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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
合流

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3組の謁見者


新城 昴さんは紫さんや番長さんからも伝えられていた通り、保護対象の一般人。沖縄出身のごく普通の高校生だ。


素性が分からないことで特に心配性のカレジが警戒してしまっているのがこの堅苦しい謁見という形を取ってしまっているのだから、彼女が人間界から来た普通の人間だとわかれば問題ないでしょう。


同伴の2人もそんな昴さんと行動を共にし、ここまで彼女を導いて来てくれた人だ。少なくとも悪人では無いだろう。


リベルタさんという鳥人族の男性が少々強面だが、元々鳥人族は体格が立派で強面の方が多い種族。


エルフも何かと軋轢のある種族ではあるけれど、3人の中では1番礼儀正しい印象を受ける。聞いていた森エルフの性格とはずいぶんと違うけれど、だからこそ彼女がエルフ族を代表してここにやって来たと考えれば筋が通るというもの。


そもそもルールを丁寧に守って、こうやって謁見しに来てる時点でだいぶマトモだ。マトモじゃない人は、そもそもルールを守れない。


「大体の事情は聞いているわ。とんでもないことに巻き込まれて、大変だったでしょう?怪我や病気はない?あったらすぐに教えて。この場で治療するから」


「だ、大丈夫です!!この通り元気いっぱいですから!!」


その場でぴょんぴょんと跳ねて元気をアピールする昴さん。何とも可愛らしいというか、はつらつとした子ね。舞ちゃんと同じような印象を受ける。可愛い後輩枠と言ったところか。


でも、舞さんほど口と脳内が直結してるタイプでも無さそう。彼女は結構歯に衣着せぬというか、割と容赦なく言いたい事言うからね。


「おい大将、はしゃぐなって。えーっと、ここまで道案内をして来ましたが、トラブルはあったけど怪我とかは無いはずだから、大丈夫だと思うます。ハイ」


「無理に敬語を使わなくても良いわ。本当だったら私達が昴さんをいち早く見つけて保護しなければいけなかったのを、ここまで案内してくれたこと感謝します。後でお礼を用意しますね」


リベルタさんは保護者代わりでもあるみたいで、普段使い慣れていないのだろう敬語を使おうとしてなんだか変な口調になっている。


彼にはお礼を用意しなければならないわね。本人はそんなつもりは無かったんだけどな、と困った表情を見せている辺り、やはり真っ当な人だ。


「リリアナさん。エルフを代表してここへ来てくれてありがとう。申し訳ないのだけれど、その話はもう少し後でも良いかしら?昴さんについては私達にとっても急ぎの案件なの」


「むしろ気にかけていただきありがとうございます。我がエルフ族の一方的なお願いである故、聞いていただけるだけでも」


「必ずいい返事をしましょう。約束するわ」


そしてリリアナさんもやはり礼儀正しい。彼女は別の理由があり、目的地が同じだけのただの同伴者、という立ち位置のようだけどだからこそ礼節を忘れずにいる。


これで3人とも敵意が無いのはよく分かっただろう。脇に控えるカレジに視線を送ると降参しましたというように両手を挙げている。


よし、これで了承が取れた。この堅苦しい謁見というスタイルはこれでお終いだ。同じように美弥子さんに視線を向けるとグリエとマーチェを伴って早速準備に取り掛かってくれた。


流石は美弥子さんだ。あの人がいなかったら私の生活は成り立たないと言っても良い。それはそれでどうかと思うけど。


「昴!!無事だったか!!」


お茶でも飲んで気軽に今までの出来事を聞いたり、これからの事を話したりしようと思っていた矢先、部屋の扉を大きな音を立てて開けて飛び込んで来た一人の魔法少女の姿。


「番長さん!!」


「よく無事だった。よくやった。本当に凄いなお前は」


『影鎌の魔法少女 リエンダオ』。昴さんを妖精界に送り込む決断をした張本人であり、その後、原因不明、予測不可能な現象によって昴さんが妖精界に不本意な形で送り込まれてしまって以来、ずっとそれを気に病んでいた番長こと田母神 芽依会長が、文字通りありとあらゆる仕事を放り投げて飛んで来たようだ。


珍しく息を切らしながら昴さんを抱きかかえると背中をバシバシ叩いたり、頭をぐしゃぐしゃと撫でまわして昴さんを褒めまくる。


それだけ心配をしていたがよく分かる。ひとつの大きな懸念材料だったことが無事に解決出来たのは本当に良かったと思うわ。



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