それぞれの魔法少女
この街の魔法少女達と和解?出来たかどうかは分からないが、俺達のアリウムフルールとしての立場と主張をして数日
「ふあぁぁぁ……」
「眠そうだね、真白。でも今日は出掛けるんだろう?早めに用意をした方が良いんじゃないかい?」
朱莉ちゃん達との日課のランニングを終え戻って来た俺が大あくびを出来るくらいには、この街は平和そのものだ
そもそも魔獣が頻繁に現れるのは街中よりも人の少ない山の方だと言われている。そこから、エネルギーになる魔力と栄養を効率的に狩れる狩場を求めて人の街まで降りて来るのが常識と言われている
その為、今や山間部は魔獣の生息域であり、人が少人数で入るのはとんでもなく危険なこととして、幼い子供達から老人にまで教え込まれている
っと、そんなことはどうでも良い。今日は珍しくこれ以上の訓練は止めて街中へ出かけることになっているんだった
「しかし、デートの約束とは君も中々スミに置けないね?」
「ばぁか、10以上離れてる子達と一緒に買い物行くのにデートも何もあるかよ。どっちかと言えば子守りに近いよ」
「つれないなぁ」
アホな事をのたまうパッシオの事は放っておいて、朝食と着替えをして準備をしなくちゃならない
実際、朱莉ちゃん紫ちゃん碧ちゃんの三人に連れられて行くのは、街中にある大型のスポーツショップにスポーツ用品の吟味に行くためだ
三人はもうランニングシューズがすり減っていて交換時らしく、俺は現在なんちゃってランニングウェアと適当なスニーカーで誤魔化しているが、トレーニングに使うならそれなりの物を揃えて然るべきだろうという話が合致した結果、今朝がた決まったことだった
「ところで、僕はお留守番かい?」
「着いて来る気満々のクセに白々しいぞ」
「バレたか」
キラキラした視線を向けている時点でバレバレも良いところだ。とは言え、ここ最近は娯楽なんてテレビくらいで退屈させていたのは間違いない
同居人?同居妖精?を出不精な俺のせいて退屈させるのもこれからの付き合いを考えれば、少しは改善すべき点かなとは思う
「ただ、変なことした瞬間にハウスだからな」
「ご無体な」
「言ってろ」
ただ、最近分かったがコイツはこんなナリで結構な女好きらしい。露骨にやると怪しまれるとかでそうそう変なことはしないが、明らかに鼻の下が伸びてることが多々ある
テレビでちょっとしたお色気キャラタレントが出ると、「おほー」とか言ってる。スケベ親父かお前は
そんなコイツが彼女達に変なことをしないか、少し不安になりながら俺は集合時間の10時まで準備をしながらのんびりすることにした
特に何事も無く準備も終え、10時に間に合う様に待ち合わせ場所の最寄り駅へと向かう。パッシオはいつも通りフードの中だ
「お待たせ」
「あ、来た来た」
「後は朱莉ちゃんだけですね」
田舎の小ぢんまりとした平屋の駅舎の前に既に待っていたのは碧ちゃんと紫ちゃんだ
碧ちゃんは見た目通りの快活な印象そのまま、惜しげもなく足を出したショートパンツにスポーツメーカーのロゴが入った半袖シャツにキャップ。腰には薄手の上着が巻き付けてある
紫ちゃんはゆったりとしたワンピースだ。如何にも少女然とした格好で年相応の可愛らしさがある
対して俺は適当なハーフパンツにシャツとフードの大きなパーカーとサンダル。デザイン的にはシンプルで、それなりに年相応な格好なのだが、言わずもがなこの身長と童顔のお陰で中高生感が全く抜けない
これは服装を間違った気がする
「ごめーん!!遅くなっちゃった!!」
やったなと、一人服装について反省していると、朱莉ちゃんが五分遅れでバタバタと駆け足でやって来る
やって来た朱莉ちゃんはまさかのミニスカ(後から聞いたらキュロットと言うズボンらしい)におへそがチラチラ見えるというオシャレ感満載の服装だった。流石は女の子、中学生でもオシャレに余念はないらしい
……あれ、一番芋っぽいの俺じゃね、これ
最近、お仕事が忙しいために更新が不安定です
申し訳ないですが、よろしくお願いします