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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
決戦に備えて

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青くて碧い


「ねーね!!」


「かえった!!」


「うん、ただいま」


「「きゃー!!」」


お袋の腕の中でひとしきり泣いたあと、首根っこを掴まれてリビングに連行されるとそこでいい子に夕方の子供向け番組を見ていた双子の弟と妹の熱烈な歓迎を受ける。


名前は弟が成也(セイヤ)、妹の方がみなもって名前の私の可愛い弟妹。小さくてもちもちの手と3歳になってようやく走り回れるくらいになったちっこい身体でちょこちょこ歩く姿が可愛すぎて陰鬱な気持ちが和らぐ。


思いっきり抱き締めてやると嬉しそうにきゃっきゃと笑いながら腕の中でじたばたとしていた。


「おしごと、おわった?」


「ねーね、おうち?」


「……おう。帰って来たぞ」


2人の純粋な目と質問に、色々答えに悩むけど姉として2人を不安にさせない答えを返してとりあえず誤魔化す。


3歳だからな。わざわざ小難しい話なんてしたら、よくわからなくて困っちまう。結構あるんだよ。難しい話を頑張って理解しようとはするんだけど、やっぱり難し過ぎて自分達じゃ理解が出来ない。


それが面白くなくて癇癪起こすこととかあったりな。まぁ大体そういう時は眠い時なんだけどよ。

この時間は流石に昼寝も済ませてあるだろうし、眠くなるのは20時くらいだろ。


「ねーね、あそぶ!!」


「ごほんよんで!!」


成也とみなもに引っ張られてリビングで2人のオモチャとか絵本が並んでいるところに連れていかれる。

仕事で家を空けてる時間が長いと良くある。気が済むまで付き合ってやるけどな。だって可愛い弟と妹だぜ?


これを断る姉と兄がいるか? いたらウチはそいつを殴る。


「あんまりお姉ちゃんを困らせちゃダメよ~」


「「は~い」」


元気よく返事こそしてるけど、満足するまで拘束されるのは確定だ。もちろん、悪い気持ちはしねぇよ。忙しい時にやられると大変だけどな。断ると泣くからさ。


要望に応えてやりたい気持ちはあるんだよ。ただ世間とかが許してくれねぇんだ。今回はウチも時間があるし、気が済むまで付き合ってやるさ


「ふふ、碧。悪いけどしばらくお願い。ご飯作っちゃうから」


「あいよ。親父は?」


「そろそろ帰って来るわ。相変わらず、家族の時間は意地でも作ってるみたい」


親父の翔也さんはいつも通りみたいだ。あの人はあの諸星グループのトップにいる人だぜ? その人が毎日ちゃんと家に帰って家族サービスしてるとか異常だろ。


世界で一番忙しい人間の1人だぜ間違いなく。諸星グループの規模ってのは想像の範疇を軽々超えて来るんだよ。

世界の流通を支えている企業ってのはそういうことだ。


そんな企業のトップが毎日定時退社決めて家に帰って来るのは異常だろ。ウチの知ってる社会人は仕事に忙殺されているような人ばっかりだから、どうやっているのか本気で謎だ。


流石に部下に仕事を丸投げしているってことは翔也さんに限っては無いだろうしな。多分、意味わからないスピードで仕事を熟しているんだと思うんだよ。意味わからないと思うけど多分あの人はそういうパワープレイを当たり前にやってる気がする。


そういう人なんだよなあ。ホントに。あの真白ですら仕事に忙殺されてる時が結構あるんだぜ。アイツの場合は自分で自分の首絞めてるからまた話が別だけどよ。


「ただいまー!!」


「噂したら帰って来たな」


「あらホント。今日は少し早いわね」


んなこと考えてたら帰って来たよ。これがまた騒がしい人と言うか、家族大好きな人だからさ。

嫌いじゃないぜ? たださ、これでも年頃ってやつだからよ。


「マイハニー!! 今日も君と愛を育むために一生懸命仕事して来たよ!!」


「はいはい。私は良いから今日は碧の相手してやって」


「――!! 帰って来てたのかい?! 言ってくれれば仕事なんて全て放り投げて来たのに!!」


「いやダメだろ。てか離れろ!!」


こうやって父親にハグされて振り回されるのは恥ずかしいんだよな……。


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