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マジックチャージャー


「なんでエンジンがボクの強化になるんですか?」


「単純な話さ。君という天才をサポートするのに最も必要なのは優秀なツールだからね」


「?????」


ボクが天才? 東堂さんは何を言っているんですか? 僕は別に天才ではないハズです。天才っていうのは真白さんとか朱莉さんみたいな人の事で。ボクは別に天才ではないと思うんですけど。


「やっぱり気が付いてなかったね」


「言っただろ。コイツは天然モノなんだよ」


ボクの疑問に東堂さんとお父さんは呆れたような反応をして来ました。いや、意味わからんっす。なんでボクが呆れられる側なんっすか。


だって天才っていうのはそういう人達の事じゃないですか。努力家で自分のスキルを効率的に伸ばせるだけの高い能力を持つ人たちのことっすよね?


だったらそれの筆頭は真白さん達じゃないですか。ボクはそうじゃないですよ。


「舞君。1つ君にとってとても重要な、極めて客観的な事実を教えるよ」


「はぁ……」


「いつもの君達。8人の中で、本当の意味での天才は紫君と墨亜君。そして舞君だけだと思っているよ」


率直な意見は何言ってんだこいつ、です。いやだって何故ボクが他の面々を差し置いて天才に名を連ねているんすか?


おかしいじゃないですか。紫ちゃんも墨亜ちゃんも間違いなく天才っすけど。他の面々だってそうじゃないっすか。

ボクはその中でたまたまスピード特化っていう穴を埋めてるだけですよ?


脚が速い魔法少女なんて他にもたくさんいます。実際そうじゃないっすか。


「随分卑屈というか、自分を過小評価するね君は……」


「そういう風に育てたつもりは無かったんだがなぁ。バケモノ級の奴らに揉まれ過ぎたか?」


「その気はあるね。周りの子は完全に認めてるし、彼女達はお互いのことについて褒め合いはあまりしないスパダリ思考だからねぇ……」


「何が言いたいんですか」


大人2人で何か言っていますけど、ボクは全く納得いってないですよ。ボクは何か凄いことはしてませんし、他の皆みたいに主人公みたいなことは出来ませんから。


他の皆は主人公っすよ。間違いなく、何処かの物語の主人公です。それになるだけの物語を皆持ってる。

でもボクはそれが無いんですよ。ボクはたまたま皆に出会って、皆の隣に居られているだけなんです。


別に卑屈になってるわけじゃないです。皆と一緒に戦うために何が求められているのか、ボクに何が出来るのかをわかっているつもりです。

応えられるものにはちゃんと応えたいし、応えられている自信はあります。


ただ、天才って評価には首を振るっすよ。ボクはそうじゃないと思いますから。


「……圧倒的な熱量でモチベーションを維持している真白君達と、君のモチベーション維持能力というか持っている熱量差を考えた時に彼女達と同じレベルに立てていること自体が異次元の才能の持ち主の証拠なんだけどね」


「例えるなら、お前は積んでるエンジンの性能が違うんだよ。他の子達がエンジンをぶん回して出している出力をお前はちょっと回しただけで出せてるんだが、まぁわかんねぇか」


「……そんなこと言われても実感無いっすよ」


東堂さんとお父さんはボクが頭抜けて天才だって評価しているらしいっすけど、そんなこと言われても実感は皆無っす。


だって皆はもっと凄いっす。ボクは脚が速いだけで、頭も良くないですし、攻撃力とかも無いです。

圧倒的な速さだけで評価されていることが天才だなんて言われても、納得いかないっすよ。


「そいつにそんなこと言ったって無駄ですよ、オジサン達」


揉めるボクらの耳に急に聞こえて来たのはまた聞き馴染みのある声っす。まーた何しに来たんすか、ニーチェ。


ジトっと睨んでも鼻をふんって鳴らしてそっぽを向かれました。なんすかその態度。急に来てそれは無いんじゃないですか?


「このバカの才能は本当ならこんなところで発揮するモノじゃないんです」


親指でボクを指しながらニーチェはそう言いきります。人を馬鹿呼ばわりするのが滅茶苦茶ムカつきますけど、一応言い分だけは聞いてあげますよ。


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― 新着の感想 ―
真白の場合、妖精としての能力と人間としての能力を同時に使えるのは、人間と妖精のハーフであるが故に人としての身体が妖精としての弱点(低魔素領域での身体維持機能低下)を補完し、魔素の多少に関わらず妖精とし…
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