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満ち欠けた日常

とは言え、過ごすべき日常があるというのも事実だ。

お嬢様や魔法少女と言えど、基本は学生。


昼間は学校に通い、勉学に勤しむのが私たちの基本的な日常であり、職務とも言える。


「そろそろ中間考査もあるから、気を抜かないように。じゃあ今日の授業はここまで」


「きりーつ。礼」


「「「「ありがとうございました」」」」


数学の授業を終え、退室する教師の背中を目で追いながら席に着く。


今のところ、特に躓いているところはない。まぁ、一度習ったことだし、予習復習は欠かしていないつもりだ。

基本的に私は超のつくまじめちゃんなのである。


看護師だって国家試験だ。勉強が出来なければ、そもそも授業についていくことすら難しい。

一応、医師になることも視野に、前の高校時代は勉強してたし。


「お疲れ~。真白ちゃんは余裕そうだね~」


「美海ちゃんだってあんまり焦ってないよね」


「まぁ、ちゃんと授業を聞いて、復習しておけば大体の授業はついて行けるし~」


「まぁねー。問題は……」


授業が終わって私の席へとやってきた美海ちゃんと後ろの席の方へと視線を向ける。


そこには完全に机に突っ伏している約二名ほどの姿が伺えた。言わなくても分かると思うけど、千草と優紀さんだ。


二人は、あまり勉強が得意なタイプではない。どちらかというと身体を動かすのが好きなタイプで、千草は理数系に弱く、優紀さんは全体的に勉強そのものが好きじゃない。


「千草~。授業終わったよ」


「……ん?あぁ」


「優紀ちゃ~ん。授業はちゃんと受けなきゃだめだよ?」


「ふああぁぁ。よく寝た」


千草は理数系の授業は眠気を誘う呪文に聞こえるらしく。よく数学の授業は撃沈している。


優紀さんは大体の座学はこの通りだ。進級できるのか不安だ。一応、1学期の中間期末考査は乗り切ったらしいけど。


「よく寝た~、じゃないよ~。またテストの点数で怒られるよ?」


「良いじゃんかよ。別に赤点じゃなかったんだし」


「平均点くらいは取ろうよ~」


最近の高校というのは、どうやら長期休暇の間に期末試験の結果に応じた補習と言うものをやらない学校が多いらしく、この学校も例に漏れず長期休暇中の補習授業というものは無いらしい。


では赤点を取った生徒や、出席日数の足りない生徒はどうするのか。

簡単だ、留年するか、辞めるかの二択を迫られる。


まぁ、当然と言えば当然だろう。教師からすれば、ただでさえ忙しい教員と言う職業の中で出来の悪い生徒のためだけに仕事を増やしてなどいられない。

学校からしても、学校のレベルを下げ、教員にも負担をかける生徒はいてもあまり得は無い。


親からしても、必要な努力をしなかった我が子が一番の原因だ。高校生にもなって、そのお尻を親に拭かせようとする子供には呆れも出て来るだろう。


学校に通う、というのは必要最低限の努力はして然るべき場所なのだ。それを怠る者に居場所を与えるほど、現実は優しくない。

中々、年若い子たちにこれらを説明しても、受け入れられないことが多いのだけれど。


「千草、せめて起きておく努力はしよ?」


「いや、分かってはいるんだがな。どうにも理数系は眠くなってしまって……」


「そんなの言い訳だよ。光さんに聞いたよ、1学期の期末理数系は赤点ギリギリだったって」


「うっ……」


気まずそうに視線を逸らす千草と、どこ吹く風の優紀さんには頭が痛い。

美海ちゃんの言う通り、せめて平均点は取った方が良い。


この学校の赤点は40点以下。平均点は70点を目安に問題が作られているらしいから、そこまで難しくは無いはずだ。

ちゃんと授業を聞いて、ノートを取るだけででも50点はかたいはずである。


私が昔いた学校は赤点は60点以下だ。いわゆる進学校故のラインだけど、それでも赤点を取ってる生徒はほぼいなかった筈。


40点が難しいとは思わない。


テストなんて、教科書呼んでりゃ平均取れるじゃんって言ったら何人かにボコボコにされたことがあります



若人よ、真面目に勉強はちゃんとしようね。将来のお給金に直結するから……(月20万以上稼ぎたかったらちゃんと勉強して、そこそこで良いから大学行って、ちゃんと卒業するんだぞ)

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