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遠回りして帰ろう

放送協会の伝説的人形劇。

いや、いっぱいあるんですけど..........

「ひょう○○島」で日の経過を表すのに、針金の先に付いた太陽と月を模した物が、水平線から昇り、空を横切り水平線に沈むを実際に演じるのですが、(リバイバルで見た。)

伝説なのはここから、

当時放送のある回で、

日の経過が長いと、順番に昇り沈みしていたのが、段々「追いかけっこ」をするように空を横切り、遂には追いついて月と太陽が衝突。仲良く?海に墜落した場面があったとか。

是非見てみたい。


 異世界で、その住人に、

「生まれたのは何時?」と尋ねたとする。

 返ってくる答が、

「○月✕日」とか「ナントカの月、○日」

 だとすれば、

 その異世界では、月が存在し、月を見て暦を作った事があったと判る。


 だって、

『月』を使っているでしょう?



 暦は、

 地球現実世界では、古来より周期的に発生する事象、有名なところでは洪水、河川の氾濫ですかね、に備える為に、時間猶予を知る必要があったことが誕生の理由だったと云われています。

 現時点が周期の何時頃なのか。

 次の事象が発生するまでの猶予がどれ位あるのか。

 太陽だと、一見変化が無く機械的に出没を繰り返す。なので事象発生から出没の回数を欠かさず記録しないと経過日数が判りません。根気のいる仕事です。


 その点、

 月は目に見えて判り易く変化します。月の満ち欠けが定期的に繰り返されるので、現時点がどれ位経過した、しているかが推測しやすいのです。

 江戸時代の話ですが、月の満ち欠けで大体の日の経過が判る為、安値簡易な暦表、カレンダーには日付は書かれておらず、年の各月の日が29の小月、30の大月の区別だけが書かれていたそうです。ほぼ紙一枚で済む。

 これが高値のカレンダーになると日付の他に吉凶判断とか色々な情報が書き込まれていたようです。情報料ですね。


 月の満ち欠けと連動して、日の経過を表す暦のことを大雑把に云うと『太陰暦』。

 これに対して、太陽の運行で日の経過を表す暦のことを大雑把に云うのが『太陽暦』。


 異世界作品の登場人物が平気で口にする、「○月✕日」、「ナントカの月✕日」。

 地球現実世界でも、

四月しがつ』、『卯月うづき』、『April』、『フロレアル(花月)』、『Pink Moon(ピンクムーン)』。

 順番番号で呼ぶか、季節ごとの名で呼ぶか、呼び方に違いはありますが。どれも季節の時流に合わせて名付けた、夜空の満月の呼び名です。

 どれもかつての太陰暦仕様の名残。

 まぁ、太陽暦採用以降に付いたものもありますが。

 旧体制からの脱却を掲げた政府組織が新体制に相応しいモノをと意気込んで作った有名な暦もあります。


 我々の足元の地球の衛星の「月」という名が、異世界でも同じか、と言うのは脇に置くとして。


 古典SF作品の、熊の縫いぐるみ、テディベアの姿をした地球外知的生命体が住む惑星「トーカ」。それの衛星が「ウーハ」、「ブーハ」、「フーハ」。

 現地語で「で⬛」、「呑んだくれ」、「愚⬛」というのがあります。

 もうSFかよ。

 この古典SF作品、過去2回、筆者の二人の類友るいとも人に薦めた事があるのですが、まぁ、揃ってお気に召された様で。訊けば、同じ『宇宙パトロール』エピソードが推しという具合。

 30年位前でしょうか。

 青梅街道を走行中、車内から熊皮帽子のロイヤルガード姿のでっかいテディベアを見たことが一度だけ有ります。ホーカ人のイメージぴったり。

 英国鉄道駅の熊はリアル熊が二足歩行で人にコスプレ。


 太陰暦では、

 月が輪郭を表す満ち始めから、満月を経て、姿を隠すまでが1ヶ月。地球現実世界では、月は、ほぼ29.5日で満ち欠けを繰り返しています。


 推移を29または30で分割したのが「月齢」。

 輪郭を表す満ち始めが1日、満月が15(満月の夜を十五夜)。ほぼ姿を隠す新月が0。その前日は29。


 異世界作品で1ヶ月が30日を超えるのはあまり見たことが無いですね。

 地球現実世界がモデルなのでそれに準拠なのが分かります。

 ただ、1ヶ月の日数をいじる。これを真剣にやるとかなり難しいですからね。

 まず、

 月の、少なくとも見かけの大きさが、満ち欠けが目視で判別出来るくらいの大きさであるということ。

 満ち欠けが判らないくらい小さいと、そもそもの話、月と認識され無い可能性が高くなります。

 そんなに小さくても肉眼で満ち欠けが認識できる、判るというのなら、その異世界の住人は余程視力が良い、または目の構造が我々と違うのかもしれません。

 それとも何等かしかの観測器具があるとか、

 異世界定番なら観測のための魔法、魔術。

 でしょうか。


 でもなぁ。

 火球やら鎌鼬を出現させて悦な人物が多い異世界で、観測に従事する魔術師やら魔法使いの出番て、どうなんでしょう ?


