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花園へ


神器の回収忘れと仕事に関する取り組み方とか考え方について色々とありがたいお言葉をこれでもかとたっぷりといただいて、私は既にへとへとになりつつある。


「本当だったらもっと時間をかけてアレコレ叩き込まなきゃいけないんだけど、このくらいにしておいてあげましょう」


「はい……」


王族としての教育を受けていない私にとって、実際に女王として為政者としてトップに立っていたお母さんの話は何事も代えがたいくらいには貴重な話だ。


流石の諸星も政治のトップになったことがある訳じゃないし。……今のところ、だけど。


とにかく、私は小さな組織は運用していても巨大な組織運営の経験はほぼ無い。それに対する心構えとか考え方とかを直接聞けたのは本当にありがたいことなんだけど、オマケでまぁまぁボコボコに怒られた。


いや、無茶苦茶やってる私が悪いからあれなんですけど……。


「さて、話を戻しましょう」


「お願いします」


やっと話が戻ったのでほっとする。こっちも気が抜けない話だし、むしろ現時点ではこっちの方が重要な話だ。

女王の心構え的な話はこの戦いが終わってからの話だからね。


「『獣の王』を模して造られた妖精の王は神器と『繋がりの力』を与えられたことは話したわね?」


「うん。神器は3つあるって話も。パッシオから一応聞いたことはあったけど……」


確か剣と鏡と宝玉だっけか。鏡がミルディース王国に代々受け継がれていた『摂理を弾(アイ)く倫理()の盾()』だ。


剣はズワルド帝国、宝玉はスフィア公国にそれぞれ受け継がれているって話だったけど、そういえばスフィア公国から神器の話を聞いたことはない。


「一応国として3つに分かれている以上、国家の内情的な部分はお互い秘匿しているわ。神器についてもそう。お互いの神器については実は詳しく知らないのよ」


「え、そうなの?」


「そうよ? 実際、詳しいことは知らないでしょう?」


確かに知らないしスフィア公国の領主、リアンシさんも神具についての話にはならなかった。

ここは違う国の王族だからという線引きなんだろう。同盟があるからと言って、全てを共有するわけじゃないのは人間界も同じだ。


人間界で言うと所持している兵器の詳細を共有しないのと同じだ。そこは同盟国でも全部は共有しない。

共同で開発したり、同盟国から兵装を買っているなら話は別だけど。


「それに『繋がりの力』も各国受け継いでいる部分が違うわ」


「え、『繋がりの力』ってみんな同じじゃないの?」


「それだったらリアンシも貴女達と同じやり方で戦ってるでしょ? まぁ、『繋がりの力』をあんな使い方をして戦闘用に転用したのは貴女が最初だけど」


「え」


『繋がりの力』にも種類があるらしいのと、『繋がりの力』を戦闘に転用したのが私が初めてだと言われてびっくりする。


『繋がりの力』に種類と言われても、一つしか知らないからそれ以外の想像がつかない。『繋がりの力』と聞いていかにもらしい能力だしさ。


ていうかその能力で戦闘転用しないってこっちからすると嘘だぁとなるんだけど、長い間平和だった妖精界だから戦闘用の技術を開拓する必要が無かったからか。


「花園の使い方も全く違うのよ? ここは本来、獣に心を与える場所であって、メモリーに収まっている魂と出会う場所じゃないわ」


「あ、つまり私がおかしいと」


「よく思いつくと感心するわよ。頭がキレるのはお父さん似ね」


『繋がりの力』を便利づかいし過ぎててそろそろご先祖様に怒られそうな気がして来た。


いや、だってホントに色々便利だから。私自身に属性もないし攻撃能力は他の魔法少女に比べて貧弱だからそこに自由自在に組み合わせが出来るっていうのは本当に便利なのよね。



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― 新着の感想 ―
そのうち、王族としての教育をみっちりされるパターンかと。 「真白、この戦いが終わったら王族としての教育をたっぷりとしてあげるからね!(威圧)」 目が笑っていない女王陛下の笑顔が怖い。
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