表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/1650

それぞれの魔法少女

華やかな女子中学生に囲まれながら、それに混ざる俺の服装が一番子供っぽいのに衝撃を受けていると彼女達はきゃっきゃとお喋りを始める


「ほら、お喋りも良いけどそろそろホームに行こうぜ」


「あ、そうでした。そろそろ電車の時間ですよね」


「それ逃したら40分以上待たなきゃいけねぇのが田舎の嫌なところだよなぁ」


田舎の公共交通機関なんてのは一時間に1~2本通ってれば良い方だ。更に人気の少ない路線だと、数時間に一本なんてのもザラだ

これはバスも然り。終電だって早いし、都会に比べたら交通面は自家用車が無いと不便なのが田舎暮らしの特徴だろう


「てかよ、真白は26なんだろ?車の免許持ってないの?」


「ちょっと、失礼よ」


「耳が痛いな。免許は持ってるんだけど、車は今のところ必要ないと思って買ってないんだ」


「大人のクセにケチ臭いな~」


「ちょっと碧ってば」


碧ちゃんの手痛い言葉に苦笑いしながら、俺達は電子マネーのカードを片手に駅の改札を潜ってホームへと出る。数年前まではそれこそ何か国かの運転免許証を所有していたが、今はどれも有効期限切れだったりする。まともに使えるのは確かアメリカの免許証くらいだったと思う


因みに看護師免許は日本の物しか持っていない。『果ての無い医師団』は基本的に発展途上国で医療の行き届いていない地域の人達に医療行為をボランティアで行う団体だ

確かに給与は出るが、発展途上国での医療ボランティアにはその国の免許を一々取ってる暇など当然のように無い


なんて、ガラにもなく昔の職について思い出しながら電車を待っていると、ブレーキ音を響かせながら電車がホームへと滑り込んで来る。さて、電車の中はクーラーが効いているだろうか





結果として言うと、クーラーは生温い温度設定になっていた。せめて電車内とバスの中くらいはガンガンにクーラーを掛けていて欲しいもんだ


お陰様でずっとフードの中に隠れているパッシオは中で脱力しきっている。妖精も熱中症になるのか分からないが、折りを見て一旦外に出してやらないと可哀想になって来た


「真白、暑い……」


「もうちょっとで店の中入るからちょっと我慢してろ」


そう思っているととうとうフードの中から小声で根を上げ始めたパッシオの声が耳に届いた。妖精も夏の暑さには負けるらしい


電車に揺られ、バスに揺られて40分程の移動をした俺達はようやく目的地の大型スポーツ用品店を有するショッピングモールへとやって来ていた

ここの西棟の2階が丸々スポーツ用品店と言うかなり大型の店舗で、この辺りなら一番大きな規模になる


「あー、流石に店の中はクーラーが効いてるぜ」


「電車もバスもなんであんなに中途半端な冷房をつけるのかしら」


二重の自動ドアを潜って、中に入るとしっかりと冷房の効いた店内に俺達はホッと一息つく

電車とバスの生温い冷房もそうだが、何よりバス停からここまで歩いて来る数分間の屋外活動が何よりもしんどかった。日本の夏は日差しも強ければ湿度も高い上に、車やエアコン、アスファルトの照り返しで死ぬほど暑い。正直、中東の夏の方がよっぽど過ごしやすい


あっちは湿度が無い分乾いた暑さで、水分と日陰さえあればまだ凌げる暑さだった。東南アジアの話はするんじゃない


「少し休憩するか。俺ちょっとトイレ行ってくるよ」


「分かりました。私達はここで待ってますね」


「よっしゃ、アイス食べる時間が出来た!!」


「まぁた無駄遣いする。シューズ買うお金が足りなくなっても知らないわよ?」


さて、フードの中で茹だっているパッシオの休息も含めて、俺は一旦トイレへと逃げ出す

基本的に店内はペット同伴が禁止な以上、おいそれとパッシオの姿を出すわけにも行かない


せめて人目の少しでもつきずらいトイレで少しばかりの休憩だ

ついでに飲み物も自販機で買って行こう


「今なら人もいないし、出て来て良いぞ」


「ぶはぁ、迷惑をかけるね真白。相変わらず日本の夏は恐ろしい、未だに慣れないよ……」


「最近は特に暑いからな」


無理してついて来ようとするからだと文句が出掛けるが、だからと言って一人お留守番なのも味気ないと思っていたことを思い出し、それを飲み込んだ俺は小さなサイズのミネラルウォーターをパッシオに渡して一息つく


行きでこの調子なら、帰りはどうなる事やら


小話ですが、この小説に勝手にイメージソングを付けるなら、WANIMAの『アゲイン』かなと思っています

各キャラクターにも勝手にイメージソングはちょいちょいあるのでたまに紹介するかも???


あと、作品の根幹には関わらないキャラクターやシナリオの小話や設定を後書きに記載しようかなー、とも思っているのですが読者の皆様的にはどうですかね?

是非と言うお声があれば、ちょいちょい記載したいと思います



あ!!あとめっちゃ評価ポイントいただいて滅茶苦茶嬉しいです!!おかげさまで月間ランキングにまでのっちゃってますよ!!マジかよオイ!!

気軽に評価ポイントとかコメントとか、レビューと、しちゃって良いのよ?(作者が狂喜乱舞して安定した更新に繋がります。いや、割と真面目に

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