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女学生失踪事件

現場の魔力探知を終え、いくつかの情報を入手して戻って来た俺たちは、気を落している美海ちゃんと優妃さんを連れて雛菊家を出て、二人を別の車で手早く送り届けると、急ぎで諸星邸へと戻る。


「どうだ、何か分かったか?」


お屋敷に戻る車内で、手早く千草と情報交換だ。情報は鮮度が大事、お互い大事なクラスメイトが被害にあっているとなれば、最大限の協力は当たり前だ。


「委員長のモノっぽい魔力と、それ以外の複数の魔力残滓を見つけたわ。パッシオにも覚えさせたし、これであいつらが出てきたらすぐにパッシオが探知してくれるわよ」


「そんなことが出来るのか……。そうなると、やっぱりパッシオは使い魔か、珍しいな」


「ふふ、伊達にただ肩に乗ってる訳じゃないのよ?大事な私の相棒なんだから」


「きゅい!!」


「パっちゃんすごーい!!」


そして、最近分かったのは、魔法少女の中には魔獣を従える変わった魔法を使う魔法少女が世界に少ないながらも存在するということだ。


これを知った時はパッシオに対する良い言い訳になると喜んだ。一番突っ込まれると困る部分だったけど、突っ込まれなかったからちょっと調べた。そういうことをする魔法少女がいるならば、そういうことにしてしまえば何とか説明は出来そうだからな。


「なるほど、高い魔力探知精度はパッシオのおかげだったのか。科学由来の魔法庁の魔力レーダーもどきじゃ勝負にならないわけだ」


「アリウムいっつも早かったもんねー」


魔法庁の魔力探知レーダーは普通の電波を周囲に飛ばして、それが掻き消えた場所に魔力があると仮定するレーダーだ。

細かいところは探知出来ないし、せいぜい分かるのは大きさくらいだ。基本的に魔獣は大きいので、掻き消えた電波が大きければ魔獣。それ以外なら魔法少女、というわけだ。


細かい情報に関しては、現地の監視カメラと、高性能ドローンだったりと、まだまだ魔法庁は科学に頼っているところが多いらしい。これらは全部千草から聞いた話とテレビでやってた情報だ。


人類の魔法に関する理解はまだまだ先の話だろう。


「魔法庁の方はどうだった?」


「一応、事件としては把握しているらしいが、動こうにも件数は多いし、被害にあった子たちは外傷も無いし、放っておけば帰ってくるからな。特に上の方はそれよりも魔獣の警戒をしろと騒いでいるらしい」


「はぁ、なんでどこの組織も上に行けば行くほど無能なのかしらね……」


「ゴマすりと生まれながらの地位で現場を経験せずに上に行ったからだろうな。そんな感じで上はまともに使えん。が、私たちの監督者からこの件に関する調査の指示が下りた。協力者としてアリウムも参加する旨は伝えてる。行けるか?」


千草が相当に辛らつだ。度々監督をしている人からの愚痴を電話で聞いたりしているのを見るけど、いやはや、中間管理職というのはどこにいても辛いものなんだと改めて見て思う。


千草は千草で色々経験し、諸星の家柄上、汚い大人たちをたくさん見てきたのもあるからその辺は同年代の人達よりも結構擦れている。

人のことを言えた立場ではないので何も言わないけど。


「当たり前でしょ。ただでさえ借りがある上に友達まで攫われてこっちはもうはらわたが煮えくり返りそうなんだから。で、どう動く?」


「最初はローラーと思ったんだがな。パッシオに探知をしてもらえるならそれに越したことはない。ルビーたちとも合流して、巡回しながらパッシオの鼻に引っかかるまで根気強くいくぞ」


作戦とも言えないが、当てがないより百倍マシ。さぁ、引きずり出してやろうじゃない。


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