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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
合流

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初めての仕事


「お1人で巡回のお仕事を熟せるなんてスゴいです。私なんてここにいるだけで弱音を吐いちゃうくらいで」


サフィーリアさんは妖精の中ではまだまだ若い方みたいで、人間換算だとまだ成人していないくらいらしい。


私より少し年上くらいかな?それにしたって凄くしっかりしてるし、1人で巡回の仕事を任されているなんて、実力と信頼がしっかりある証拠だ。


凄いなぁと思う。物凄く努力をしたんだろうな。本当に尊敬する。


「そんなことないですよ。私がレジスタンスに配属された直後なんて、まともな仕事なんて任せてもらえませんでしたから。いきなり警備に回されるなんて、期待されているんですよ」


「私はリベルタさんとリリアナさんが保護者代わりですから。1人で任されているサフィーリアさんはやっぱり凄いです」


「ふふふ、ありがとうございます。スバルさんは褒めるのが上手ですね」


「いや〜」


そんなサフィーリアさんでも新入りの頃はやっぱり苦労したみたいだ。


本当に凄い人達は皆努力している。ここに来てよく分かった。

天才とは努力を当たり前に積み重ねられる人達のことを言う。私はそう思う。


どんなに才能があっても、どんなに辛い努力をしても、息を吸うように努力の積み重ねを出来る人達には敵わない。


「スバルさんは才能がありますよ。少なくとも私よりは」


そう言うサフィーリアさんの表情には少し陰りが見える。周りを本当に凄い人達に囲まれているから、自信が無くなってしまっているのかも知れない。


私からすれば、若いのに実力者とまで言われてレジスタンス団長のパッシオーネさんから一目置かれている。

それだけで凄いことなんだけどな。


それに、碧さんだってサフィーリアさんの高い実力を評価しているし、信頼していると思う。


いっつも隣にいるもんね。魔法少女のリーダー役の碧さんの右腕、と考えると私からしたら憧れとも言えるくらいだ。


「そんな僻むこともねぇんじゃねぇか、サフィーリア嬢。姐さんだってアンタを信頼して、単独での巡回を頼んでるんだろうしよ」


「そう、でしょうか?」


「きっとそうさ。分け隔ての無い方だから、わかりにくいかもだが貴女を信じているから、側に置いているのだろうし」


リベルタさんやリリアナさんの言う通りだ。


碧さんはとにかく人に好かれやすいというか、姉御肌の人だから色んな人に話しかけられるし、頼られている。


それをちゃんと解決したり、ヒントをくれたりするし、良いところは褒めてくれて、悪いところはビシッと言ってくれる気持ちのいい人だ。


そういう人だから、誰かを贔屓することはあんまりない。ある意味、誰にでも平等に接する人。


サフィーリアさんはそんな碧さんに贔屓されている数少ない人の1人だ。

じゃなきゃ、いつも隣にサフィーリアさんを連れて歩いていない。


「私はきっと貴女の悩みを解きほぐすことは出来ないと思うが、相談には乗れる。普段から面倒を見てもらっているお礼もしたいし、同僚だ。相談くらいには乗ろう」


「んだな。まぁ、俺は男だからしにくいだろうけどよ」


「1人で抱えるより、皆、ですよ。私も昔そうだったからよく知ってます。愚痴とかそういうのを言うだけでも少し頭がスッキリするんですよ」


少しでも誰かの役に立ちたい気持ちもあるけど、サフィーリアさんとも仲良くなりたい。


せっかく同じ職場で働いているんだから、友達にもなりたいしね。


「皆さん……。ありがとうございます。じゃあ、今度付き合ってもらっても良いですか?」


「勿論!!会議が終わったら声をかけてくださいね!!」


サフィーリアさんは側から見ていると何だか不安定な部分があって少し心配だし、それが和らぐんだったら本人的にも周りも安心出来ると思う。


親睦を深めることにもなるだろうし、相談くらいはどんと来いだ。


二国間会議中は流石に忙しくて無理だろうから、この会議が終わってからが良いかなと思って、適当なタイミングで声をかけてもらうことにしよう。


まだ新人の私達はスケジュール的に余裕もあるし、サフィーリアさんに合わせた方が都合が良さそうだ。


「ーーっ。皆さん、ありがとうございます。じゃあまた後で」


時間が押していたのか、サフィーリアさんは私達にお礼を言ってから、足早に離れて行った。


少し話をし過ぎちゃったかな。それでも、約束が出来たから結果オーライかな。


「お前ら!!喋ってばかりいないで仕事をしろ!!」


「「「すみませんでした!!」」」


と、思っていたら現場リーダーに怒られた。とほほ、真面目に仕事しよっと。


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