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奇妙な噂

シャワーも浴び、朝食も頂いて朝のまったりタイム。本当ならそのまま魔法の練習を始めるところだが、今日は紫ちゃんの自宅にいるのでやり様がない


その為、のんびりとコーヒーを啜っている訳だ。なお、服装はさっきの女装スタイルのままである。服を返してもらえないんですよ……


「ねぇ、本当にこの格好で外を出歩くの?」


「えー、行きましょうよ~。ううん、絶対行こ!!真白ちゃんなら絶対絶対平気だから!!」


本気でこの格好のまま外に出るのかと問えば、紫ちゃんを筆頭にノリノリだ。その紫ちゃんに至っては、敬語を外してタメ語である。完全に同い年の友達に対するそれだ


いや、別に構わないんだけどさ。切り替え早くないかな。いや、良いんだけどね?多分普段から可愛いと思われてたよねこれ?お兄さん悲しいなぁ……


「ウチよりは断然女っぽいし、真白なら余裕っしょ」


「碧ちゃんは、もうちょっとお淑やかになった方が、おばさんはいいと思うけどね」


口調や所作の荒い碧ちゃんが、由香さんに思わぬところから釘を刺されて口を尖らせているけど、それとこれとは話が別だ


女の子に見せる動作には自信がある。何せ割と普段からやってるし

何が問題かと言えば、中身が26のいい年したおっさんであるという事に他ならない


要は俺のプライドの問題。もっとシンプルに言えば、フツーに人前に出るのが恥ずかしい


「はぁ、分かったよ。今日だけだからね」


「やったー!!」


結局、押し問答を続けてる内に疲れた俺の方が白旗を上げて諦めた


今日一日の女装で満足してくれるなら、安いと思うしかないだろう


「一度やりだしたら、二度三度と芋づる式にやる事になるのよ」


「怖い事言わないでください」


不敵に笑う由香さんに身震いしながら、勘弁してくださいと思わず漏らす


高校時代の話で演劇してるならまだわかるけど、街中で女子中学生に囲まれながら歩き回るのは、バレたら真面目に犯罪に問われかねない気がするんですけど


やったやった飛び跳ねて喜ぶ紫ちゃんが由香さんの娘なのを肌で実感しながら、俺は処刑台に連れて行かれる死刑囚の気分をひたすらに味わうのであった





そうして9時半頃になり、朱莉ちゃんのお見舞いに行くために由香さんの運転する車に乗り込む


4人乗りの軽自動車に満員の4人、運転手の由香さん、助手席の俺、後部座席に紫ちゃんと碧ちゃんを乗せて、車は病院へと向かって行った


「やっぱり車は楽ですね」


「こう、田舎だとね。公共交通機関が発達してないもの。どうしても車社会になるわね。車も免許も持ってないの?」


車に乗って移動して、まず真っ先に感じたのは、その利便性の高さだ

ガソリンさえあれば、自分の足で好きなところに行けるのはやっぱり魅力的な要素だ


「免許は有りますけど、自家用車は持って無いですね。あまり使わないのに、購入費も維持費もかかりますから」


「あーねー。仕事してるなら嫌でも欲しくなるんだけどね」


「私、今無職ですからねー」


その後に続くのは、仕事と免許を持っている大人側のお話に自然と発展して行った


見てくれこそ今は女子中学生か女子高生のそれだが、中身は何度も言うように26のおっさん


隣に座る由香さんとの会話は割と世知辛い話にどうしてもなりやすいのは、もう仕方のない事だろう

子供だったら、他愛ない学校での話なんかで盛り上がったのだろうか


「前職はなに?その見た目じゃ全然想像出来なくて」


「看護師ですよ。ちょっと特殊でしたけどね」


「復職は考えてないの?」


「ちょっと今は。やりたい事が出来たのと、まぁ色々あって」


「そうなの」


看護師の仕事は多分何事も無ければ今も続けていたと思う

ただ、今は魔法少女としての活動が忙しい


とてもじゃないけど、二足のわらじには出来ない。どちらも忙し過ぎる


「見た目はウチらと変わらないのに、会話がめっちゃ大人だ……」


「やっぱり、真白さんも大人の人なんですね」


後ろの君らは俺を普段なんだと思ってるんだい?

作者の欲望に身を任せた真白ちゃんのスケべSSを書きたい


真白「変態だ……」

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