表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
英雄

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

498/1674

再戦

戦いは苛烈を極めている、と表現するのが適切だと思う。既に周囲の森の木々は広い範囲でなぎ倒されていて、雷属性と火属性がいる都合上、一部延焼もし始まっている。


普通であるならそちらの鎮火を優先したいところだけれど、相手はあのふざけた戦闘能力を持つ魔獣。余計なことに手をこまねいている暇は一切なく。パッシオとノンちゃんを合わせた3人+2体がかりでも戦いは拮抗していた。


「ダラララララっ!!」


気合の篭ったクルボレレの声が響き、何度目かの高速ラッシュ。体表の硬い魔獣には微々たるものだが勢いに負けた魔獣は一歩たたらを踏み、下がる。


その一歩下がった先、人間で言うところの腰の少し上あたりに、静かに両手を重ねた手のひらが添えられる。

魔獣は急いで尻尾を起き上がらせるが、それを私の障壁に押さえつけられ対処が遅れた。


「――『雷釘掌(ライテイショウ)』!!」


ラッシュをしていた分身を解き、一歩踏み込んだクルボレレの重なった手のひらがずむっと魔獣の身体に勢いよく沈む。

この技は身体の表面ではなく、内側に衝撃を伝える技術らしく、渾身の力で流石に柔らかいだろう身体の内に衝撃を与えられ、人の頭ほどのサイズはありそうな釘を模した雷をゼロ距離で撃ち込まれている。


魔獣もこれには耐える耐えないの話では無かったのだろう、苦痛から逃れるように暴れるとその場から大慌てで離れる。


「ようやく巡り巡ったチャンスだ。逃がすわけがないだろう?」


それを待ち構えていたパッシオが尻尾で絡めとり地面に叩きつけてからノンちゃん向けて放り投げる。

それを追うように走り出したパッシオが口の周りに炎を纏わせ、魔獣のカンガルーのような脚に噛み付く。同時にノンちゃんは堅く鋭利な左腕の鎌に自慢のくちばしで食らいつく。


そうして2匹揃って魔獣に噛み付いたと思った次の瞬間にはそれぞれ別の方向に首を向け、その片脚と左腕を食いちぎった。


「トドメだ!!決めるぞアリウム!!」


「任せて!!『ソニアロード』!!」


上空で力を溜めていたフェイツェイと、パッシオから分けてもらった魔力をメモリーに込めてロゼに変身。


茨の障壁で素早く魔獣を拘束し、空中へと持ち上げる。傷ついた身体を必死に動かすけれど、もう遅い。これでトドメだ。


「『固有魔法(インヘレントマギカ)』!!」


「『固有魔法(インヘレントマギカ)』!!」


二人揃って『固有魔法』を発動させ、フェイツェイは空高く上空へ、私は燃える障壁で作った階段を駆け上がり跳びあがる。


「『ローズスパイカー』!!」


「『蹴刃烈爪(ハリケーンドロップ)』!!」


巨大な燃える茨の棘、両脚合わせて6つの大きな風の爪、それぞれを伴った必殺の一撃が同時に魔獣に突き刺さり、魔獣の身体を貫いた感触を確かに感じた。


フェイツェイと揃って、砂煙をあげながら地面にスライディングするように着地した私達はそれでも警戒を緩めずに振り返る。

他の皆も様子は同じ。勝利を確信して喜ぶような様子は無く、ジッと魔獣がいるはずの場所を睨みつける。


【……呆れたタフネスね。まだ死んでないなんて】


そして、通話越しの番長の言う通りその無駄だと思えるほどの頑丈さには心底うんざりしてきた。


クルボレレの機転で均衡を破り、立て続けに並みの魔獣であればパッシオとノンちゃんに食いちぎられた時点で勝負はついている。

更にダメ押しの私とフェイツェイの同時攻撃までしたというのに、地面に転がった魔獣はおびただしい血だまりの中にはいるもののまだ動いている。


全く、やっていられない。どれだけ頑丈に作られたのか。


それでも、今は立ち上がる事すら難しく、手足の中で無事なのはどうやら筋骨隆々の右腕と太い尻尾だけの様だ。抵抗のしようもないだろう。

今度こそ、トドメを刺すかと魔力を練り上げた、その時だった。


「なっ?!」


【っ?!】


「めっちゃきもいっす?!」


私達の息を飲む声と直球な見た目への感想を漏らすクルボレレの性格の対比を感じつつ、ボコボコと肉体が脈打つ魔獣の姿に純粋におぞましさを感じる。


生き物がしていい動きじゃない。軟体動物などの無脊椎動物の体の表面が波打つのならまだ分かるけれど、脊椎動物がしていい肉体の動きではない。


クルボレレの言う通り、率直に言って気持ちが悪い。一体何が起こっているのかと気が動転した私達が手出しを出来ないままでいると、魔獣の肉体の変化は更に進み、噛み千切られた左腕と脚の付け根。

そこが大きく震えたかと思った瞬間にはボコりっという水気を含んだ音と一緒に新たな手足が生えて来ていた。


「ま、ダ、マダ。オで、は。hうジミ、Dあ」


【アリウム!!】


片言の言葉と思われるものを話した魔獣に視線を釘付けにされていると番長から一言叱責が飛んでくる。何も考えずに障壁を多重に展開すると障壁の半分を瞬時に削られた。


次の章で出そうと思ってた、朱莉の師匠になるキャラが新作ライダーとネタ被り(小説家で元魔法少女。武器は万年筆を模した剣)するというミラクル大爆破をしたために白紙撤回となりましたが、皆さんいかがお過ごしですか


作者は頭を抱えております。タスケテ


なんてアホな事をしつつ、もう少しで500Pです。終わる気がしねぇんだけどどうなってんですかね?


少し早めにですが、ここまでお付き合いいただきありがとうございます。これからも可能な限り毎日投稿していきますので何卒よろしくお願いします(お盆期間は約1週間ほど更新をお休みする予定です。スマンな)


ポイントとか、ブクマとか、コメントとか、今後も是非ともぽいぽいっとぶん投げて下さい。コメントはなろうに登録してなくても出来る様にしてありますので質問とか、そういうのでも気軽にどうぞ。基本的に作者はお喋りが好きなので軽いノリで構いませんので。


ポイントはページ下、スクロールすると☆のマークがありますので、5段階でのうちのどれかを選んで送ってあげると作者が喜びます


この評価機能やレビュー(感想コメントとはまた別にオススメ作品を他の人に紹介する機能です)を意外と知らん人もいるって話も聞いたので一応


この作品じゃなくても、応援したい作品や作者さんには是非気軽に投げてやってくださいませ。勿論私も喜びます


長々と失礼しました。なんだか暗い雰囲気の世の中ですが、少しでもエンタメとして楽しんでいただけているなら本望です


これからもよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ありゃりゃ、そりゃたいへん いっそ終らせずにずっと書き続けるという手も 冗談ですけとw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