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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
魔法少女交流会

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魔法少女交流会

あの後細々とした説明や今後の予定の擦り合わせ等々を済ませた後、私を含めた魔法開発組は別室に移動してあくせくと永続発動する設置型魔法の開発に取り掛かった。


この中で最も魔法に詳しいパッシオ。様々な種類の魔法に通じているアメティア。魔力操作に優れる私が実験担当。瑞鬼ちゃんと巫ちゃんが自分の魔法を私達に説明しながら、作った魔法を更に自分向けに調節していく。


因みにニーチェはこの後ドンナさんが所属する博多支部に移送されることになった。

魔法庁と協会、ある程度の協力はしているとは言え別の組織。勝手に身柄を拘束するような事があれば不必要な勘ぐりや敵対を招く可能性がある。


そこで、ニーチェと同じ雷属性でS級魔法少女のドンナさんの預かり、という形で身柄の拘束と東京本部から引き離しを同時に行うことになった。


筋書きとしては、協会でトラブルを起こしたニーチェに怒ったドンナさんが、雷属性を操る魔法少女としてニーチェをイチから鍛え直すために連れ帰った、という感じだ。


如何に魔法庁と言えども、S級魔法少女に一方的に物申すことは難しい。しかも本部所属のニーチェがトラブルを引き起こしているのは事実で、ドンナさんも雷属性の魔法少女達を実際に弟子として取り、育成してきたという実績もある。


謹慎と育成、これが同時に出来るのであれば魔法庁としても文句の付け所がない。そんな感じでニーチェはこの交流会が終わり次第博多に連れていかれる。

起きたら全然違うところにいるってことになるけど、ごめんね。


「……ひっさびさの徹夜は効くなぁ」


で、肝心の私達なんだけど、見事に徹夜した。原理的にはそこまで難しくない、とのパッシオの言葉通りたった一晩でかなり良いところまでいった。


あとは細かい調整なんだけど、流石にこれ以上は集中力的な都合上で魔法のコントロール自体がおぼつかなくなって来た。

今日のところはここまで、ということになりアメティアと瑞鬼ちゃん、巫ちゃんは職員の方々に抱えられて仮眠室に連れていかれた。


特に瑞鬼ちゃんと巫ちゃんは移動疲れもある。今日のお昼までは爆睡してると思う。因みに今は朝の5時だ。昔は徹夜上等だった私も久々の徹夜のおかげかかなりキテる。


思考も足元もおぼつかない。理論を理解するためのノートにミミズが走りそうだ……。


「真白、皆仮眠室に行ったよ。そろそろ君も寝ておこう。お昼には起きないとまずいんだろう?」


「うーん、でももうちょっとでまとまるから……」


この永続型の設置型魔法は障壁魔法にも応用が利く。時間差で自動発動する障壁魔法なんて色々な使い方が出来そうじゃない。結界魔法の頑強さも魅力だ。


この二人の魔法は私にとって発想の刺激と知識欲を満たす宝庫と言っても良い。


呪符の魔法も理論的な解釈が出来れば誰でも魔法が仕える手段として開発出来るかも知れないし、結界魔法は街を守る防壁にも使える。

実現すれば、魔法少女がいなくても、街の機能を維持できるかもしれない。


瑞鬼ちゃんや巫ちゃんの魔法を紐解きながら、パッシオの説明する永続発動の理論と交えて自前のノートに可能な限りの知識や推測を書きなぐっていたわけなんだけど、流石に限界を感じる。


「無理してやっても間違えるだけだよ。ほら、おいで」


「うーん……」


人型からいつも通りの妖精の姿になったパッシオの尻尾にくるまれて持ち上げられた私はふかふかの尻尾の感触と温かさに負け、ペンを置いて変身を解く。


靴も脱いで靴下も脱いで、ポイポイと床に放り投げて、私はパッシオの尻尾にくるまれて丸くなる。


「お休み真白」


「おやすみ……」


小さく声を掛けられ、何とか答えた私はあったかい尻尾の心地よさの中であっさりと意識を手放した。


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― 新着の感想 ―
[一言] 麻薬抜くよりそのあとの方が荒療治になりそうな件
[一言] このワーカーホリックが パッシオ変なことすんなよ?
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