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魔法少女はじめました


「でも、一番アリウムフルールを見てる朱莉ちゃんがそう言うなら、Bクラス相当の実力があるんだと、私は思います」


「んー、納得いかねぇなぁ。その障壁魔法だけで魔獣を倒すってのも信じられねぇし、やっぱ一回やり合ってとっ捕まえた方が早いと思うんだけど」


「それでアリウムフルールと敵対関係になったら目も当てられないですよ。今のところ、彼女は有害どころか魔法少女を結果として助けています。目的が分からない以上、要観察ではありますが、だからと言ってこちらから刺激は……」


「だぁっ!!分かった分かった!!小難しい話は勘弁してくれ」


紫の小言に、碧は音を上げて乱暴に話を切り上げると、ぶすくれた様子で頬杖をつきながらこちらに視線を飛ばしてくる


どちらかと言うと、非難がましい視線だ。心当たりしかない私はウッと喉を詰まらせて視線を下げるしかない


「どっかの誰かさんは雛森ちゃんから謹慎喰らうしさ。墨亜(スミア)(フジ)姉さんは心配してたし、千草(チグサ)は文句言ってたぞ。謹慎空けたら謝っておけよ」


「……うん、分かってる」


魔法少女が謹慎処分何て、早々聞かない話だ。私が一時的に抜けたことで、仲間の魔法少女達にも迷惑が掛かっている。一週間後、しっかり謝らないといけないとは、私もしっかり分かっていた


「朱莉ちゃん、千草先輩は口では文句言ってるけど、人一倍心配してるからちゃんとね。それよりも、カンカンに怒ってるのは……」


「うん、藤姉に怒られるのは、その、わかってる。うん」


千草先輩は、口こそ悪いけど人一倍心配性なのは皆が分かっている。ただの恥ずかしがり屋なのは、まぁ、ちょっと分かる部分もあるから


それよりもヤバいのはこの地域の魔法少女のリーダーである藤姉だ。普段は頼れる優しいお姉さんなのだが、私達がおイタをすると烈火の如く怒る人だ。雛森さんより怖い

と言うか、雛森さんもビビってるから事実上のトップは多分あの人だ


墨亜ちゃんはまぁ、普通に心配してくれているだけだろう。この地域最年少の子に心配させるなんて、先輩失格だなぁ


そんな感じで今まで名前が挙がった、合計6人がこの地域を魔獣から守っている魔法少女である

田舎の割には申し分のない戦力が揃っており、藤姉に至っては日本に現在3人しか現役がいないSクラス魔法少女


その分、藤姉は国どころか世界を跨いで活躍しているため、非常に忙しい人でもある


因みにこの地域にいる魔法少女のクラスは


Cクラス 墨亜ちゃん

Bクラス 私(朱莉)、紫ちゃん

Aクラス 碧、千草先輩

Sクラス 藤姉


の通りだ。他の地域がどうなのかは聞かないが、Sクラスが一人いるだけでこの地域は広い範囲で安全と言えるだろう


そんなSクラスの人に、私は本気で怒られるのである


「ヤバい、今から震えて来た」


「諦めろ、藤姉の説教からは逃げられない」


「が、頑張って。ね?」


うわ、めっちゃ嫌だ。スゴイ、今から逃げ出したくなって来た


バイブレーションのようにガタガタ震える私に同情の視線を向けてはいるものの、巻き添えは喰らいたくない二人の薄情さを少し呪いながら、私は一週間後の謹慎明けを、見ての通り震えて待つことになった


タスケテ








「くしゅんっ!!」


「なんだい真白。風邪かい?」


「汗で冷えたのかもな。さっさと身体を温めることにする」


風呂場で服を脱いでる時に出た唐突なくしゃみに鼻を啜りながら、たまたま脱衣所の近くにいたらしいパッシオに心配される


とは言え、身体はそんなに冷えている印象も無いし、熱っぽくも怠くもない。恐らく鼻に埃が入り込んだか、誰かが噂しているのだろう


そんなことを思いながら、俺はいそいそと服を脱いで湯船に浸かることにしたのだった


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