 仕事としては結構、重要なんですが、祭事に威信とか権威に直結するもので国家事業でやってるところが多いですし。

 それこそ、『なーロッパ』がモデルにしている地球現実世界中世からの古い天文台はあちこちにありますから、似たような背景の異世界としてはどうなんでしょ。大陸の古代帝国でさえ天文台や観測所があるのに。


 異世界作品では古い部類に入る作品の中に天文台が出てくるのが、あったような.........。恋愛系だったかなー.........。


 魔術師や魔法使いも折角高い塔を建設するんだったら、夜空を観測すればいいのに。


 高い塔。

 いなごのみおもくよこたわる

 それは『城』


 ひょっとして、塔の目的って、太陽エネルギーを受け取る為とか、太陽に黒点を発生させるビームを撃つ為だとか。

 お粗末様でした。


 そうそう、

 塔といえば、東京港区にある通称「東京タワー」なんですが、

 ココだけの話(?)、

 極一部で「戦う電波塔」の二つ名を冠しているんですが、由来として、変形して巨大ロボになって戦う。どこぞの放送協会が宣伝でアニメ化したのがひとつ。

 もうひとつあるのが、昭和空想特撮ドラマで、地球人の生命力を奪いに2024(?)光年先から来た異星人に電波攻撃をしたのが。というのがあったんですよ。なので聞いたら、「どっち?」と答えてあげてください。相手がにやりと笑ったら、深い人です


「戦う電波塔」

 筆者は電波攻撃由来派です。


 酷い暴投をしてしまいました。


 この見かけの大きさであるための実際の月の大きさと距離の関係は、遠近法を理解している方ならお解りかと思います。

 エーゲ海の世界遺産が現役だった頃の住人のなかには数学を駆使して月の実際の大きさとそこまでの距離を計算した人物がいたとのこと。ついでに太陽の大きさと距離も。


「こんだけでかい太陽が月と一緒に地球の周りをぐるぐるしてるだって?どう考えてもおかしいだろう」

「地動説」は中世ヨーロッパが初出の叡智では有りません。


 それくらいのブツが、この距離に存在して、地球の周りをぐるぐるしているわけです。

 これに、

 卵のかわりに時計を茹でて、落ちた林檎の逸話で有名な、造幣局長にして錬金術師。文系人間にとってラスボスである「微積分法」の自称発明者の出番を仰がないと為りません。

 観測データは持ち主の彗星の人に返したんでしょうか ?


 1ヶ月の日数をいじるためにはこれらを満たさなければならないとなると、

 既存のモデルとしての月と地球の関係をそのまま使う方が、

 面倒無い。

 なのがお分かりでしょう。


 厄介なのは、

 ここは地球現実世界ではありませんよ。

 を印象付ける為に、月が複数個存在する異世界の作品がありますが、その場合「○月✕日」はどの月を基準にしていたんですかね?

 そもそも、「○月✕日」な表記法とは違う体系の暦法になるのでは。


 これで複数個全ての月の満ち欠けが肉眼で判別出来るとなると面倒な事に。

 二番目に近い月は一番目より外の衛星軌道を回っているのはお解りだと思います。一番目より遠い処に二番目が在るって事。

 遠い処に在る対象はどんどん小さく見える。

 はっきり肉眼で満ち欠けが判る大きさでありながら、一番目より遠い処の二番目の実際の大きさはどれくらい?

 それらの大きさの月を複数個従える異世界はおそらく地球よりも大きいのではなかろうかと。

「月」は我々太陽系で5番目に大きい「衛星」。それより大きいのを後ひとつふたつとなると.........

 実際に計算するとどうなるかは面倒なので置いて於いて。


 主星が地球サイズでは荷が重そう。


 だとしたら大変なのはその異世界の海。それなりのブツが複数個もグルグル回っているんですから、潮の満引きがエライ間隔で発生するんじゃないですかね。


 地球の大きさに対し、これだけの距離にあれだけのシロモノな月というのは、天文学的には珍しい部類なのだそうです。


 そのため、天文学者の人々は昔から首を傾げていました。

「あんなもの、どうやって出来たんだろう?」

 知恵を絞って出て来たのが、

 ひとつ、

 地球の余り。

 隣でいつの間にか出来てた。

 ふたつ、

 地球が分裂。

 何かの力(遠心力?)で千切れた。

 跡地候補は太平洋。

 みっつ、

 どこからか飛んできた。

 良くも衝突しなかったな。運が良い。


 おそらく、ハイエルフ達でさえ見たことが無いだろ.........。

 いや、ちょっと待て、

 次元を超えられる異世界産ならあり得るか??


