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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
決戦に備えて

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最後の作戦会議


「これ、メモリーじゃないですか」


「そう、『希望』のメモリー。砂属性の魔力を持った妖精の魂が入っているわ」


突然メモリーを手渡されて、困惑気味のスバルに押し付けるようにメモリーを握らせる。


「貴女に託すわ」


「え、真白さんが使うべきですよ。貴重なパワーアップ手段じゃないですか」


「私の強化手段は他が主流だから。一応、事前に他の皆の魔力は預かってるしね」


私はメモリーが無くても『繋がりの力』で十分強化が可能だ。

欠点として、戦闘中の皆から魔力を拝借することになるけど、その点についても対処法は幾つかある。


例えば使い捨てのメモリーとかね。【ノーブル】ではスゥードメモリーと呼んでいた技術で、メモリーに魂ではなく魔力だけを込めたもの。


使い捨てのメモリーと言えば分かりやすいだろう。私の『繋がりの力』は私を強化しようとすると結構な量の魔力を持っていってしまうので、短時間ならこの手法が確実だ。


長時間なら、お互いに魔力パスを繋いで貰った魔力と同等の魔力を私が返せばいい。


今の私の魔力は他の魔法少女の総量換算だと100倍近い量らしいから、なんなら倍にして返しても良いくらいだ。


これの欠点は私の『固有魔法(インヘアレントマギカ)』である、『幾千年紡ぎ(シャトー・)紡いだ王家の城(ブローディア)』を使わないと難しい点だ。


やはり私は半妖精のせいなのか、単純に使うのが下手なのか『繋がりの力』を最大効力で使おうとすると『幾千年紡ぎ(シャトー・)紡いだ王家の城(ブローディア)』の玉座に座らないといけない。


膨大な魔力を相互にそして速やかにやり取りするには、残念ながらそれを使わないと難しいのだ。


さらに帝国の『神器』を奪還した後、妖精達を解放する瞬間に『繋がりの力』を全開で使わなければならないため、そうホイホイとは使っていられないうえに、今回は主に屋内での戦闘になる。


幾千年紡ぎ(シャトー・)紡いだ王家の城(ブローディア)』は城と言うだけあって規模が大きい。

屋内で使うには色々と問題がある魔法なため、今回はこのスゥードメモリーが中心、というわけだ。


「貴女が朱莉に扱かれてかなり強くなったのは認めるけど、それでも心配だから。少しでも強くなれる手段があるに越したことは無いわ。それに、光と砂は考える限り結構相性良さそうだし」


「いやまぁ、ぱっと思いつくだけでも結構相性は良さそうだって思いますけど、良いんですか?」


「良いのよ。貴女達に死なれたら困るしね」


昴も含めて、メモリースターズの面々はこの短期間で随分と腕を上げた。

訓練期間の短さを考えれば、驚異的な成長と言って良い。


それでも何年も最前線で戦ってきた私達に比べれば実力も対応力もどうしたって低い。

強くなれる手段はいくつあったって良いのだ。


「わかりました。大切に使わせてもらいます」


「そんな仰々しくしなくていいわよ。中にいる人もどっちかと言うとフランクな人だしね」


「そうなんですか……。新城 昴です。よろしくお願いします」


メモリーに挨拶をする昴に応えるように『希望』のメモリーが震える。


中に入っている妖精はまぁなんと言うか、ひと言で表すなら好青年、かな。とにかく声が大きくて元気な人だから昴に非協力的ではないのは間違いない。


「昴を頼みますね」


そう声をかけると一際強く震えて応えてくれた。多分だけど、「女王陛下の仰せのままに」とかそう言ってくれたんでしょうね。大声で。


「昴にも期待してるわよ」


「ありがとうございます。頑張ります!!」


昴も負けず劣らずの大声で応えて、私に一礼すると仲間達のところへ戻って行った。


とりあえず、私から彼女に出来るのはここまでだ。あとは彼女の実力と運に掛かってくる。


だが、きっと大丈夫だろう。何となくだけど、昴はそういう困難を跳ね除けるだけのパワーを持っている。

そんな子だと私は感じてる。


言うなれば、次世代の主人公といったところかな。


「貴女も切り札。頼んだわよ」


幾つか私が想定した、戦いの状況を一変させる切り札には昴も含まれている。

カッコつけて言うなら私は『希望』を託したってところかしらね。



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― 新着の感想 ―
真白ちゃんの場合、(男性魔法少女の必修技能である)女装変身していた経験があるから、魔力操作自体は問題ないはず。 極大魔力を操作する経験が足りていないのか、半妖精であるが故に人間の魔力出力を超えた段階で…
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