beast to boot.Can you introduce me to her later?」

(他にも使い魔持ちの魔法少女がいるんでしょ?しかも獅子の魔獣。後で紹介してくれない?)


「Of course.」

(勿論良いわよ)


リオ君の事も耳に入っているらしく、キャヴルリーさんはそちらに興味があるらしい。さてはネコ好きかな?


フルールさんとメチェーリさんはパッシオを手に乗せてきゃいきゃい言ってるけど、そこで鼻を伸ばしてるスケベ妖精は後でどうなるかわかってるんだよね?ん?


「……鬼嫁ですね」


「何か言った?」


「ううん、何にも言ってませんよ」


アメティアがボソリと何かを呟いたのを耳にして聞き返すけど、ニコニコ笑って何でもないと返されてしまう。


首を傾げても笑ってるだけなので、口にする程でも無いと思う事にしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] パッシオに慈悲は無い というか必要無い
[良い点] PPP(Passio Punishment Point、パッシオ処刑ポイント)が着々と積み上がっておりますな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