 そんな、誰も見たことが無いので、正解が判らず、どの説も反論の余地がある為、長い事、

 オカルト系も外野から口を挟んで

 論争が続いていました。


 やがて、

 よっつめが登場。

 みっつ全部まとめてしまえ。

 出来立てほやほやの地球に、火星くらいの大きさのヤツが、イイ感じにHIT。飛び散った破片が集まったのが「月」。みっつの良いとこ取り。

 スパコンに訊いたら、「それでいいんじゃん」となったらしい(超訳)。


 異世界の月はどうなんでしょう。


 ある一点から太陽の周囲を一周して出発点に戻るまでが公転周期。これが地球だと1年。


「月」を使いながら、1年が365〜366日だと知っている世界は、太陰暦から始まり、めて太陽暦に移行した歴史を持つ世界だと推測できます。

 異世界独自の暦で、

 1年365日、ひと月28日で13ヶ月。もしくは30日で12ヶ月。残りは纏めて祭事か祝祭日。

 というのがありますが、

 その様な暦を採用した世界も同様だと考えられます。


「太陰暦」の1年は12ヶ月だけでは無く、13ヶ月の場合も有りました。「閏月」です。

 月の満ち欠けに頼ると、どうしても太陽を一周する時間と合わない。この差を調節するのが「閏月」。

 日本史、それも偶に耳にするぐらい。時代劇ドラマで出て来るとしたら「本所松坂町カチコミ事件」ですかね?「江戸城後宮物語」も出てきそう。

 将軍様や副将軍様が「成敗!」とか「目に入らぬか!」とか命令する方では見聞きしたこと無いなぁー。


 偶に、

 何で異世界作品なのに1年が365日なの?違ってもいいんじゃない。

 なんていう意見を見たりしますが。


 筆者としては年の初めが、

 なんで寒い冬から始まらならんねん。春頃や違う季節でもいいやん。

 そっちのほうが文化文明の違いが出せて異世界らしいやん。

 と想うのですが。


 太陽の周りを365日で一周できる位置、軌道上に在ったからこそ、

 我々と同じ姿格好をした住人が存在できる。

 と云え無くもない。


 科学の分野を齧ったことが有る方はご存知かもしれませんが、

 美味しかったですか?

 ではなく、

 惑星表面で、液体でH2Oの方の「水」が常時存在するためにはこの辺に居なければ無理なんじゃない?

 という「ハビタブルゾーン」という概念があります。

 生命の誕生と維持に必須だと考えられている水が、

 ハビタブルゾーンより遠いと凍結。

 太陽に近いと蒸発して保持出来無い。


 このハビタブルゾーンが地球の公転軌道上と重なる。

 365日で太陽を一周出来る距離(太陽―地球間)を範囲としている訳です。

 じゃあ、移動速度等が、とかは、

 これ以上のことは百年以上前にスイスの特許局職員だった人に聞いて下さい。


 この領域に地球が在ったからこそ、異世界作品を生み出せたわけです。

 違ったか?


 1年が365日であっても、その世界に生きる生き物が、果たして我々と同じ姿形をしているかでさえ判らないのに、365日から外れる世界の住人、

 人?人の括りでいいのか?

 まぁ取り敢えず。

 住人が同じでいいのか。

 ならば既に実証済みの地球現実世界と同じ方、1年が365日である事が、後腐れなくて良いという次第。


 そういえば、

 異世界の住人達は自分達の足下についてどのような認識をしているんでしょうか。

 日々の生活に追われて、気にする暇が無い階層は兎も角。

 国が教育機関を設立し、国内貴族の子弟を集めて、なんだかわからない教育を施すような体制の異世界作品では、

 おそらく人材育成機関のつもりなのでしょうが、

 傍から見るとどーも体の良い、国の監視下の人質集団。江戸幕府の参勤交代?的な気がするんですが。

 国家機関なら、隠された目的として王家のイヌに飼い馴らす洗脳教育が行われているとか。

 ともあれ、

 そんな機関でも学んだ貴族は知識階級だったりすると思うんですよ。

 そこら辺、多くの異世界作品だとあまり成功してはいなさそうですね。なにしろ.........ね。

 それとも知識階級ばっかりだから常識でその類いの話は出てこないんでしょうか。

 異世界作品で、

 自分の足下が何なのかを語る。

なんて読んだり聞いたりしたこと無いなぁー。


 因みに『惑星』や『遊星』という言葉は、

地球から観測した星の軌跡が直線方向では無く、行ったり来たり、進んだかと思えば後戻りしているように見えるために付けられた。

だったかな。


 ふと湧いた疑問。

 異世界作品、あの有名な英国のを含めて、登場する魔法魔術関連の教育機関で占星術を科目にしている機関ってあるんでしょうか?そんな描写がある作品は今まで無かった気がする。占星術と天文学の関係は割と有名な話なんですが、思いつく限り、星座の話は出てくる作品はあっても、その異世界を含む恒星系関係の話が出て来る作品というのは目にかかったことがありません。

サブタイトルは与謝蕪村のほうが判り易かったかなー。

次回予告。

「見えざる手はサイコロを振ら無い?」(仮)

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