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魔法少女アリウムフルール!! 魔法少女を守る魔法少女の話 + 魔法少女を守る妖精の話  作者: 伊崎詩音
蛮族エルフと解けない誤解

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エルフの里


「滞在の件、前向きな検討をお願いする。私は里の者と話をして来るからゆっくり休んでいてくれ」


「私も着いて行く。申し訳ないがしばらく待っていてくれ」


魔物の調査や解体、混乱が続いてるだろう里の人達への対応とか上の立場にいる人はいつだって忙しい。今回みたいな非常事態の後は特にね。


私達だけに構っているわけにもいかない里長さんとリリアナさんは申し訳なさげに部屋を後にすると、私達は一気に姿勢を崩した。


「あー、疲れた」


「慣れねぇことはするもんじゃねぇなぁ」


どっと身体に疲れが降り注いでくる。緊張とかいろいろな理由でこの短時間に溜まった疲労感が一気に襲い掛かって来たせいで身体的にも精神的にもかなりキツイよ。


リベルタさんの言う通り、慣れないことはするもんじゃないよね。テレビで誰かが言ってたっけかなぁ。攻めるよりも守る方が難しいんだって。


今回の魔物を倒すための戦いはまさにエルフの里を守るための戦いだった。そりゃ疲れるよね。素人がやるには荷が重いってヤツだよ。


「何処かでこう、戦うための訓練とかした方が良いのかなぁ」


「っつってもよ。大将は頼まれごとを無事に終わらせるための旅だろ?俺だってその大将について来てるだけだ。別に何かを倒したり、戦ったりするのが目的じゃねぇし、無理してそういうことを覚える必要もねぇんじゃね?」


「そうなんだけどさぁ。こうして定期的に戦ってる事を考えると、基礎的な事だけでも訓練した方が良い気もして来てさ」


もうこれで変身して戦ったのは3回目。短期間ってことを考えると多いと思う。戦争が起こってて、魔物とか、盗賊とかが普通にいる妖精界にいたってこの回数はやっぱり多いんだろうな。


私が『思い出チェンジャー』と『光』のメモリーっていう戦える力を手に入れたから、安易にその選択をしてしまっているのかも知れないけど、そういうトラブルに巻き込まれている回数がそのくらい増えているってことでもあるし。


ここらで戦い方、というのを覚えても良いのかな。と思ったのだ。


私自身に身の危険が降りかかるのなら、自分で振り払えたほうが色々と都合が良いでしょ?


「んー、俺は賛成しねぇけどな。わざわざ危ねぇ方向に首を突っ込むのはな」


「それを言うならリベルタさんだってそうじゃん」


「俺は元々危ない橋を渡ってたし、大将への恩返しが理由だしな。多少の危険は慣れっこだし、100も承知だ。だけど、大将はそうじゃねぇだろ?」


確かに、私は元々想定してないトラブルに巻き込まれて妖精界にやって来てしまっているごくごく普通の女子高生だ。


ケンカなんてしたことないし、危ない橋ってやつも渡ったことはない。


「それに、大将はその届け物をお姫様に届けたら、元居た世界に帰るんだろ?」


「まぁ、多分……」


12枚のメモリーを真白さんに届けたら、私は多分人間界に帰ることになると思う。少なくとも、危険なことをする必要は無くなる。

旅もしないし、戦う事もないし、安全なところで守ってもらいながら、人間界に帰る準備が整い次第、帰してもらうことになる。


なんでかと言えば、私は一般人だから。大変な状況にある妖精界と魔法少女。そしてそれを支援する協会だって私なんかに構っている時間なんて無いのが本当のところなんだよね。


魔法少女協会の会長さん。番長さんはそれを考えればとても良くしてくれている。きっと今でも必死になって私の事を探してくれているんだろうな。


お婆ちゃんだって心配してるだろうし、帰らなきゃいけないのはそれは間違いない。


「でも、なぁ……」


でも、それで良いのかな。頼まれたことを終わらせて、はいじゃあさようならでいいのかな?


それ以上はきっとわがままなのも分かるけど、ここまで首を突っ込んでおいて、妖精界で色々な人と出会って、お礼もしないうちにさようならするのもなんだかモヤモヤとする。


「なにか、出来る事はないのかな……」


私に出来ることって何なんだろうなって思うんだよね。


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