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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
紅き騎士の誓い

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そうだ街へ行こう

るんるんっと大量に抱えた袋を持って、私はゲームセンターからご機嫌な足取りで出ていく。

両手を塞ぐビニール袋の中には欲しいと思ったぬいぐるみたちがたくさん詰まっていて部屋に帰ったら全部飾ると決めている。


もふもふの羊もそうだけど可愛いぬいぐるみが結構たくさんあって、あれもこれもと言って気が付いたらこんな量になっていた。散財しちゃったけど、たまにはこういうのも楽しいから良しとしよう。


「……えっぐい数取ったわね。途中から店員さんが青い顔してたし」


「確率機なんて逆に百発百中だったね。クレーンゲーム自体も恐ろしく上手かったけど、何よりもその豪運が彼女の最大の武器なのかも知れない」


後ろで二人がこそこそと何か言ってるけど知らなーい。私はちゃんとルールに則って景品を取ったもの。種も仕掛けもない、完全に私自身の実力で取ったのだから文句なんて言わせないもんね。


普段から距離感とかを把握するのは得意というか、障壁魔法を扱う上では空間認識は必須のスキル。どこにどうすればどう動くも含めた予測が出来てこそ。

それを再確認するにはある意味クレーンゲームは良いかも。


「真白お嬢様」


「ん?」


「おや?どちら様かな?」


ほくほく顔でゲームセンターを出て、さて次はといったところで声を掛けられる。

何かと思ってそちらを向くと、後ろから私の腕を引っ張りずいっと藤子さんが出て来た。


私を守るように声をかけて来たおじいさんとの間に入った藤子さんが、口調は軽くても警戒心剥き出しな低い声で応じていて私の隣に立った朱莉も何やら剣呑な雰囲気を出している。


2人ともそんなに警戒することないのに。私ってそんなに頼りないのかな。それに、だ。


「二人とも大丈夫だよ。その人ウチの使用人だから」


「「え?」」


驚く二人を他所に、私はおじいさんに近付くと持っていた大量のビニール袋を手渡す。おじいさんはそれを苦も無く受け取るとその場を離れ、あっという間に人ごみの中に埋もれてしまった。


流石だなぁと毎度ながらに思う。ただの執事さんでないことは前からよく分かっていたけど、いよいよ忍者か何かと思った方が良いのかもしれない。


「あれ、ウチの使用人のまとめ役の人です。多分。朱莉はあったことあるよ十三さん」


「え?十三さんってあのイケ爺執事さんの?」


「もうちょっと略称どうにかならなかったのそれ?」


イケ爺執事って。いや間違ってないんだけど藤子さんの言う通りもうちょっと略し方があった気がする。伝わるんだけど、伝わるんだけどさ。


でも朱莉が驚くのも分かる。さっき私達の目の前にいたのはいつものキリっとした十三さんでは無くて、物腰柔らかな近所のオジサンといった感じだったから。

かつらでも被ってたのか、いつもなら白髪のオールバックの髪も白髪交じりの黒で、普段の印象とは中々似つかない感じだった。


だから私も半信半疑。でも直感で十三さんだと思ったからきっとそうだと思う。


「ぜんっぜん分からなかったわ。あのおじいさん変装まで出来るのね」


「只者ではないってことくらいは分かったけど、すごいお爺さんね。あれが千草が師事する人かしら」


「そうですね。剣を教えてるのは十三さんです」


流石はS級魔法少女。一目で十三さんがとても強い人間だということは見抜いて見せた。流石に踏んだ場数が違うってことだよね。

十三さんも凄いけど、藤子さんもやっぱり凄い。本物っていうのはこういう人たちのことを言うのかな。

なんというか、言葉を交わさないでも分かり合う的なさ。


「さて、私はこの後用事があるからここまでだ。二人とも、遅くまで遊び歩いてるんじゃないぞ?」


「「はーい」」


そして藤子さんとはここまで。たまたま合流しただけだし、しょうがないよね。こうしてプライベートで会う分には全然悪い人じゃないし、むしろ頼れる大人だからまた何かで交流が出来たらと思う。


「じゃあ、次は何する?」


「結構時間も経ったわね。ちょっと雑貨とかでも見てみる?」


「おまかせ~」


「あんたそればっかりね。良いけど」


2人で笑って、また歩き出す。今度は何で遊べるかな。楽しみ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] はぁ、好き やはり素晴らしい作品ですありがとうございます。ああ勘違いものとしても魔法少女ものとしても非の付け所無し、excellent!! 夜更かししてまで読み込んでしまいました。これか…
[一言] 確率機で百発百中て 福の神でもついてるの?
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