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女学生失踪事件


「ノワール!!」


「アリウムっ!!」


咄嗟にノワールに飛びついて、今展開している魔法障壁を全部解除して、ありったけの障壁を重ねて展開する。


魔法とも言えない魔力の塊と、障壁が削れ、破壊され、結果として防ぎきれずに魔力の塊を背中に受けて吹き飛ばされる。


「げほっ、ゴホッゴホッ……」


「お姉ちゃん!!血が……!!」


「大丈夫よ。ノワールは怪我は無いわね?」


魔力の塊を背中に受けた衝撃よりも、痛いのは吹き飛ばされたときに出来た擦り傷。背中は打撲くらいだと自己診断しながら、治癒魔法で負傷部位を自分で治していく。


「大丈夫か?!」


「このくらいなら全然平気よ。ただ、あいつ前とは段違いに強いわよ」


「あぁ、前は魔法少女を見たら逃げ出すくらいのはずだったが……。やはりあの妙な機械か……?」


「多分ね」


飛んで来たフェイツェイに体中をぺたぺた触られるけど、痛いから止めんか。俺から離れてあのクソ野郎に威嚇してるパッシオの方がよっぽど有り難いから。


怪我を大体直して立ち上がり、アズールとルビー、不利を察したアメティアもこちらに加わって三人娘で揃っての自慢の連係プレーを見せるけど、障壁を抜き切れない。


展開速度に対して、強度が尋常じゃなく高い。あいつが以前に一度だけ見せた障壁は、フェイツェイの刀の一振りであっさり割れるくらいの脆さだったのに、この短期間での差はやっぱりおかしい。

あの左手の妙な道具で魔力を増幅させてるか何かをしている予想は恐らく正しい。


あれをどうにかして壊すなり外すことが出来れば、こっちにも勝機があるはず。それには、やっぱりアイツの動きを一度でいいから止める必要がある。


「左手のやつを集中して狙う。妨害と防御に徹するから、出来るだけ狙って」


「任された」


「ノワールも、行ける?」


「うん!!」


ルビー、アメティア、アズールの三人の連係に負けじとこちらも三姉妹で続いてやる。


真っ先に飛び出したフェイツェイがスピードを乗せた斬撃ですれ違いざまに斬りかかる、案の定障壁で止められるが、続けざまにノワールの魔弾が飛び、その間にルビー、アズールが左右から挟み込むように剣と斧を振るう。


「!!」


「逃がさん」


上に飛んだ男を待っていたのはフェイツェイ。刀を脳天から振り下ろすが、障壁で逸らされる、がここでようやく奴の左腕に浅く切り傷が付いた。


「フェイツェイ!!」


振り下ろした体勢のフェイツェイに声をかけて、その場から退く指示を飛ばして障壁で思いっきりパンチをぶち込む。入った!!防御が間に合わずに伸びて来た障壁に吹き飛ばされた男が視界の奥へとその姿を遠ざからせる。


そこに殺到したのは本領発揮のアメティアの雨霰の魔法の数々。あまりの魔法の量に、着弾の衝撃で辺りに土煙が立ち込める。ようやくまともな攻撃を入れることが出来た。


六人がかりで、これか。正直キツイものがある。


【戦闘中に口を挟むようで悪いが、相手が想定以上に強力なら撤退だという指示を忘れるな。君たちの身の安全を最優先する】


「分かっています」


戦闘中とあって、黙っていたウィスティーさんが連絡機を持っているアメティアに指示を促す。

ウィスティーさんの言う通り、想像以上に苦戦している。雑魚はともかく、あの男が強い。いや、どちらかと言うと攻めきれない。


とにかく障壁が硬い。スピードは互角、応用は俺の方が上だが、盾としての性能は向こうの方が上だ。

しかも妙な道具を使って、魔力の塊を撃ってくるのも脅威的。ただし、向こうも攻め切れている訳じゃない。


有効打はさっき俺が受けた魔力の塊くらいなもので、それだって既にほぼ回復済み。

戦況は冷静に分析すれば膠着。人数の利がこちらにあると言った感じか。


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