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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
MEMORY

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日輪の獅子

「リオ!!アリウムのところに!!」


咄嗟に跨っているリオの背を叩いてアリウムの下に向かうように指示をする。

それを受けて駆け出したリオだったけど、続けざまに大きなダメージを与えられ、挙句の果てには尻尾を斬り落とされたドラゴンが、激昂した様子で暴れ回り、それでありながら執拗に私達を狙い続ける。


「邪魔!!どきなさい!!」


露骨に進路を妨害され、苛立ちが募る。今はアンタに構ってる暇は無いの……!!早く行かないと!!アリウムが、私の友達が……っ!!


焦る気持ちとは裏腹に、身体全体を使った妨害は私達をじりじりとアリウムとは反対方向に後退させる。こんなことをしている場合じゃないのに。今すぐにあの子のところへ行って、止血だけでもしないと、あんな出血量じゃ間に合わなくなってしまう。


魔獣が動物であるように、魔法少女だってベースはただの人間だ。血を流し過ぎれば当たり前のように死んでしまう。

あんな大量の出血はダメだ、私が怪我した時だってもうちょっとマシだった筈。あれは本当に命に係わる。


どきなさい。どきなさいよっ。


「どけって、言ってんのよ!!!!」


焦燥感に駆られるがままに炎を纏わせた剣を振るうけど、最初と同じように外殻に跳ね返される。

違う、焦っちゃだめだ。冷静に素早く対処しないと。でも、どうする?図体の大きなドラゴンはいるだけで壁と変わらない。


大きく回り込もうものなら、今度は私達を標的にするドラゴンがここぞとばかりにドラゴンブレスを放ってくるはず。どうすれば良い?どうすればアリウムを助けられる?


私があの時助けてもらった時みたいに、今度は私があの子を助けなくちゃならないこの状況で、最善は何だ?考えろ、考えろ、考えろ!!


今、あの目の前のデカブツをどうにかして、アリウムの下に駆け付けられる最善の方法は――!!


「……あぁ、違う。そうじゃないよね。違う、それは私が出来ることじゃないよね」


そこで、少しだけ頭が冷える。そうだ私は考え込んでも上手く行かないって言われたばかりじゃん。考えなくて良い、まとめて一辺に問題を解決できる程、私は器用じゃない。


一つずつ、順番に解決するのが私に出来る最速で、最善。そのためにはこのドラゴンをどうにかするというのなら……!!


「あいつを倒すよ。力を貸して、リオ!!」


「がうっ!!――ガオオオォォォォッッ!!!!」


アイツを、このドラゴンを倒して、アリウムのところに駆けつけるのが最善だ。私に出来る出来ないじゃない、やるんだ、やらなきゃいけないんだ!!考えるのはもうやめ。やるったら、やる!!そのためになら、どんな無茶も無理も通して見せる!!


私の声に応えたリオが気合を入れるために人一倍の咆哮を上げる。私もそれに合わせて魔力を練り上げ、気持ちを高める。

方法も手段も何も決めてない。分からない、でもやる。それが私の出来ることそう決めた時。


Slot(スロット) Absorber(アブソーバー)!!】


気が付いたら、答えは手の中にあった。


いつの間に手元にあったのかもよく分からない、どうして起動したのかも分からない。

ただ、左の手首にあったその機械が鳴らした電子音と共に、右手にあったカートリッジのような物が淡く朱色の輝きを帯びる。


その輝きに吸い込まれるように、リオが燐光に包まれてその姿を消していき、やがてカートリッジが淡い色から明確に濃い朱色に染まり、表面に獅子の紋様が浮かび上がる。


何が起こったのか、全く分からない。ただ、嫌な感じはしない。リオの姿が見えなくなったけど、リオがいなくなったという気はしない。むしろ、より濃くカートリッジから強い魔力を感じて。


後は思うがままに、カートリッジを左手首の挿入口に挿し込んだ。


Leo(獅子)!!】


鳴り響いた電子音と、あふれ出た魔力ではためく髪と服の中。私達はただ目の前のドラゴンを睨み付ける。

待っててアリウム。今すぐ行くから。


昨晩、間違えて本日分の投稿を予約投稿せずに、普通に投稿してしまい、大慌てで投稿しました……(笑

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