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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
蛮族エルフと解けない誤解

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エルフの里


「なんなんだ!!アイツらも!!父上も!!」


家に戻った私はイライラを未だ収められないまま、声を荒げていた。


物に八つ当たりもしたくなるが、したところでどうしようもないし、それで何かが壊れたら後で後悔するのは自分だしな。


「まぁまぁ、私達は気にしてないし大丈夫だよ」


「私が気にする!!エルフの立場がどんどん悪くなるというのに、父上は何を手をこまねいているのだ」


ただでさえ嫌われもの種族。その中でも一際ヘイトを買うような連中を野放しにすればするほど、私達全体の首が締まるのだ。


一刻も早く対処をすべきだと言うのに、父上と来たら待てとしか言わない。


「待てって言われちゃ待つしかねぇだろ。何か本当にあるのかも知れないぜ」


「だとしたら共有すべきだ!!それをいつになってもしないのは怠慢だろう!!」


「荒れてるなぁ……」


ヒステリックにもなりたくなるさ。こんなにもイライラすることがあるのかっていうくらいだ。


指の爪をがじがじと噛みながら我慢するだけの自分にもイライラして来る。

結局何もできない自分を客観的に理解出来ているからなおのことイライラするのだろうか。


だからといって勝手に行動するわけにもいかずストレスは溜まるばかりだ。


「悪いことだけじゃなかったし、とりあえずね?」


「それは、そうだが……」


殆どのエルフ達は付かず離れず、触らぬ神に祟りなしなんだろう。

見るからに面倒ごとだと分かる私達。特にスバル達に対しては見向きどころか視界にも入れずにいるくらいだ。


連中を支持するわけでもないが、私たちの味方に付くわけでもない。


積極的不干渉というスタンスで、それは結局のところスバル達のことを受け入れないということでもある。

言い方を変えれば、連中の発言を受け入れるということだ。


これだから自分の頭で考えない奴らは……。


逆にスバル達に声をかけて来たごく一部の者達もいた。里の中でも比較的若い世代のエルフ達。


まぁ、私と同世代くらいの者達だ。あまり仲が良いという相手はあまりいないのだが、何人かはスバル達に感謝の意思を示していた。


「大体は俺たちをとっ捕まえた奴らだったか」


「スバルの性格は多少なりとも直接見聞きしていた者達だ。スバルの無害さに触れてるからこそ、受け入れるのも早かったのかもな」


スバル達を受け入れる意思を見せていた若い世代のエルフ達は大体スバルとリベルタを捕まえた者達だった。


彼らも魔力崇拝主義であるし、エルフである以上、その価値観に従ってスバル達を最初こそ捕らえたが、指示はよく聞くし間違っていたら訂正する。


スバル達に有る事無い事適当にふっかけて来るあの連中とはまるで違う。


「あの人達は結局何がしたいんだろうね。やっぱりいまいちよくわからないなぁ」


「なんつーか、魔力崇拝主義を理由にアレコレいちゃもん付けてるだけに見えるぜ?こう、宗教の教えを守ってるようには見えねぇな」


「そう見えるか?」


アイツらが何をしたいのか分からないのは同意するが、リベルタの言う宗教の教えを守ってるようには見えない、という発言が気になった。


聞き返すと2人はうんうんと頷き、外部の者から見た時の違和感について話してくれる。


「宗教をしっかり守ってる人なら、なんて言うか、変な拡大解釈ってしないよね。そりゃ、人それぞれ微妙に解釈っていうのは違うんだろうけど」


「エルフ全体が他種族に攻撃的かと言われると、こうして里の内側にいると違ぇなと感じるぜ。敵対的、って風潮はあるけどな?」


「うむむ……、そうだろうか?」


「最初にわーきゃーなって揉めてたのは、俺が喧嘩ふっかけたのもあるからよ」


スバルは精神的な部分で、リベルタは行動的な部分で、それぞれエルフの最初と今の印象の差を伝えてくれる。


特にバツが悪そうにしているリベルタは、最初のトラブルについて反省しているようだ。

確かに、コイツはナリがイカついし、口も悪いからな。


最初からマイナス印象の相手同士が罵り合えば、ヒートアップもするというものだろう。

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