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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
蛮族エルフと解けない誤解

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欲に溺れた守り人


エルフの里はお祭り騒ぎになっていた。何せ里をここに拓いて数千年の中でも最大級の滅亡の危機を乗り越えた、って話だからね。


「本当に色々と申し訳ないことばかりをした」


リリアナさんのお父さん。里長さんが私達に深々と頭を下げる。


今回の件は色々とややこしい種族のいざこざが原因と言えば原因で。そのせいでエルフの里は滅びかけたと言っても言い過ぎではないと思う。


里の長として、エルフとして、里長さんは今回の件を深く反省しているみたいだった。


「目が覚める思いだよ。他種族だからっていがみ合っていてはピンチの時にどうにもならなくなってしまうんだな。こうやって里の存続の危機を目の前にして、それがようやく正しく理解出来た」


「いえいえ。こう、長い時間をかけて作り上げた歴史があるわけで。エルフという種族自体が悪いわけではないと思いますよ?」


「……君は見た目以上に聡明だな。その若さでそれだけの視野の広い価値観を持っていることを羨ましく思うよ」


私が羨ましいと言う里長さん。私の価値観はまぁ、SNSの発展した現代日本だからこそというか。

人の考え方や思想に触れるのが簡単な時代と世界だからね。人間界は。


だからこそ危ない部分もあるんだけど。上手に使えば勉強になることに沢山触れられるからね。そういうのが役立ったのかな、と思う。学校の歴史の授業とか、お婆ちゃんの昔の話とか、そういうのを沢山聞いてたのもあるかもね。


「君達外の者達からすると物足りないかも知れないが、宴を楽しんでくれ」


「はい、ありがとうございます」


私達の周りはどんちゃん騒ぎで、特に巨人を倒したリリアナさんはエルフの人達から揉みくちゃにされている。


英雄って言うのはこういう事を言うんだろうな、と思いつつ。果実を絞ったジュースを口に運びながら、今回の事件の全貌とその顛末について思い返す。


ざっくり言うと、3つの勢力がそれぞれの思惑というか事情というか、そういうのが入り混じっていることが、状況の把握を難しくさせていたみたいだ。


エルフの里は散々説明した通り、魔力崇拝主義の排他的な種族だったんだけど、この中の一部の人達が魔法とか外の技術を独占しようとしてたみたい。


言わずとも分かると思うけど、私達に魔力崇拝主義にこじ付けて難癖を入れていた人達だ。


自分達の思想が云々言ってた割には、その裏では自分達が好き勝手に魔法技術に触れていたと言うんだから笑っちゃうよね。


里の小さなコミュニティで魔法の独占をしたところで、妖精界には魔法が溢れているし、なんなら今じゃ人間界にだって魔法はある。


それを森の奥深く、人目につかない隠れ里のような場所とは言え、たった100人以下程度の規模で独占したって何になるんだか。


私にはよく分からないけど、優越感って奴なのかな。


小さなコミュニティで優越感に浸って、猿山のボス気取りなんて随分と狭い世界に住んでいるんだなぁとしか思わないよね。


盗賊の方は随分前に村単位で盗賊団と化したモノがファルベガにボコボコにされたことで脅迫され、無理矢理従えさせられていたみたいだ。


この盗賊団があちこちにいて、ファルベガや帝国の指示を受けて街を襲い、旧王国の復興をワザと遅れさせているんだとか。


今回のエルフの里襲撃はファルベガが指導したもので、エルフの里に眠っていたエルフの始祖様の魂を狙っていたみたい。


その脅迫でエルフの里を探る中で、さっき説明した一部のエルフ達と接触。


エルフ側は里の内情を、盗賊側は外の物品とで取り引きをしていたみたいだ。


この辺りは盗賊側は全然まともな情報を得られてなくて、取られ損だったみたいだけどね。


こういう人達はまとめてお縄に掛かっている。どうするかは里長さんの判断によるかな。


まぁ、エルフの里なら何らかのカタチで処分、かなぁ。


罪人を養ってる余裕なんて小さなエルフの里には無いしね。特に盗賊達は20人近くいる。


酷いかも知れないけど、先に碌でもないことをしたのはその人達なわけだし、ここはエルフの里。


郷に入れば郷に従え、だ。私達が関与出来ることじゃない。


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