すれ違った恋の、その先で
別れよ。俺、そういう人無理。
急に連絡が取れなくなって、久しぶりにきたDMには、そう書かれていた。私は親に隠れてネット恋愛をしていた。諸事情により、人との交流が少ない私は、自作小説をSNSに投稿していた。あるとき、リクエストを募集すると、合作してみたい!との回答が。私はその人にすぐDMをした。
やり取りをしているうちに意気投合し、恋愛感情を抱くようになった。
「本名教えていい?俺、東雲 凌雅」
「私、御影 珠莉」
「めちゃくちゃいい名前じゃん!」
「ありがとう」
お互いの素性を知り、もっと仲良くなった。
あるとき会話をしていると、
「珠莉って彼氏いるの?」
と聞かれた。
「いないよ?」
と返すと、
「俺のこと好きになってもいいよ?」
と返信がきた。私はドキドキしながら、こう返した。
もうずっと凌雅のこと大好きだよ。
こうして私たちは恋人になった。毎日チャットだけだけど、愛の言葉を伝え合った。
付き合ってから3ヶ月後、彼氏がいることがバレそうになった。すぐ凌雅に伝え、バレる前に別れて欲しいと伝えた。
「まだ親の言いなりになってるの?」
「ごめん」
すぐ謝ったものの、既読がつくことはなかった。
それから数日後、SNSの通知音が鳴った。そこには
別れよ。俺、そういう人無理。
と書かれていた。私は、親にバレないよう、涙を堪えた。
それから数年後、今日は凌雅の誕生日だな……なんて思いながら、待ち合わせ場所に向かう。
「珠莉!ごめんな、待った?」
「ううん、全然待ってないよ!」
「じゃ、行こっか」
私たちが歩き出したとき、懐かしい面影のあるカップルとすれ違った気がした。




