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Roads to (Feudal)Lords

名付きの黒は親衛隊。

名無しの灰は国防軍。

不完全支配は国力半分。

恐ろしいのは大名死亡。

気付けば、白地に卍が最大勢力。


マスター:「魔法を習得しました」

カードが与えられます。

どんな魔法か名前も効果も分かりません。

わくわく。

プレイヤー:「魔法発動!」

カードを表に。習得した魔法が明らかに。

MPが足りません。

気絶。

魔法は失われました。カード没収。

 異世界を舞台とする作品群で、主人公が転生やら転移する先は、大抵『君主制国家』。しかも『貴族』制度付き。


 君主制というのは、少し小難しく言うと、

「最終的な国家意思決定権が特定の個人に帰する」制度です。

 物凄く簡単に言うと、

「誰かさんの『いいよ』、『ダメ』が、国の『いいよ』、『ダメ』になる」制度です。


 なので、この個人や誰かさんが皇帝だの王だの汗だの、大君だの言われたり、呼ばれたり、自称したりする訳です。


 さて、どういう訳か異世界とは切っても切れないのが貴族制度もしくは身分制度。

 ただ、この制度は、王様や皇帝なんか居なくても存在できる制度です。


 よく勘違いされているとか、いないとか。


 極端なところ、統治体制が民主制でも貴族制度は存在できます。

 国政、国家の意思決定に参与する資格が特権化

 なんてところですかね。


 座って船を漕ごうか、欠席ばっかりしていようがどこぞの企業の責任者に劣らない年俸を貰えるのは、参与特権を持つ側だからです。


 貴族、身分制度。

 国内の住民を、色々と便宜を図る側を上位、あまり図らない側を下位と区別する制度です。

 もっと大雑把に言うと、

 命令する側とそれ以外。

 別にお金があるとか、上等な服を着ているとか、良いもの喰ってる、というのはオマケです。


『なーロッパ』なんて言われる様に欧州をモデルにしております、多くの異世界。


 恋愛モノなら身分違いのナンタラをしたくて、スローライフやらで主人公にチートをさせたくて、文明度が低い環境、代名詞的扱いとして、

 異世界が採用している「君主制」「貴族、身分制」「封建制」。



 そういえば、「放射能除去装置があるから、取りにいらっしゃい。」と言った女王様がいる惑星の名前のもとになった、聖杯争奪戦アニメの英霊の一柱で、「こんな馬鹿に世界は征服されたのか。」と言われた王様の国は君主制で、周辺の民主制都市国家から皆して『野蛮』だと云われておりました。


 しかし、アニメのあの台詞を聴いたときは笑いました。あの王様は若い時分、幾何学の勉強にウンザリして、「楽、出来ない?」なんて言って家庭教師に窘められたり、紐の結び目が解けないから、「ぢゃあ剣で切っちゃえ。」と、なかなかの『脳筋』な逸話なお方だったもので。


 それでいて、専制君主制度に対する文明の勝利だとか云うんだよ?

 信じられるか?(頭がヘリウムより軽いどこぞの空賊風に、あれ、水素だったっけ?)


 まぁ、此方の地球出身の主人公より(機械技術等)文明度が高ければ、SF・・・少し不思議。では無い方・・・の領域になちゃうんですかね。


 いくら異世界でも、欧州の貴族、封建制度がモデルなんだからさぁ。と、意義アリ!で、

 欧州の君主制度や貴族制度、封建制なんかを、詳しく解説されている方々がいらっしゃいますので、そちらの方はお任せするとして。


 なーロッパ異世界と現実欧州は、あくまでも似た様な世界である。だから似て非なる制度でも良いんじゃない?とは想うんですがね。


 地球世界の現在の、歴史上の国家を舞台とする作品なら、それはダメぢゃん、と言えますが、


 それはそもそも異世界モノでは無い。


 貴族制度も英独仏露伊日で違いはあるのだし、異世界の国家制度も独自のモノだって、突っ撥ねても良いような気がするのですが。


 ただ、歴史的経験値の積み重ねが見えてこない制度設計···ゆる~い設定ともいう・・・が多いので批判が多いんじゃないでしょうか。大体、身も蓋も無い言い方をすれば、何処かで読み囓った、視囓った、聴き噛ったりなどした異世界作品から噛み砕きもせず、そのまま再生産した設定を使うから、こんなことになっているのでしょう。ソコのところが何処かで読んだ、視た聞いたような異世界が多い原因だと確信しております。

 設定で批判が出るのはそこいらの設定を押し通す説得力が無かったんでしょうとも想いますが。


 ただ、異世界モノでどうしてか納得しかねていたのが『大公国』『公国』の存在。そういや『侯国』はあまり、というかほとんど見たことがありません。


 建国の成り立ちが作中から考えられない。

 誰が大公やら公の地位を与えたんだ。

 与えた奴、出て来い。

 と、作品中に大公、公国が出て来る度に想います。


 叙任権者はその異世界を作った『作者』という創造主なのであるのは、まぁ、ね。


 大公国や公国は独立した国家とはいえ、土地と身分を認めた上位者が居たはず。実力という但し書きがついたとしても、その上位者と臣従関係を結んでいるから大公国とか公国じゃないの?

