朝に三つ、暮れに四つ。朝に四つ、暮れに三つ。
友人との電話越しの会話。
筆者「手伝いお願いします」
友人「いくら出す」
筆者、少し考えてから、
「どんぐりを朝に3個、夕方に4個」
友人、鼻で笑って、
「イヤです」
筆者「じゃあ、朝に四つで夕方に三つ、では、どうでしょう」
友人「それなら、イイです」
二人して電話越しで大笑い。
問題です。
千三百四十七引くことの二百七十三。
残りは幾つ?
続いて、問2。
MCCCXLVII―CCLXXIII=?
それでは第3問。
1347―273=?
解けましたか?
答は、
最初の問題、千七十四。
問2、MLXXIV。
第3問、1074。
異世界作品で、
転移転生した登場人物が、加減乗除の計算を素早く行い、異世界で「天才」と褒め称えられたりする描写があります。
転生転移者は、「何か、やっちゃいましたか?」で、それを個人の資質ではなく、異世界の学問レベル的なものが低いのが原因だとする説明が多い様な。
「異世界」って学問レベルが低いの?
確かに教育には偏りがあり、均せば低いんだろうけれども。
でっかいお城や教会、神殿。堅固な砦。国境や都市をぐるりと囲む城壁。
そんな建築物が在るのに?
そんなものが我が物顔で建っている異世界の数学者が計算が速いだけで、
「雛に稀なる天才」
と褒め称えるなんて、その異世界の価値観がおかしいか、あるいはお世辞を言われているか、なんじゃないの?
それとも、存在する巨大な建造物群て、空から落ちて来たんでしょうか。
「勘です」
とか言い出したら、異世界人の方が遥かに凄いチート持ち。
この前、
あの19世紀末頃から建設を始め、ついに21世紀にまで建設が続く、割と最近まで無許可建築(許可が下りたのが2019年)だった教会の設計者である、天才と謳われる建築家の特集を観たんですが。
あの人、直「勘」で設計したんじゃないですかね。「啓示」じゃ無い方の。
施主は雲の上に坐します御方と云うことですが。
現実世界で、「ピラミッド」や「コロッセオ」、地中海沿岸文明の各種神殿なんて世界遺産級建造物群が建築されたのが中世より前。
異世界で当たり前に存在する同規模の建造物があれば、建築技術の基礎になる数学が劣っているなんて、おかしな話。どうやって設計したんだ。
転生転移者って、実は異世界を舐めているようで舐められている?
ただ、思うに「計算速度」については現代教育を受けた転生転移者に歩がありそう。
と、云うのも現代教育の計算手法には、インド・アラビア数字、またの名を「算用数字」という強力な武器があるからです。
筆者はこの「算用数字」が在るか無いか、が分かれ目ではないかと推測。
「算用数字」は、その名が示すように計算のための記号。道具。
数字に「ローマ」や「漢」が在るじゃないか、と云う話ですが、そこで冒頭に繋がるわけです。
「慣れ」なんじゃないの?と言う話は置いて於いて。
と、いいながら「慣れ」は確かに重要なんだそうです。
脳科学関連で知ったのですが、
連続する、繰り返すという作業は、「憶える」ということにとても重要で.........
そもそも「記憶」する、からの話から始まるのですが、
人は記憶する時、記憶する事象を、細かい要素の集合体として行うのだそうです。事象の「形」はもとより、「色」、はたまた「匂い」、「味」等など、これらに加えてをさらに細分化したものを要素として繋げて「記憶」になるのだとか。
「慣らす」は、この記憶のネットワークの形成を強固にするのだとか。
文字を憶えるのに、繰り返し「書く」ことが重要だとされているのは、このネットワークを強固なものにする為なのだそうです。
しかも、指先を動かして得る刺激が大事なんだとか。
指といえば、
19世紀にロンドンを襲った火星人は蛸の姿に似ているそうですが、頭足類では無く、触手はヒトの指に相当する器官が進化したもの(作中に言及が有る)。
構造としては頭部と胸部を16本の指で支えているのだとか。脚は、指が取って変わって進化したので退化したんだそうです。
火星人は16進法?
