~雲雨と星泉~③
この作品はボーイズラブ作品でございます。
ボーイズラブが苦手な方は他の小説もご用意してありますのでそちらをお読みください。
「・・・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・着いたぜ。」
「そうですね。ですが僕は出禁なので入れませんが……。」
と星泉が雲雨に呟くと雲雨はその言葉を無視し星泉の手を掴みプラネタリウムの中へと星泉を連れて行った。
「あっ!ちょっと!!」
「うるさいなぁ~なんだよ~!!」
「だから~出入り禁止だってば~!!」
星泉が叫ぶと雲雨がそのままプラネタリウムのホールの中に星泉と雲雨は入った。
すると、いつもは誰か一人でもいたり管理人さんがいるホールには誰もいず映写機は止まったまま静かなホールの真ん中の特等席に雲雨は星泉を座らせ雲雨はホールから出て行った。
「雲雨!おいっ・・・・・・・どこっ、行く!!」
「ちょっとな・・・・・・。」
雲雨がホールを出て行ってから何分か待っているとジジジジジーッっと映写機の音がホール全体に響くと星泉は後ろを向いた。
するとそこには、手を振りながら笑う雲雨の姿が見えた。
「雲雨・・・・・・・俺の為に・・・・・・。」
すると、後ろのホールの扉が開いた音がしたので星泉は開いた扉の方を向いた。
「キミもここにきてプラネタリウムの星を見なよ。」
と星泉が雲雨に言うと、
「いいや。俺は止めとくよ。今日はお前を慰めるためにこの映写機を回すってやくめがあるしな」
「そっか・・・・・・。」
その時に見えた星泉の悲しそうな顔に雲雨は少し気になったので、少し経ち星泉がプラネタリウムに集中している頃にそーっと雲雨は星泉の隣に座った。
「あれ?今日は止めとくんじゃなかったの?」
そう星泉が天井の星を見上げながら雲雨に言うと、
「あれ?そーっと来たつもりなんだけど……バレた?」
「バレるも何も隣ですよ?普通気配感じますよ、普通。」
「そっ、少し気分が変わってねー見に来た。」
といい雲雨は星泉と同じようにキラキラと輝くプラネタリウムの人工の星空を眺めた。
「そかっ・・・・・・・雲雨。」
星を見ながら呟くように星泉は雲雨を呼んだ。
「何?」
「ありがとう。ここに連れてきてくれて。」
すると、雲雨は天井の星を見ながら喋る星泉の頬を片手で挟み自分の方へ星泉の顔を向けた。
「お礼を言いたいんならこっち向けよ!」
「ぐぉ・・・・・・ぐぉめん・・・・。」
そして、星泉の頬を離し2人共同時に天井を見た瞬間にプラネタリウムの天井に死兆星が流れた。
【あっ!死兆星!!】
2人同時に声を上げテンションが上がりそのまま隣にいる2人はハグをした。
「あっ・・・・・・・・。」
「すみませ・・・・・・・・ん。」
星泉は雲雨の事を意識してしまっているのか、何故か顔が赤くなり雲雨に謝ってしまった・・・・・・・・・。
「(ハグぐらい男同士なんてことないのにどこか意識してしまっているのは雲雨が優しすぎるからなのだろう)」
と一人星泉は自分の心に語り掛け精神を落ち着かせていた。
すると、雲雨が星泉に話しかけてきた。
「どうしたんだ?なんか顔色悪いぞ?」
「いや。大丈夫です。」
といい星泉は雲雨に向かって少し素っ気なくすると雲雨は
少し不思議がりながら星泉へ死兆星の話へと戻した。
「死兆星。見れたなからお前出禁解けるんじゃねーの?」
「あぁ・・・・・・・。」
「キミは何を……死兆星に何を願ったんだ?」
星泉は一番気になる所を聞こうとすると映写機がジジジジジーッっと音を立て止まったので雲雨も席を立った。
すると、去り際に答えを呟いた。
「俺の願い……か……星泉といられること。かな?」
雲雨は星泉の鼻にチョンっと指を置き少し微笑み星泉に背を向けホールから出ていき映写機を止めに行った。
「俺何してんだろ……そんなガラじゃねーのに……。」
と雲雨もまた星泉と同様に悩んでいた。
そして、雲雨はそのホールの扉に張り付きながらそのまま床まで力なくすり落ちた。
が、そのまま体育座りをし少々動けないでいたが1~2分経つとそそくさと映写機を止めに映写室に入っていりプラネタリウムの映像を止めた雲雨の体は自分の意思に反し心に直接動かされるがままの様に一直線にホールに向かった。
雲雨の意志はそのまま星泉に会わずに帰ろうとしていたが心は違ったみたいだ…………雲雨の足は迷わずホールにいる星泉の元に向かっている……。
「(まるで、今から俺と星泉の間で何かが起こるのを予期しているみたいに……。)」
そう・・・・・・・・・何かが・・・・・・・。