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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
影に生きる者

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Shadow

で、やって来たのはホテルの近場にあったファミレスだ。24時間営業らしく、朝早くからでも問題なく開いていた。ご苦労なことだ。

その苦労のおかげで俺たちが快適に朝食にありつけるのだから文句も何も言いようがないが。


「……で、なんでお前は俺の膝の上にいる」


「ここで食べる!!」


朝早いともあってファミレスの中は人はガラガラ。適当なテーブル席に座ったところ、少女は躊躇いもなく俺の膝の上を陣取っている。


どうやらここで食べることをご所望らしい。俺としては食べづらいから出来れば退いてもらいたいところだが、退くつもりは欠片も無いらしく。楽しそうに笑いながら俺の身体に寄りかかっていた。


「すすすすみません!!」


「大丈夫ですよ。彼、子供には強く出られないので」


「おい」


ただでさえ小さくなっていた母親が更に小さくなっていてなんだか申し訳ないがアフェットの言い分には文句を言いたい。確かに子供相手に怒鳴ったりするような人間になろうとは思わないがそこそこに迷惑なのだから可能なら退けてほしい。


俺だって腹が減っているんだ。飲み食いは自由にしたい。


アフェットを睨みながら膝の上に乗っている少女と一緒にメニューを覗く。朝というのもあってあまりガッツリ系ではなく軽めに行きたいところだ。


「おにーちゃんは何食べるの?」


「そうだな。パスタとかが良いかもな」


「わたしはハンバーグにする!!半分こしよ!!」


「お子様ハンバーグは半分にしたらかなり小さいと思うぞ」


少女の方は朝からガッツリハンバーグらしい。個人的にはサンドイッチ的なものがあればよかったのだが、あいにくこのファミレスにはそういったモーニングメニューは無いらしく、本当に軽いサイドメニューにするか、多少は重い物を食べることになりそうだ。


「定食も良いな……」


「趣味がおじさん臭いわね」


「やかましい」


メニューの後半には和食もいくつかあり、パスタとは言ったがこちらにも心惹かれる。爺臭いと言われたが、インスタントの味噌汁は組織の施設で食べられる物の中ではかなり美味い方だろう。


少なくとも和食は口に合うだろう。味噌汁が好きなら和食は好きと言えるに違いない。

パスタよりはそそられる。パスタも相当な量を組織の施設で食ってるしな。


「ほらほら、お母さんも一緒に選びましょ」


「じゃ、じゃあ小エビのサラダを……」


「そんなんじゃお腹空いちゃうわよ。朝こそガッツリ食べないと」


対面の席ではアフェットが少女の母親に絡んで困らせている。程々にしないと母親の方が目を回しそうだ。

子供の方は割と図々しいくらいだが、母親の方は逆に謙虚で随分と差があるように思う。性格は父親似だろうか。


そうだとすれば少女なのだから少し苦労しそうな気もする。詳しいことは分からんがそんな気がするレベルだが。


「店員さーん」


あっという間にアフェットが押し切るとわざわざベルがあるのに声を出して店員を呼ぶ。

やって来た店員に注文を済ませ、頼んだものが来るまで俺たちは再び雑談に耽る事となった。


主に少女の質問に俺が答える。俺の質問に少女と、難しかった場合は母親が答えるといった具合だ。

アフェットは終始傍観に徹しており、やたらとニヤニヤしているのが妙に腹立たしい。


「あにーちゃんはどうしてホテルに泊まってるの?」


「仕事だ。この街の取材だな」


「しゅざい?」


「何かなかったかを聞いて回ってるんだ。そうだな、今は魔法少女について聞いて回ってる」


子供というのはやはり好奇心旺盛でさっきから質問攻めにあっている。母親の方も諦めが付きだしたのか、単純になれたのか少し肩の力が抜けていて、飲み物に手を伸ばしている。


「取材、と言うと記者ですか?」


「えぇ、他の街でジャーナリストをしてるの。今回はこの街について記事にしようと思って足を運んだんですよ」


「わー、他の街からなんて凄いですね」


他の街からの客人というのはやはり珍しいらしく、母親も目を丸くしている。

他の街どころか、テロリストに分類する輩だとは露ほどにも思ってい無さそうだ。ごく普通の一般人がテロリストに警戒をしている訳も無いのだから当然だが。



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― 新着の感想 ―
[一言] むしろ常日頃からそんな警戒してる人の方がよっぽどヤバイ奴な気が
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