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これから戦う者達へ

そんな感じで、基本的に身体スペックが上の男性。魔力の発現しなかった一般的な女性。魔力を発現し、魔法を扱えるようになった極数%の女性

これが、現代の人類を構成する大雑把な区分だ


その中に、どうやら俺と言う異分子が見つかったという事だろうか


「そんな中、男性でありながら、高い魔力適性と魔力の発現の余地がある男性、つまり君のことだね。それを僕が見つけた。正直、妖精界隈は大荒れさ。女性にしか扱えないはずの魔力を、成人男性が高い適性と魔力発現の可能性を秘めているのだから」


「前提条件をひっくり返しちゃった、って訳か。仮に、妖精の力で魔力を発現させたら、俺ってどうなるの」


「わからない」


「えっ」


それはもしかしなくてもまずいのではないのだろうか

前提条件が崩されたので、前例が無いのは分かる。それを何の検証も無しにその当人に魔力の発現を迫るのは無謀と言うか、危険だろう


何が起こるのか、誰も分からないなら、せめて、理論に基づいてこうなりそうで安全だと思うから、やってみないかい?が最低ラインの条件ではないだろうか


「僕もね、ちょっとこれは無いなと思っているよ。要は君にモルモットになれと言っているんだからね」


「まぁ、お前は俺が拒否すれば、その通りにしてくれるんだろう?それならまぁ、まだ冷静に話を聞けるよ」


「助かるよ。僕ら妖精ってのは基本的に人の心への配慮が無くてね。僕みたいな仕事についている妖精はまだモノを考えてから発言するんだけど、それ以外だと横暴と言うか、何と言うか……」


「協調性に欠けるのか」


「それだ」


どうやら、この妖精は人並み以上に苦労しているらしい。横暴で、人の話を聞かない上司と、多感で感情の揺れ動きも激しい年頃の女の子の板挟みになっているのなら、そのストレスはかなりのものだろう


可能なら持っている胃腸薬を譲ってやりたい気分だ


「おほんっ、まぁ身内の話は置いておいて。君には高い魔力適性と魔力発現の兆しが見え、前例の無い、成人男性の魔力発現という事象について、どのような結果がもたらされるのか。それを君の了承を得て、実際に魔力発現の儀式をするために、最初に君を発見した僕が、この場に派遣されたのさ」


「成る程なぁ。まぁ、実験動物になってくれって話だから、正直良い話では無いよなぁ」


聞けば聞く程、身勝手な話だ。これではどうやったって気が進まないだろうに

その辺りを察せない辺りが、妖精は協調性が無い、という事の証左なのだろう


だとすれば、目の前の妖精は、妖精界隈では相当の変わり者という事だろうか


「その通りだね。ハッキリ言うと、僕としてはあまりにも未知数な以上、まずは政府の研究機関に話を通した方が良いと思うのだけれど。そっちはそっちでまた別の問題があってね」


「ん?妖精と政府が一緒になって魔法少女を管理している訳じゃないのか?いやまぁ、野良と言われる政府機関に属していない魔法少女がいるのも、知ってはいるけど」


ここで、新たな疑問が生じた


魔法少女、と言うのはその特殊性から基本的に政府に保護されながら、その職務に当たり、日常を過ごしていると言う

中には政府に属することを拒み、通称野良と呼ばれて個人ないし、何らかの別グループに在籍している魔法少女もいることにはいるが、割合としては政府所属が9割、残りの1割が野良、とされている。これらはほとんど予想で、実態はどうなのだかは、本当のところは分からないのだけれど。


で、政府所属の方がなんで割合が多い、とされているかだけど。なにせ得られる恩恵が違い過ぎる。職務遂行の義務は生じるものの、衣食住は確約。報酬も少なくない量が支払われ、両親などにもその保護が及ぶ


また、将来性としても元魔法少女と言うだけで、政府機関に所属出来るだろう。何せ魔力が扱え、実戦経験もあり、大人故の理性と知識を持っているのだ


惜しむらくは、魔法少女そのものがここ10年で誕生した存在であるため、成人した魔法少女は世界で見ても少ない上、中には魔獣との戦いの中で命を落としている人も少なくない


対して、野良は野良だ。なんの恩恵も無い。本来受けられる恩恵を受けない、変わり者ばかり、という事だ。それを象徴するかのように、野良魔法少女はトラブルを引き起こすことがとても多く、政府所属の魔法少女に度々捕まえられた、という報道が、世間を騒がせている


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