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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
千夜祭

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千夜祭


突然放出された膨大な魔力に押し出される形で吹き荒れる暴風はフェイツェイさんの持つ風属性の魔力も混じってのことだと思う。


地面に転がってる私でさえ吹き飛ばされそうな暴風が止むとそこにいたフェイツェイさんの姿は様変わりしていた。


「『翠嵐・颶風ノ拵』」


浅黄色を基調とした和装を纏っていたフェイツェイさんは翡翠の宝石のようなものがところどころに見える日本風の軽鎧に装いを変え、より戦闘に適した姿に変わっている。


なにより変わったのはさっきまではよく想像する一般的な日本刀だった魔法具、『翠嵐』だ。


柄から飾り紐が伸びるようになって、鍔のデザインもシンプルなのから風をイメージしたモノっぽいのに変わっている。


何より、刀身の変化がひと際目を引いた。


「お前がこの場を治める立場だろう。お前がこいつらを守る立場だろう」


高濃度の魔力を伴った風が刀身に絡みつき、本当の形が見えなくなるくらい揺らいでいる。そのぐらい濃密な魔力だ。

景色や物が歪んで見える程の濃縮された魔力なんて見たことない。


「リーダーのお前が!!何をしている!!」


振りかぶって一閃。怒りの言葉と共に放たれた斬撃はアズールさんどころかその後ろにいたはずのサフィーリアさんとファルベガすら飲み込む。


す、すごい……。これが『魔法具解放』。今、魔法少女が到達できる最高点。


それを目の前にして私は声も出ない。確か、『魔法具解放』が出来るのは『絶炎の魔法少女 シャイニールビー』、『極彩色の魔法少女 アメティア』、『翠剣の魔法少女 フェイツェイ』の三人だけだと聞いているけど、その一つを間近で見られるなんて思っても見なかった。


「なんて威力よ。危うく消し飛ぶところだったわ」


「何故貴女がここに? こちらには来ていないハズでしたが」


間一髪で避けた……。いや、避け切れてはいないみたいだ。明らかに遠巻きに見ても暴風に巻き込まれてダメージを受けている様子が見て取れる。


たったひと振りの攻撃。しかも本命じゃなくて巻き込まれただけなのにダメージを与えるほどの高火力。『魔法具解放』による能力の向上は私の想像を軽く超えているのだと感じる。


「裏切り者に答えてやる義理があると思うか? サフィーリア。敵の甘言に乗せられて姉を独占か? まるで赤ん坊だな。呆れを通り越して笑いが出て来るぞ」


フェイツェイさんとグレースアさんが妖精界に来ていないことは私にも知らされていたことだ。

何でも妖精界突入時にはぐれてしまった後、別のところで修業をしてくるとかで、いわゆる強くなって帰って来るというやつだったハズだ。


もっと時間がかかると言われていたのはサフィーリアさんも知っている。新人の私が知っているくらいだからね。


それがここで間に合わせて来るのが流石はフェイツェイさん達というところだ。


「サフィーリア、退くわよ。アレはヤバいわ」


フェイツェイさんに挑発されて浮足立っている様子のサフィーリアさんに対して、冷静なファルベガが逃げの一手を打つ提案をしている最中。


「させると思うか?」


【Slot Absorber!! 『(ホーク)』!!】


そんな隙を与えるわけもないと言わんばかりに響く電子音。Slot Absorberと呼ばれる一部の魔法少女だけが持っている強化アイテム。


それによってフェイツェイさんの代名詞とも言える鳶色の大きな翼が現れ、すぐにその姿がブレる。


速い。全く目で追える速度じゃない。最速の魔法少女、『轟雷の魔法少女 クルボレレ』さんにも匹敵するんじゃないかと勝手に思ってしまうくらいに私には移動したということもわからないくらいのスピード。


「――『原始回帰』」


でも、それだけじゃなかった。サフィーリアさんとファルベガの背後に現れたフェイツェイさんの顔に天狗のお面が現れると、また魔力の質が一段も二段も変わったことを離れている私にもビシビシと伝わって来た。


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