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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
魔法少女交流会

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2年生になりまして

「すみませんでしたぁっ!!」


腰からしっかりきっかり90度。折れるんじゃないかという勢いで頭を下げたドリルちゃんの前で、私ははぁ~とため息を吐く。


怒るのはあまり好きじゃない。精神的にも体力的にも疲れるしね。


今回は別に本気で怒った訳じゃないし、目の前のドリルちゃんも物分かりは良いほうだったからスムーズに話は進んだ。

何故か勝手に正座し始めて、終始ぷるぷると震えてたけど。


「般若だ、般若がいる……」


「真白ちゃん怒ると怖いね~」


後ろにいる優妃ちゃんと美海ちゃんが目を丸くしてるけど、まだ本気で怒ってないからね。

多分、この中で一番どぎつく怒られた経験があるのは碧ちゃんかな。


ほら、前に入院した時に病室抜け出して運動したりしてたからその時にね。


「まさか先輩な上にお姉さまのご友人で、諸星ゆかりの方だとは露知らず……」


「これを機に人を見かけで判断しないように」


「それに、諸星ゆかりで無くともこの学校には強い力を持つ家柄の子供たちが山ほどいる。下手に敵を作りたくなければ、そういった態度は取らない事だな。特に上級生の前ではな」


「家の強さはともかく、しつこい人とか結構いるしね」


しょんぼりと肩を竦めるドリルちゃんに、私達から注意を促す。話している感じは良い子だ。

多分、碧ちゃんに出会って気分が高揚し過ぎていたんだと思う。

テンションが上がり過ぎて暴走したって奴ね。


反省もしているようだし、落ち着いたところで自己紹介と行こうか。


「さて、私は諸星 真白。分家筋だけど苗字の通り、諸星の人間です」


「私はその姉の諸星 千草だ。他にも――」


千草の誘導で委員長を始め、みんなが軽い自己紹介をする。

先輩に囲まれて、徐々に緊張感が戻ってきたらしいドリルちゃんの手を取って大丈夫だよと笑いかけると顔を真っ赤にして俯いてしまった。


案外恥ずかしがりやなようだ。これはこれで可愛い。皆もこの可愛い反応にはご満悦の様子。先輩に可愛がられる後輩気質かなぁ、これは。


「で、こいつが私達と数年来の交流があって」


「諸星家本家にお母さんの雫さんが嫁ぐ予定の村上 碧ちゃん。実家も村上重工創始者の村上家なんだけど、諸事情でずっと一般的な生活をして来たの。だから、困ってるのを見かけたら助けてあげて」


そして、いつの間にか教室の壁の方に行って気配を消していたこれまた案外恥ずかしがりやな碧ちゃんを千草と一緒に引っ張り出す。


恥ずかしそうにもじもじしている碧ちゃんを千草がシャキッとしろなんて声を掛けてから背中を叩くと、ムッとしてから落ち着いた様子を見せる。


反りが合わなさそうな二人だけど、結構仲が良いんだよね。よく話をしているのを見かけるし。


「む、村上 碧です……。母が、その諸星本家の翔也さんと婚約したので、郡女に来ました。えっと、まだこういう世界に慣れてないので、色々教えてもらえると、助かります……」


何故か敬語で畏まってる碧ちゃんに、私と千草はポカンとした後に、耐え切れずに笑い始めてしまう。

それを見て、碧ちゃんは顔を真っ赤にして怒り始めるから、ごめんごめんと笑って謝る。


ごめんね、ちゃんとこっちに適応しようとして頑張ってるのに笑っちゃうのは面白くないよね。でも、普段とあんまり違うからおかしくて、ね?ごめんって。


「知らん!!」


「あーあー、二人が笑うからアオちゃん拗ねちゃったじゃん」


「ダメだよ~」


へそを曲げてしまった碧ちゃんを必死に宥めて、何とか落ち着かせる。

いやホントごめん。千草も手を合わせて謝っている。慣れない環境で必死に頑張ってるのに笑われたら嫌だもんね。


「お姉さまが妹のようにあしらわれて……。これはこれで……」


「お前、キャラ濃いな~」


後ろの方ではドリルちゃんと優妃ちゃんが何やら話をしていた。ぷんぷん怒る碧ちゃんが目新しくて可愛いのはとても分かる。


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[一言] 可愛い(´・∀・)
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