 なのに隣国の王国とか帝国と同等のお付き合いをしている。たまに、何をとち狂ったか王様や皇帝より偉そう。これじゃあ臣従関係は無いよね。


 上位者の威を借るナニカ何でしょうか。でも上位者は何処?飛地なの?

 それとも上位国は巨大な磁石か飛行石を抱えた浮遊島だとか、通信技術的や地政学的なものを無視できる何か理由があって、どこか離れた所に上位国があるんでしょうか。それで中世?あ、魔法か。


 浮遊島を訪れた船医は江戸期の人物なので磁石を抱えている方は中世期じゃ無いですね。中世末期かな?

 飛行石を抱えている方はわかりませんが。


 それとも、大公公国と隣の王国や帝国は、元は纏めて一つの大国だったのが、その大国が空中分解して支配家系が断絶なり滅亡して、大公公国と王国は独立。帝国は残りの諸侯領が再編した、または全く関係無いとすれば、見かけはどうあれ、同郷の誼で肩を並べる存在にはなる。


 かなと、常々想っておりました。

 が、見落としていたんです。異世界モノの舞台は中世風ヨーロッパ。そう、中世風。

 モドキだとしても中世ヨーロッパ。イメージとして黒死病を背景に世俗と聖職が、ルンたった、して周りを振り回していた時代。


 なーロッパ世界の文明度は近世の雰囲気がするんですが、気の所為でしょうか。きっと、転移転生者が引っかきまわすからでしょうね。


 それでですね、「中世ヨーロッパ」じゃないですか。勘違いしてたんですね。


 てっきり、なーロッパ世界はフランク辺りがモデルの話だと。

 違ったんです。

 なーロッパ世界のモデルは、その隣だったんですよ。東隣。フランク帝国のご近所。お隣さん。

『輝ける城塞』、『小さな城砦都市』、『唯一』では無く、モデナでもトスカーナでもミラノでも無く(こちらは臣従している上位者の隣に位置していた)。

 なーロッパに登場する大公、公国はノブゴロドとかキエフとかモスクワの方なんです。ついでにリトアニアも。そっちなんですよ。


 確かに、広義に云えばこれらの地域を含みますけどね。ヨーロッパ。

 そうすると、色々なことが腑に落ちる訳です。


 誰が叙したか知らない大公が治める大公、公国が存在して居る。


 どうも「絶対」ではなく、隙あらばを狙う、腕に自信がある反対派も多く居る情勢。


 よく、追放処分を受けた主人公が追放される先の、人外、魔獣、魔物が横行跋扈しそうな深い森も近い。


 チャールズ=グレイトの黒い森だと、魔女(お菓子の家を建てた)と魔獣(無差別連続殺人犯、時期と場所がちょっと違う)、人外(満月に変身)の話がちょろっとくらいですが、

 赤髭皇帝は迷子になって餓死寸前で脱出できたそうで、やっぱり人外系脅威度は低いのか。

 でも、戦死者30年分の怨霊が彷徨う、悪魔が棲む谷があると云うし。


 森は森にしても、あっち側は、それはもう盛り沢山。古い絵地図にはその姿が所狭しと描かれておりますし(笑)。

 人外(吸血種に人喰種)に始まって、魔獣魔物、魑魅魍魎。魔女も居るし(鶏足が生えている家に住む)、呪いは標準装備だし。カール=デア=グロッセの黒森に比べてバラエティに富んでおります。脅威度は危険、死を覚悟せよレベル。

 そんな森へ追放だなんて、それは死刑宣告。

 いや、まぁそのつもりの追放でしたっけ。


 そう云えば、

 靴···ガラスだったか兎の毛皮だったか···で成り上がる令嬢の話もあるし、しかも、足先を切り落す、焼いた鉄の上で踊らせるの『ざまぁ』付きだったような?


 食事も、小麦上等。黒パン、ライ麦パンが主流。その大麦、ライ麦の穂が揺れる大地はと云えば。


コジンテキカンソウデアリジッサイノモノトハチガイマス


 斯様な程にフランク側、ライン川を中心では無く、その隣の文化圏。ドニエストル川が中心だった、その『大地』は「父祖」では無く、「母」でした、モデルの「なーロッパ」。


 アンにジャンヌ、アンナ、アンネ、ハンナ、ヨハンナが一つ所に会する様な「なーロッパ」。最近は少なくなりましたが。

 もうね、何でもアリなところがある「なーロッパ」なんですから。設定に頭を使うのが嫌で、採って付けた中途半端な設定が「異義アリ」されるくらいなら。どうすれば流せるのかに悩ませる方に傾けた方が良いんじゃないですかね。


前書きの内容とサブタイトルの意味が解ったアナタ。古参ですね。

山城国で足利義昭と握手。お手当は15金?


次回予告。

「ESPレベルが2で、精神力が9、支援付」(仮)

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