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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
合流

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屈せぬ光、変わらぬ白


「やるなぁ新入り。こっち来て二か月くらいか?それであんだけ戦えるなら才能あるぜ」


噂の新顔が真白に認められるためにケンカを吹っかけたって話を聞いて野次馬に来たんだが、存外コイツが悪くない戦いぶりをしていて、こっちで見ている連中は全員が驚いたり感心したりとそれぞれリアクションしていた。


「たった2か月。しかもその間の戦闘経験は数回でありながらあの動きをしろ、と言われたら出来ませんね……。新米の頃の私だったら最初の方で地面に転がされています」


「よく全体が見えています。判断力も思い切りも良い。経験の浅さから誘いに乗せられている部分もありますが、二か月であれなら鍛えればかなりの腕になるかもしれませんね」


その野次馬に混じっているサフィーと美弥子さんの評価も随分と好評だ。とてもただの女子高生とは思えない動きの良さだぜ。


全くビビッてねぇのがただのバカなのか、才能なのかはまだ判別しづらい部分ではあるけど見る限りじゃバカではねぇな。


アリウムに動きをコントロールされている節はあるが、まぁそりゃしゃあねぇだろ。年季も踏んだ場数も全くちげぇんだ。


そういうことも加味してもよくやってるよアイツらは。確か、女子高生が昴って名前だったか?


「どうだ?様子は」


「案外暇なのか?会長って仕事は」


戦い、ってよりは試験か?まぁ、真白が納得するだけの実力を見せるためのもんだから試験の方が適切か。


その野次馬にもう1人増える。昴ってのがこっちに来る理由のひとつになった人物。

田母神 芽依こと通称番長だ。


仕事も忙しいはずなんだが、どうにもあの女子高生に入れ込んでるクチだ。


才能を見抜く力は前会長の光さんから散々鍛えられてるから、マジもんだがちっと肩入れし過ぎじゃねーか?


「相変わらずバカほど忙しいがな。吹っ掛けた本人が見に来てやらないのは道理が通らないだろう?」


「やっぱり番長の差し金かよ……。随分と入れ込んでるじゃん。なんかあったのか?」


「まぁな。単純に才能だけじゃないのは認める」


忙しい中わざわざ足を運ぶくらいだ。いつもの番長なら好きにやれと言ってあまり私達には干渉してこねーし。


その辺りの勘は当たってたらしい。昴の才能に惚れ込んでるとか、そういうシンプルな話じゃないらしい。


「お前なら分かるかも知れんが、子供の頃に頼れる大人と安心出来る居場所が無いっていうのはかなりキツいだろ?」


「そりゃキツいだろ。大人だって無きゃキツい」


「アイツはな、それが無いんだ。アイツにとって親も自分の家も信頼できる存在じゃないし、安心出来る場所じゃないんだ」


いきなりそんな話を聞かされて、ははーんと番長が何を考えてるのか理解する。


相変わらず世話焼きだぜ。ほっとけない子供がいると特にだ。


「ネグレクトか?」


「そこまで認定出来るかは怪しいが……。少なくとも子供を育てる気概があるような親ではないな。普通なら児相あたりに周囲が連絡すべきなんだが……、なまじ本人がどうにか出来てしまったからな」


あー、確かにウチとか真白辺りが共感してくれそうな境遇っぽさそうだ。


肩を竦めて笑うしかない。ったく、わざわざ回りくどい方法を取るぜ。もっとスマートなやり方ってのがあるだろうよ。


真白に真っ当に言えばアイツも納得すんだろうに。


「成功体験が必要なのさ。自分の力で勝ち取った環境と居場所は時に才能を爆発させる。お前も良く知っているだろ?」


そう言われると黙るしかない。ウチにも心当たりがあるからな。


しがらみのない環境とか関係で要らんリソースを割かなくて済むのなら、それに越したことはない。


「見ろ、そろそろケリがつく」


見上げると仲間の盾を使って真白目掛けて突撃をかまそうとしている昴達の姿が見える。


派手にやってんなぁ。鍛えがいがありそうだぜ。


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