19世紀にIT関連を先取りなのか。流石、社会批評作家。
でも、まぁ、蛸を意識したんだろうなぁ。
本人、蛸が嫌いだったそう。
小学低学年でひたすら算数ドリルや練習帳をやらされていたのはこのネットワークを強固なものにするためだった。と、誰だか言っていた気がする。
平仮名だけで基本46文字、憶えるのは大変。
その点、アルファベットは26文字。
そういえば、
異世界作品中で使用される文字記号について、「アルファベット」と記述されているのを、たまに見かけるんですが、まぁ、解らなくもないんですけどね。
知っている方は多いと思うんですが、アルファベットと云うのは、古代フェニキア文字を起源とするギリシャ文字の第一文字「α」と続く第二文字「β」からが由来。
平仮名が漢字を崩した形から成り立ったのはご存知の通り。
アルファベットもまた、象形文字が変化した形。
「α」は牛を表す象形文字、原形は牛の頭。
「β」は家を表す象形文字からが由来。原形は四角みたいな形。想像するに平屋根だった?
確かに、作品中で「牛家」と表記したところで、読み手は「?」となるところ。
「何故に此処でファストフード店が?」
なんて。
表現が難しい。
「いろは」なんて、「なーロッパ」だとしても西洋様式世界では、なんか違う。
そう云えば、歌舞伎で有名演目の「仮名手本忠臣蔵」(著作権期間は終了しているよね?)
何であの題目なのか不思議に思ったことがありました。
時代劇の映画やドラマの方は史実の「本所深川カチコミ事件」を思わせるタイトルなのに。
江戸期の演劇や著作物のタイトルは一見すると意味が解らないものが多々在ります。
まぁ、あの大河ドラマのお陰で、幕府側への対抗策らしいことは察しましたが。
教養が無いと、あれらの謎掛けのようなタイトルの意味が判らない。
「仮名手本忠臣蔵」がこのタイトルなのは、元ネタである「カチコミ事件」が幕府批判だと見做さられるからです。幕府裁決に不満があるから事件が起きた。というのがその理由。
徳川幕府から発禁されるのを避けるために作中舞台は南北朝期、足利幕府。首を取られる仇役は「高 師直」へ変更。実在の人物。
歌舞伎演目の方の中心人物「大星由良之助」が史実の「内蔵助」に相当。「忠臣」との人物評。
討入側関係者は四十八人(実際の実行者は四十七名)。
「いろは」は四十八文字。
四十八名の忠臣達と忠臣の「蔵」さん。
思いに至った時には、晴れやかにスッキリしました。
「東海道四谷怪談」は今以て謎。
何で東海道?
「お岩様」の四谷は御府内の甲州道沿いなのに。
ローマ数字や漢数字を使っていた人々は、その記号表記法が計算に向いていないことは感づいていたんじゃないでしょうか。
学者の方が言うには、
あれらは量を記録するための記号で計算機能は持ち合わせていない。
聴いて納得。
何でも、世界最古の「数」の表記は骨だか石器だかに縦線の傷を刻んであるものだそうです。縦線の本数が数量と同等。
その証拠が「算盤」だと想うんです。
我々が現在知るあの一列5珠の「算盤」は機能主義を突き詰めた究極の形。
アバカスや昔の中国算盤は一列に珠がいくつもあります。
アバカスは多くは一列に10珠。
中国算盤は「5」を意味する珠が2つ在るものや「1」の珠が5個在るもの。
道具の進化の過程が面白い。
幼児用知育玩具にもアバカスが在ります。
アバカスを含む算盤の原型は古く、
嘗ては「最古の都市文明」と言われた「二つの川の間」文明には砂地に線を引き小石を置いて計算していたとか。
一番最古は指折りしてたんじゃないですかね。指は計算道具じゃない、か。
高貴なお方が指折りで計算するとか、見た目は確かに良くないですな。
よく転生転移者が算盤を「発明」して、周囲が「おおっ!!」となる描写がありますが、
今まで見たことも聞いたこともないので「おおっ!!」って。
洗練された形を見て「おおっ!!」というのは解らないでもないですが、
異世界、いくらなんでもねぇ。
現実地球世界でも今から7000年前にはそれなりの形が在るし。首飾りみたいに、飾り石に穴を開けることができる技術があれば到達しそうなものだけど。
多分、以下のようになるかと、
転生転移の人物が現代式算盤を作り出した。
それを見た異世界現地人
「これは計算道具ですか?」
転生転移人
「そうです。使い方は.........」
異世界現地人
「なる程、これは“アバカス”より洗練されてる」
転生転移人
「“アバカス”って何です?」
異世界現地人
「計算の道具です。」
転生転移人
「.........あったんだ」
異世界現地人
「バカにしてます?」
とか、
何とか以降、続く。
異世界では“アバカス”と云う名では無いかも知れませんが。
