第四話 犬 ~フブの力~
久しぶりですね。
今日は私と犬の散歩だ。犬の名前はフブ。漢字で吹。
「フブ。さあ。行きましょう」
「あぁ。行こうか」
淡々と話は進み、近所の大きな公園でフブを連れて散歩に来た。
フブは何と言っても猫のように主人の元へ帰ってきてくれるのだ。
「じゃあ、フブ。この首輪つけてね。特別製よ」
「おう。じゃあな。ワンワン」
そして、フブは森の中を疾走していった。
「フフフ。俺の自由なことができる一日は最高だぜ」
この森林は深く公園と林で空間が分けられていた。
森林には統率されていた、獣がうじゃうじゃと骨肉の戦いを繰り広げていたからである。
人々の中では『犬猿の森』と呼ばれている。
その森林の中にフブは入ろうとしていた。―いや、入っていったのだ。
「ガルルルルル。久しぶりに腕が鳴るぜ」
フブは狼に変身し、人狼(人の形をした狼)の姿になった。
毛は銀色で、顔の額の辺りには黄金色の毛が出てきた。犬猿の仲で分裂している両者の獣の場所へと草木をかき分けて進んだ。
そこには、重厚な鎧を着た犬の群れと怪鳥ガルーダのような奇妙な鳥…
もとい、鷲の群れとのたたかいだった。
何とも血が騒ぐ衝動がフブを襲っていたのである。
「ガォォォン」
フブの声が両者との争いを中断させ、龍のような咆哮が響き渡り、三者間の激しい戦いが始まったのである。
その後、フブが圧倒的な力で両者の戦力が八割以上も壊滅したのは想像に難くない。
翌日、フブは既に、家に戻っていた。
森林では、警察による調査で「謎の森の怪物現る」と報道している。
次回:第五話 大学と少女の遊戯
雫「今回は暴れすぎにもほどがありますよ。」
俺「本当だな(笑)」
フブ「ごめんだワン。久しぶりなんで、高鳴ってつい…な。」
雫「声真似で)そこに惚れるんだ。」
フブ・俺「え?」
雫「へ?」
皆「…」
雫「じ……冗談ですよ。」
俺「だよねえ?(ニヤニヤ)」
フブ「昔のことを掘り返すのはやめてもらえますか姉御ぉ~」
俺「犬が部下に成り下がってるー。」
フブ「元々、ペットだよ?」
俺「そうだった。」
~私的用メモ~
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