おもちゃ花火
『1人相手に2人とは卑怯ですね。まあ、雑魚が2人増えたところで変わりないのですが。』
完全に囲まれたドーム内で人形は話す。話しているが、口元が動かない。どうやって話しているのか気になるが、それは後ででいいか。
さて、面白そうだな。あっちが動くのを待つか?いや、それは面白くない。
「こっちから行くしかないでしょ!」
僕は神術の使い方も分からないが、さっきなんとなくつかんだ筋肉の強化を使ってみると人外の速度で移動できた。
「上之__!」
家満登が叫ぶが、強敵を目の前にして理性は吹っ飛んでいた。
『馬鹿馬鹿しい。死ねばいいのに。』
「っ!?」
殴り飛ばされた。あの小さな手でこの威力。・・・これは、面白い!
突っ込んでいる時は少し先で立っているだけだったのに、耳元で囁かれた。スピードも大したものだ!
戦闘スキルも磨きたいが、こっちは素人だから力技でしか戦えないんだよな。
『空獏様が殺すなと申されたから、生かしているだけにすぎない。勝利することはおろか、戦いになると思うなんて。本当に馬鹿だな。』
「戦いになるかは戦わないとわからないだろ。」
『攻撃を当ててみたらどうだ?現実が見えるだろう。』
「ご丁寧にどうも!」
っ?!殴ったのに殴れてない!人形が煙となり、姿をけす。なにか来る!このままくらいたいが流石にやばいか???
_______ヒュオ
「上之!少しは連携しろ!」
「家満登!あ、ありがと。でも連携はいらないだろ。」
礼を言いたいが、攻撃をくらえなかったのは残念だったから曖昧な言葉になった。
それに味方を信じ、連携していたら楽しめない。
肝心の人形は風で散ってしまった。
「あいつ、どこに______。ゴホッゲホッ・・・・・・!?」
なんだこれ、血?
咳き込み、その分吸い込む。そのたびに喉の奥が焼けるような感覚がし、どす黒い血と細かい炭を吐き出す。焦げ付きた火薬のような匂いだ。
煙に変わって内側から攻撃してくるのか。これは守り、攻め、ともに万能だな。未知はやはりおもしろい。・・・が、これでは動けないな。もっと知りたいのに。
『カラカラカラカラ。さあ、攻撃してみなさい。』
ドーム内には笑いと、意図しない体の抵抗の音が響いた。




