それぞれの魔法少女
そんな一コマもありつつ、改めて合流すると自販機前の休憩スペースでは三人が揃って自販機販売されているアイスキャンディを食べ終えるところだった。目の前の甘い誘惑には勝てなかったらしい
「なんだ、結局皆でアイス食べたのか?」
「し、仕方ないじゃない。暑いんだから」
無駄遣いをするなと注意していた張本人である朱莉ちゃんがバツが悪そうに唇を尖らせて溢した言葉にやっぱり子供だな、と感じながら、俺は三人を誘導して2階へと続くエスカレーターに乗る
3人もそれに続き、しめて1時間かけて俺達は目的のスポーツ用品店へとやって来た
スポーツ用品、と一口に言うが、その幅は相当に広い。特にこういった大型量販店ともなると、何処にどんなスポーツ用の物が陳列されているのか、探すのも大変だ
ただ、今回の大きな目的なランニングシューズとその為のスポーツウェアだ
比較的分かり易い場所にある上に販売区画もそこそこ大きく、シューズに至っては一目で分かる位には販売区画が大きい
「へぇ、ランニングシューズにも色々あるんだなぁ」
こうしてランニングシューズを本気で選ぶと、その種類や系列が案外分かれている事に気付く
ざっくり言えばメーカー毎の傾向と、初心者、中級者、上級者とそれぞれ分類が想像よりもずっとハッキリと分類されているようだ
たかがシューズ、されどシューズ。大きな大会で入賞を目指すようなアスリートともなれば、このシューズ選び1つでタイムに差が出て来るのだろうなと素人ながらに想像出来る
とは言え、俺はアスリートになる訳でもないし、体力をつけるために始めたランニングにそれ以上を求めている訳でもない。さて、選ぶかと意気込むも、やはり俺にはいつもの事なのだが、サイズと言う壁が立ちはだかる
この国の男性の平均的な身長はざっくりと見積もって165㎝~170㎝前後、と言ったところだろう。そうなると体重の平均は大体60kgオーバー。靴のサイズは大体26㎝以上、といったところか
この体型で服のサイズがMが丁度良くなるように、この国の衣服などは作られている
対する俺の身体的ステータスを見て見よう
身長は158㎝。平均より10㎝近く小さい
体重は46kg。平均より下手すると20kgも軽い
靴のサイズは23㎝。3㎝程度小さい
お 分 か り い た だ け た だ ろ う か
散々、童顔童顔と言って来ていたが、俺の身体的ステータスは恐らくその辺の中学生並である。何が言いたいかと言うとだ
こう言った量販店での一般的なメンズ物に、俺に合うサイズはほぼ無いという嫌と言う程の現実である
いや、ホントに無いんだ。身長はまだ100歩譲る。服のサイズはSどころかXSだ、うるせぇ、肩幅がねぇんだよ!!これも量販店には置いてないこともチラホラある。仕方なくSサイズを買うが、多少ダボ付いたりする。L以上?ワンピースだよ(半ギレ
そして靴のサイズだが、メンズの靴サイズと言うのは大体25㎝くらいの奴しか量販店には置いてない。それ以下となると男女兼用か、レディースか子供用かになる訳だ
「すみません、あれの23㎝ってありますか?」
「はい、こちらですね。……すみません、当店では25㎝からのサイズしか取り扱いが無いようです」
近くにいた女性店員さんに気に入ったデザインのランニングシューズのサイズを聞くが、店舗用の端末をピッピッと弄ると、あっさり取り扱いがそもそも無いと返される
悲しきかな。一応、いち男児としてはメンズの方が心惹かれるデザインが多い。今回も悲しさを胸に男女兼用の商品から選んだ方が無難そうだ
「分かりました、ありがとうございます」
そう言って女性店員さんにお礼を言うと、靴売り場の中でも男女兼用が多く置いてある辺りへと俺は向かうのだった