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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
sistar's

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なんてことない日常のひと時を

朝のお風呂を堪能し、朝食も楽しんだ私たちは、応接間で死屍累々になっている両親たちに頭を抱えつつ、どうしてこうなったのかを聞いていた。


「親同士の懇親会ってのは分かるけどよぉ。ちっと飲み過ぎじゃねぇか?」


「お、おっしゃる通りで……」


碧ちゃんにしては珍しい、呆れかえった表情で見下ろしているのは碧ちゃんの母親にして、郡女高等部の保険医である雫さんだ。なるほど、村上の名字と雫さんの印象に何か見覚えがあると思ったら、碧ちゃんのお母さんだったのか。


確かに言われてみれば、肌が白くなった碧ちゃんを想像すると雫さんにそっくりな気がする。


「ママもパパも、お酒苦手なのに何で飲んじゃったの?」


「高いお酒は、美味しいってパパもママも良く分かったよ……」


「うっぷ……」


青い顔をしてうずくまっている雫さんの隣、同じように青い顔でうずくまっているのは舞ちゃんのご両親。すらりとした舞ちゃんとは対照的に恰幅の良い様子だけれど、優しそうな人たちだ。


……二日酔いで沈んでなければ。


「このバカ親達は……」


「まぁまぁ、たまにはママたちも羽目を外させてちょうだい」


「ふごーっ、むにゃむにゃ」


「んにゃー……」


朱莉ちゃんのご両親、朱里さんとその旦那さんは大量に空いたワイン瓶の中心に鎮座している。その数は優に10本を超えている。一晩で一体何本を……、というか床に転がっている旦那さんはともかく、おそらくは飲んでいただろう朱里さんが顔色一つ変えずにけろりとしているのはどういうことだろうか。


リオ君も心なしか愕然とした表情をしているような気がする。


「相変わらず金本家は酒豪夫妻ね」


「飲めない僕らとは大違いだ」


「飲まないからと言って食べ過ぎもどうかと思いますけど???」


本田家の方はそっちはそっちで凄いことになっていた。


主に積みあがったお皿の枚数がヤバい。どの皿もきれいに完食されているのに、数十枚と積みあがっている。

由香さんの旦那さんは非常に筋骨隆々な、体格のいい方ではあるがそれにしても半端ない量。

見ているだけで胃もたれしそうだ。


「ちぐさぁ~。いい加減『お義母様』なんて他人行儀な呼び方は止めていいのよ~?緑川姓は変えなくても良いけど、そろそろお母さんも悲しいわぁ」


「うぐっ、それは、そのっ、分かってはいるが……と言うか、お酒臭いから離れろっ!!本気でクサい!!」


「はっはっはっ、久々に何も気にすることが無いお酒が飲めた。実に気分が良い」


「パパ楽しそうだね」


「きゅきゅきゅっ」


「楽しいのは良いけど、降ろしてほしい」


かく言う私達諸星家も酔っぱらった両親に絡まれている。千草は光さんに揉みくちゃにされているし、私と墨亜は玄太郎さんに抱えあげられて肩に乗せられている。パッシオは玄太郎さんの頭の上に乗せられて、不安定さで涙目だ。こっちおいで。


それにしても、私達の体重が軽いとはいえ、重くないのか不安だ。肩を痛めなければいいけど。


「十三さん、これどうにかならなかったの?」


「実に楽しそうでしたので。お嬢様たちが羽を伸ばされているように、大人たちにも休息と言うのは必要なのですよ」


「だからと言ってやり過ぎだと思うなぁ……」


これは残念な大人の典型例だよ。できれば見たくない光景だったように思える。


と言うか、もしかしなくても徹夜だよね?徹夜で飲み明かして、その料理やお酒を用意していた使用人さんたちが顔色一つ変えてないのが恐ろしい。


「厨房の方は流石に休ませました。料理長たちは今日の用意もありますからね」


「使用人たちも久々に非番の者たちまで呼び出しましたので」


「後でお休みできるように言っておくね……」


「きゅー」


お金と時間が出来た大人は子供の頃よりもバカををすることがあるのだけれど、今回がその典型例か。

とりあえず、この飲んだくれたちを寝室にぶち込むところから始めないとならない。


なんだかなぁ、と私達は肩を竦めた。


いつも作品を読んでいただきありがとうございます。


おかげさまでブクマが1500に到達しました。

こうして作品を多くの方に読んでいただき、沢山の読者の方に感想や考察のコメントをいただけるのは毎日の創作の意欲にもなります。


私事でもありますが11/20は作者の誕生日でもありまして、とても良い誕生日プレゼントをいただけたなと思っています。


拙作は所謂長編なので、年単位での連載を予定しておりますが、より楽しく、面白く、心を動かせる様な作品を創り続けて行きたいと思いますので、よろしくお願いします。



また、一部の読者の方(Twitterのフォロワーを中心に)には告知済みですが、とある企画が進行中です。


まだ内容は明かせませんが、春のアレを大幅に超えるボリュームをご用意する予定ですので冬映画的なノリでお楽しみにしていただければと思います。(本編には大きく関わりませんが、是非お読み下さい。春のアレの特別短編は作者の投稿小説にあります)



長々と失礼しました。今後ともよろしくお願いします。

(2019/11/20)

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[一言] お酒はほどほどに
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