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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
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思春期少女の悩みと出会い

お墓参りの帰りに動物病院によって、診察やら予防接種やら虫下しやら諸々を獣医の先生にしてもらう。もちろん、迷子防止のマイクロチップの確認もしてもらったけど、そっちの方は無いらしいのでそれもやってもらった。


これで名実共にウチで飼う用意が出来た。驚いたのは、注射や先生が触ることもほとんど嫌がらなかったこと。

先生も驚いた様子で良い子だね~、大体猫の診察って傷だらけにされるから、こんなの初めてだよ。なんて漏らしていた。


「ねこた」


「にゃ」


「にゃーすけ」


「にゃ」


「にゃおき」


「にゃにゃにゃー」


その病院も後にした車の中、一旦家に帰って、猫用の道具を一部引っ張り出したり、餌なんかの足りないもの確認をする予定なんだけど、それよりも前に私達は重要な作業をしていた。


「ちょっとお母さん的にもセンス無いわね~」


「えー、可愛いと思うけど」


「……にゃーご」


そう、大事な大事な名前を決める作業だ。私が思いつく限り、色んな名前を提案しているんだけど、どれもこれも受け入れてもらえないみたいで、挙句の果てにはママにまでセンス無しと言われた。

良いと思うけどなぁ、ねこたとかさ。


「レオみたいにするのも捻りが無いと思うんだけどなぁ。ねぇ?」


「にゃにゃ!!にゃーお」


「ん?レオ?」


「にゃお」


そんな中、この子はレオと言う名前に興味を示した。どうやら、この子的にピンとくるものがあったみたいだけど、レオ、レオかぁ……。

その名前を付けるのには少し抵抗がある。まるで、この子を前のレオと重ねてしまっているようで、代わりに飼うようで。…それは良くないと思う。


それに、レオは私の中ではあのレオしかいない。それを別のレオで上書きするようなことも、したくないと思った。


「ごめんね、その名前はとっても大事な名前なの。貴方には付けられないんだ」


「……にゃーぉ」


頭を撫でてあげながら、そう告げると残念そうに鳴き声を上げて、ぺろぺろと私の手をなめ始めた。

大丈夫だよ、と言ってくれてるみたいで少し嬉しい。本当に人の感情に機敏な子みたいだ。


もしかしたら、そうやって人とうまく接しながら生活して来た猫なのかも知れない。そんなことを考えていると、運転席のパパがこう提案してきた。


「リオはどうだ?レオと似てるけど、ちゃんと違う名前だし」


「リオ?うーん……、リオ?」


「にゃっ」


安直な様にも思うけど、当の本猫は問題無いらしい。リオ、リオね。


私は確認するように頭の中で何回か名前を復唱すると、特に違和感も感じなかったので良しとした。

うん、リオ。大丈夫。


「じゃあ、よろしくね。リオ」


「にゃーん」


名前を読んであげれば一際元気に鳴いて、私の膝の上で丸くなって寝始めた。この自由さ、やっぱり猫だなぁと思う。

それでもリオはかなり頭が良いと言うか、こっちの言葉を理解している節すらある。


変わった子ではあるけど愛嬌たっぷりなのでなんの問題も無い。猫は可愛いのが仕事、ついでに飼い主の邪魔をするのも仕事なのはあまりにも有名。


そういえばアリウムもペット飼ってたっけか。あれはペットじゃなくて使い魔だけど。

使い魔って普段はどうしているんだろ。普通にペット扱いなのかな?


「どうしたの?急に黙って」


「リオは寝ちゃったのと、そう言えば変わったペット飼ってる子がいたなぁって思って」


「あら、どんな子なの?」


「うーん、見た目はフェレットに近いかなぁ。もうちょっとおっきいけど。リスとフェレットの中間くらい?」


というか、使い魔とは言え魔獣には元になった動物がいるはず。アリウムの使い魔、パッシオだったっけ。

あの子の元動物、何だろ。今度聞いて見ようかな。


「ふーん?そんな動物、最近ペットショップで買えたっけかなぁ……?」


「だから変わったペットだって言ったじゃん。めちゃくちゃ頭良いのよ。いつもその子の肩にいるのが定位置なの」


「良いわねぇ、そういうの」


わかる。アリウムも相棒って言ってたし、正直憧れるなぁ。


「なぁ~」


薄目を開けて鳴いているリオの背中を撫でてあげながら、私とこの子の生活は始まった。


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