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プロローグ

どうも、この作品を見つけてくださりありがとうございます。

今回の作品は、結構軽く、ライトノベルって感じで会話文多めの文体で書いてみましたので、比較的読みやすいかと思います。(書き手からしてもめちゃくちゃ読みやすかったし書いてて楽しかったですねぇ、はい)

なぜそうした経緯かを簡単に説明すると、脚本、シナリオ(ゲーム)の文体が個人的に読みやすいかつ、好きだし面白いからです。小説っぽく細かな描写はもちろんのこといいのですが、やはり自分はキャラクターを魅せたいということで台詞でのやり取りが一番キャラクターの性格だったり、個性だったり⋯⋯っと、色々詰まるものがあるので、と言うのが理由です。

さっ、長くなってしまいましたが、そんなこんなで、どうかこの作品をお楽しみいただけたら幸いです。(っていってもまだプロローグだけど)

「あの、これ落としましたよ」


そう、初めて彼女に声をかけたのは、桜舞い散る春の日のことだった。

人気の少ない通学路で、何の変哲もない、川の流れた橋の上で。

彼女が落としたクマのキーホルダーを拾い。


「——っありがとうございます」


それはもう、運命の出会いとしか、考えられなかった。


「⋯⋯いえ」


いや、むしろ、一目惚れだったと思う。

彼女のその、肩にかからないぐらいの長さの、さらさらとした黒髪に、モデルさんのようなすらりとした佇まいに、子猫のようにまん丸く可愛らしい目元に、桜色の唇に。

こんな子、惚れない男の方がおかしい。


けど、多分、俺もおかしい。

俺の中での『惚れた』は、世間一般的なものではないと自覚している。

それは、恋とは違くて。かといって、異性でという意味でもなくて。

なにかこう、自己満に近いもので。


「あれっ、きみ、私と同じ学校の子なんだね」


「⋯⋯あぁ、はい。そうです。美咲浜高校の学生やってます」


つい彼女の顔に見惚れてて、うちの高校の女子制服だってこと気が付かなかった。

丈の短い紺色のスカート、白いワイシャツの胸元ボタンが外れていて、そこから見えるのは⋯⋯っと、これ以上はいかんな。ただ、何がとは言わんが、なかなかに大きい。


「ふっ、あははは。学生やってますってなに、そんなこと普通いわないよ」


「っえ、そっ、そうですかね? 結構みんないってると思うんですけど⋯⋯。俺がずれてる?」


「うん。そうだと思うよ、普通の人は自分がやってるだなんて言わない言わない」


「そう⋯⋯ですよね、はは、俺ちょっとどうかしてる⋯⋯」


「ほんと、初対面の人にこんなに笑ったの初めて——」


ただ、初めて出会った彼女を俺は、普通に可愛いくて、そこらの人と比べて格段と綺麗で、魅力的な女性だとしか思っていなかった。


——けど、本当の彼女はまだ、こんなものではなかった。


彼女はそこで言葉を区切り、一歩だけ前に出てきて、ぎゅっと俺の手を両手で優しく握る。

そして、俺の顔を覗き込むように、上目遣いで。


「きみさっ、面白い人だね」


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯っ」


その、甘い声音と、にへっと笑う顔と、お互いに至近距離ということも相まって、俺の脳内は衝撃と緊張により、一度思考停止。

ついでに、シャンプーか何かの香りが鼻腔を刺激し、彼女に握られた手は、彼女の熱と混ざって徐々に熱くなって。


「それじゃあ、これ、拾ってくれてありがとね」


けど、彼女が俺の手を離すと、すぐに外の空気でまた冷たくなり。


「っはい⋯⋯」


だけど、彼女がどんどん遠くにいったというのに、俺の心の内は、まだ熱が冷めていなかった。

これが恋なのか、はたまた異性に対して胸が高鳴っているだけなのか、俺には全くもってわからない。

⋯⋯だけど、少なからず彼女は俺の理想に今、もっとも近しいということだけはわかる。

俺の理想とする、彼女ヒロインに——。


読んでくださり、ありがとうございました。

誤字や脱字、違和感ある表現などありましたら、ご指摘全然構いません。

次話もどうぞよろしくお願いします。

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