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第六章(1)

 一歩を踏み出す勇気なんてきっと些細なきっかけがいつだってもたらす。あとになって思い返してくすりと笑ってしまえたらそれでいいのかもしれない。


 あの時、あの場所、あの瞬間を、いつか懐かしく想って芳しい馨りが満ちれば、きっとそれがその時の正解。


 好きだなって思ったから隣で微笑んで、切ないなって思ったのに誰かの言葉でやっぱり笑っている。


 笑った数だけ掌に幸せが増えていく。


 新しいを知る度に増えていく嬉しいと一緒に、掌には大事なものが増えていって自分の新鮮な横顔を覚える。


 ひとりでは知ることのできない感覚とひとりでは知ることのできない笑顔をみんなで発見する度に、吸い込んだ空気はとても透き通っていた。そうして吐き出して、またひとつ新しい何かが生まれる。


 カラフェで揺れるそれぞれの思いが音楽みたいに触れ合って、新しい音と一緒に馨りと色が躍る。


 きっとそれがグラスに注がれるまでにはまだまだ長い時間が必要。


 あっという間に過ぎる長い時間は短いひと時の重なりで、重なれば重なるほどに、程好く混ざり合ってそれぞれを変えていく。


 繰り返し繰り返し、いつだって新しく変わっていける。

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