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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
魔法少女交流会

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2年生になりまして

4月、世間一般では春とされているこの時期も、東北地方はまだまだ寒い。油断をすると雪がチラつくことも数年に一度あるくらいだ。


東北の南側とは言え、東北は東北であるこの街も例に漏れず今日も肌寒い。真冬の寒さは無くなったけど、春らしい強めの風にまだ冬の気配が残る気温は薄手の上着ではまだ少し足りない。朝ともなればなおさらだ。


「さっむ……」


「さむーい」


特に私達の中でも寒がりな千草と墨亜は冬の完全防備な装備を外してはいるものの、首や肩を縮こまらせている。


対して私は寒いのは好きではないけど我慢が効く。暑い方が耐えられない。寒い時は着込めば良いからね。


「真白、そのマフラー貸せ。一人だけズルい」


「ずるーい」


「そうは言っても、このマフラー通気性あるから普通に風は通すよ?ほら」


私がいつも付けているマフラーも見て暖かそうでズルいと言う二人の首にもマフラーを掛けてあげると、二人とも渋い顔をして返して来る。

このマフラーは通年使えるからね。防寒具というよりはスカーフのような装飾品に近い。


寒い日の、特に今日みたいに風が強い日の防寒具としてはあまり役に立たないんだよね。


「あっという間の春休みだったねー」


「【ノーブル】の連中のせいで殆ど仕事だったからな。迷惑な連中だよ」


3人全員で肩を落とし、学校の敷地内を歩く。今日は何を隠そう郡女の始業式。

授業自体は始業式をやったあとにLHRをやって解散という午前授業。明日からが本格的な授業の再開になる。


約半月ぶりに会うクラスメイト達や先生への再会の前にクラス替えという大行事もあることだし、少し緊張気味。


「じゃあお姉ちゃん達、後でね〜」


「うん、後でね」


高等部と初等部は当然校舎が違うので墨亜とはここでお別れ。

小走りで離れていった墨亜を遠目に見ながら、私達も高等部への校舎へと足を進める。


「おっはよー!!2人とも!!」


「おはよう要」


「おはよー」


その道中、委員長が後ろから抱き付いて来る。一通り撫で回され、折角整えた髪がボサボサだ。


クラスメイト達に事あるごとに撫で回されるせいでヘアブラシは必需品になって来ている。

教室に行ったら直さないと。


「今日から2年だねー。2人はなんか目標的なのあるの?」


「まぁ、勉学で言えば平均点を上げることくらいか?」


「あー、それは確かにやらないと不味いよねぇ」


勉強はあまり得意ではない2人は今よりもテストの平均点を上げるという無難な目標。

まずはそこを上げないとどうしようも無いしね。


私達は魔法少女って仕事はしてるけど、いつまでもやれるのかは誰も分からないし、勉強は勉強でしっかりするようにとは周囲の大人達から口をすっぱくして言われてる。


「真白ちゃんは?」


「年間順位総合1位」


「わぁお」


「目標が途方もなく上だが……、真白なら出来そうなラインでもあるからな」


千草の言う通り、出来ない事は無いはずだ。私が郡女に入ったのが去年の9月半ば。テストの回数は2学期中間、期末、学年末3回。


その全部でトップ5に入っている。勉強だけは得意だからね。

代わりに感性が必要な美術や音楽と、身体能力が必要な体育はあんまりだけど、あの辺はテストじゃないしね。


成績は良いのだ、成績は。先生達からはもうちょっと社交性があると良いと言われたけど。まだちょっと知らない人は怖い。


ジロジロ見る人とか、まだ結構いるんだよね。


「2年生の目標も大事だけど、私としてはクラス替えの方が重要かな……」


「人見知りの真白が私達から離れたらそれはそれで騒ぎになりそうだな」


「千草と一緒が1番良いけど、先生達がどう判断してるかだよねぇ。私としては、千草と真白ちゃんを引き離すとは思えないけどなぁ」


委員長曰く、私の面倒を見切れるのは千草くらいだという。実際、千草か最低でも委員長、美海ちゃん、優妃ちゃんの誰かがいないとキツイというか無理だと思う。教室の隅でぷるぷるしてる自信しかない。




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― 新着の感想 ―
[一言] 隅っこでぷるぷるしてる真白ちゃんも可愛いいだろうから観てみたい気もするけどさすがに可哀相だな
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