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アリスとお兄ちゃんとシリーズ  作者: ピシコ
アリスとお兄ちゃんと本の虫
10/41

その1

  季節は六月。中間試験も終わって、学校内には穏やかな空気が流れている。

 制服も夏服に変わって、気分は爽やかよ。

「っていう訳で、10月にある文化祭に向けて、うちのクラスで何するかを、この時間で決めたいと思います」

 夏美は黒板に、文化祭の出し物、と書く。

「一応、事前のアンケートから、候補としては、お化け屋敷が一番多かったので、このままだと、お化け屋敷になる予定ですが、みなさんどうですか?」

 夏美は、クラスに問いかける。

 ざわざわと、話し声が始まる。

 私も、後ろ席にいる真衣の方を向く。

「真衣は、どう思う?」

「私は、文化祭の時期は、ショーの準備があるから……って、アリス? あなたもでしょ?」

「そうだそうだ……そう言えば手品部だったわね」

 部活的な事、今まで一度もやってない気がする……。

 思い出される記憶は、一緒にお菓子食べたり、お茶飲んだり、宿題やったり……。

「……なぁお前ら! 一つ聞いてくれ」

 亮太は、突然大声を出した。クラス中の視線が亮太に向く。

「まだ、俺たちは、一年生だから、文化祭はあと三回ある。でも、このクラスでやる文化祭は、一回しかないんだ。だから、俺はやるからには全力でやりたい」

 亮太の奴……。

「だからその……とりあえず、みんなで協力してやりたいんだよ!」

 若干の静寂の後、クラスの男子から

「そうだそうだ!」

「やってやろうぜ!」

 と声が上がってきた。

 なんで亮太が、こんなに頑張るのか知っていた私は、文化祭へのやる気がちょっと出てきた。

 夏美の方を見ると、夏美は、優し気な瞳で亮太を見ていた。

「そういう訳で、野郎ども、お化け屋敷でもいいし、お化け屋敷以外でも、何か案はないか? 何でもいいぜ?」

 亮太の言葉を皮切りに、どんどんと意見が出てくる。

「ガチで怖がらせるお化け屋敷にしようぜ!」

「ストーリー性があった方が良い!」

「お化け屋敷も良いけど、喫茶店なんでどうだ!」

「ウェイトレス希望!」

「メイド希望!」

「どっちの衣装も任せて下さいまし~!」

「男子欲望出し過ぎ~」

「タピオカジュースとかが良いなぁ」

「料理とかなら、任せてほしいなぁ」

 思い思いの声が教室内に響き渡る。

「ねぇ、亮太君」

 立ち上がって発言したのは、東北出身の七戸真由美だ。名字はしちのへって読むんだって。

「実は、私、二年生の先輩に聞いたんだけど、うちの学校、文化祭の出し物が被ったときって、上級生が優先なんだって」

「えっ、そんなルールがあるのか?」

「先輩に聞いたから、多分確実よ」

「マジか……夏美、文化祭の出し物の確定日っていつだっけ?」

「ちょうど一週間後だね」

「うーん、もし、被ったときのために、案を二つぐらい出さないとなぁ……」

 三年生と一年生が被ったら、そりゃ三年生を優先するよね。

「あ~そしたら、とりあえず出し物の案を二個出すぞ!」

 再びワイワイと盛り上がるクラス内。

 結局、お化け屋敷と喫茶店の二つの案で行くことに決まった。

  

  


 帰りのホームルームが終わって、帰る準備をしていると、真由美が話しかけてきた。

「アリス~ちょっといい?」

「どうしたの?」

「アリスってさ、お兄さんがいたよね、この学校に」

「うん。一個上にいるよ」

「やっぱり? 深夏が言ってたんだよね~名字が一緒だし、そうかなって思ったんだ~」

 真由美は、ケラケラと笑いながら私の肩をバンバンと叩く。

 真由美は相変わらずテンションが高い。

「それで、何の用なの?」

「あぁ、そうそう。本題があるのよ。ここじゃ何だから、ちょっと外でしたくてさ。この後大丈夫?」

「この後は……」

 私は真衣の方を向く。

「私も今日、買い物あるから、部活は無しね」

 真衣は、ニコッという。部活の有る無しは、真衣の機嫌でだいたい決まる。

「大丈夫みたい」

「やった~。じゃあ早速行こう? 行きたいお店があるのよ!」

 真由美は、私の手を引いて歩き出す。

「ちょ、ちょっと、結局本題って何なのよ?」

 私は引きずられながら(真由美の力はとても強い)叫ぶ。

「もしかしたら、アリスのお兄さん、彼女が出来るかもよ」

「……は?」

 何を言ってるの……? この田舎娘は?    

古戦場始まるので、更新が止まります

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