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プロローグ

初めまして、水本かいりと申します。


災害が魔法によってどうにかなる世界線だったら

魔法使いが労働者として搾取されていたら

魔法が万能だけじゃないものだとしたら社会はどうなるんだろうとちょっとした妄想から書いてあります。




災害大国、日本。


四季に恵まれ、世界が羨む美しい自然を持つ一方で、

この国は、常に自然災害と隣り合わせにある。


台風、大雨、大雪、洪水、土砂災害。

地震、津波、火山噴火。


国土の多くの大都市は河川の氾濫区域に位置し、夏になれば台風は避けられない。

離島では、台風による甚大な被害が日常的に発生する。


山間部では豪雨による土砂災害が後を絶たず、

冬には寒冷地帯での大雪がインフラを破壊する。

都市部でさえ、想定外の積雪が交通と生活を麻痺させる。


この国において、「災害」は例外ではない。


その対策として、魔法による災害抑制・救援が急速に導入されていった。

自然の脅威に対抗しうる力を持つ存在として、魔法使いたちは災害現場に投入され非常時、彼らは自衛隊や警察官以上に英雄として扱われた。


だが、魔法は万能ではない。

魔法の使用は、使用者自身に不可逆的な代償を伴う。

体温調節障害 痛覚機能の低下 睡眠障害 自律神経系の恒常的な調整不全。

それらは外傷として残らず、数値にも現れにくい。そして、治療法は確立されていない。


そのため、魔法使いは全員「業務上傷病」の対象とされる。魔法使用によって生じた障害は、労働災害として扱われ、国の労災補償制度の適用を受ける。

魔法は「業務」であり、魔法使いは「労働者」である。

この国は、そう定義することで魔法を使い続けてきた。


だが、魔法が街を救うその裏で、魔法労働安全監督庁のビルは静かに動いていた。

災害現場の数字、使われた魔法の種類、残された代償

すべてが記録され、チェックされる

災害現場に派遣後の魔法の使用状況 後遺症をみて労災判定を行う

ここは英雄となった後の目を背けたくなる全てと向き合う場所である。

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