アバカスや現代算盤でなくても、計算を行う道具すら、異世界人は生み出すことが出来なかったのか、それでよくもまぁ異世界は中世近世まで文明を進めることが出来たな。
そっちのほうが凄いわ。
一部の作者の方、考えなさすぎ。
Webで作品発表しているんだから。調べるくらいの手間は無いのか。
そんなに調べるのが嫌いなのか。
幾らテンプレートをなぞるとも、そもそもに疑うことをしないのか。
現代の日本式算盤を欧米人の大多数が知らないのは有名な逸話ですが、アバカスの方は知育玩具としても売られています。
「21世紀をこの目で見る」と語って実現したSF界の巨匠(故人)の短編に、
搭載コンピューターが故障して使用不能になった宇宙船の乗組員達が、一致協力して算盤で計算して、危機を乗り越える。(かなり乱暴な要約)
なんて話が在りました。
大体、転移転生者である主人公が裕福な商人家庭、高位貴族と関わりがあるのなら、誰か知っていそうなものだけれども。
本筋に戻りましょう。
現実ヨーロッパ世界に算用数字が普及し始めたのが中世期。
同時代の日本は源さん家が東国、鎌倉辺りで土地所有の許認可登録と紛争解決の仕事を始めた頃。
筆算とアバカスの計算競争も在ったとか。
なーロッパ作品の多くの舞台が中世風。
転移転生者が引っ掻き回すので文化文明技術は近世位になってしまってはいますが。
異世界に算用数字が在っても不思議では無い。
ただ、
その異世界の数字表記方法が昔から算用数字型であるなら、筆算が出来無いとおかしい。そのための算用数字でしょ?
当然のことに、「0」も存在しなければおかしい。「0」は算用数字最大の特徴にして功績。
それまでの、異世界の表記法が「ローマ・漢」数字型であった場合、主人公が算用数字を持ち込めば、大騒ぎになること請け合い。
「0」の概念の突如の出現。下手すれば、極端になれば「異端審問」案件。
あれ?なにかやちゃいました?
で済めば良いが。
算用数字は筆算のための道具ですから。飼い殺し決定かな。
主人公はその異世界の数学史に燦然と名を残すことになるでしょう。
算盤の発明より歴史的大事件。年表に書かれるかも。
異世界作品でそこのところを念頭に置いている作品って記憶にないなぁ。
あぁ、そうか。
そう云う騒ぎが起きていないってことは、異世界では以前から算用数字型表記が在るってことか。
筆算が既に在って常態化している。だから算盤の類が存在しなかった。
順番が逆だったのか。
なる程なる程。
異世界へ転生転移した人物は本当のところ舐められている訳だ。
異世界作品の作者が、算用数字が当たり前に身近に在る存在なので考えもしなかったし見逃したか。
と云うところだろうけどもなぁ。
書いていて気付いたのですが、
漢数字は零を含め十までの個別に記号が在る。
10が10個在って、「百」の文字が在り、10^2=100。
100が10個または、
10が10個在るのが更に10個在って「千」。10^3=1000。
十進法と云うのか、十単位で位を表す記号が存在。
一方、ローマ数字の方も一見すると個別に記号が在るように見える。しかし,1〜3はⅠの量に対応しているのに、4はⅣ、5はⅤ、6はⅥ、5を境に表記が変わる。10はⅩ、50はⅬ、100はⅭ。500はⅮ。
5毎に別の記号が現れる。
これって片手の指の数が元?
調べてみたら、そう云う説が存在。
左から右への表記なので、おそらく1から5までが左手。6からは右手。もしくは左手だけで、折り返し指を折る。なのか。
多分左手だけなんじゃないか、かと。
ここからは手指の運動。実際にどうぞ。
握った左手から親指を立てて1、人差し指を立てて2。中指が3.こうして4を数える時は左手はどんな形になりますか?
無理をすると痙るので気をつけて。
それが、ローマ数字がⅣとⅥな理由と筆者は推測。Ⅴは左手。多分右利きなのでは。
11からは右手が登場。11は両手の親指が一本づつ立っていることでしょう。
左手で10を数える毎に右手指を同じ順番で立てる。これで、どうにか人一人で100まで数えられる。まぁ延々と忘れずに指折りを続けられればひとりでも大丈夫でしょう。
この辺、素人考えなので。真相かどうかは判りません。
1、2、3、いっぱい。
という数的概念の部族の或る人物が、蟻の数を数えることに成功して、やがて部族のリーダーになる話を思い出した。この部族は4進法。
先も見た通り、ローマ数字は5進法の疑い。
大体の異世界現地人は平気で十進法を使っているけど、それは当たり前なのか。
冗談は、相手が理解できないと冗談になりません。そう云った人は貴重です。
次回予告。
「雀だって、メダカだって、お貴族さまだって」(仮)




